『ロシアン・ドール：謎のタイムループ』は、2019年にNetflixで配信開始された米国のコメディ・ドラマ。ナディアが36歳の誕生日にタイムループに陥り、死と再生を繰り返しながら謎を解く物語。ユーモアと実存主義を融合し、高い評価を受けた。シーズン2も2022年に配信。
基本情報
- 邦題：ロシアン・ドール：謎のタイムループ
- 原題：Russian Doll
- 放送年：2019年〜
- 製作国：米国
- 再生時間：各26分
- ジャンル：アドベンチャー・冒険、コメディ、ドラマ
女優の活躍
『ロシアン・ドール：謎のタイムループ』の主演を務めるナターシャ・リオンは、本作で女優、製作総指揮、原案、監督の一部の役割を担い、多才ぶりを発揮しています。リオンは、ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のニッキー役で広く知られていましたが、本作でさらに注目を集めました。彼女が演じるナディア・ヴォルボコフは、自由奔放で皮肉屋、かつ頭脳明晰なソフトウェアエンジニアで、独特のハスキーボイスと強烈な個性がキャラクターに深みを与えています。リオンはナディアの複雑な感情や内面的な葛藤を巧みに表現し、視聴者を引き込む演技で批評家から絶賛されました。特に、タイムループという非現実的な設定の中で、ナディアの人間らしい弱さや成長をリアルに描き出したことで、プライムタイム・エミー賞の主演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を受けました。
リオン以外にも、クロエ・セヴィニーやグレタ・リーといった女優陣が脇を固め、物語に彩りを加えています。セヴィニーはシーズン2で重要な役割を果たし、その独特な存在感で作品の雰囲気を高めています。リーはナディアの友人役として登場し、コミカルかつ温かみのある演技で視聴者に印象を残しました。これらの女優たちの化学反応が、作品のユーモアとドラマチックな展開を支えています。
女優の衣装・化粧・髪型
ナディアを演じるナターシャ・リオンの衣装、化粧、髪型は、彼女のキャラクターの個性を強く反映しています。ナディアのスタイルは、ニューヨークのイーストビレッジに住む自由奔放な女性を象徴するもので、ヴィンテージ風のレザージャケット、黒のスキニージーンズ、ブーツといったロックでカジュアルな装いが特徴です。彼女の衣装は、繰り返されるタイムループの中で一貫性を持ちつつ、微妙な変化（例：アクセサリーやシャツの色）でループの違いを表現しています。これにより、視聴者はナディアの状況の変化を視覚的に捉えやすくなっています。
化粧は、ナディアの奔放な性格を反映し、控えめながらも個性的です。スモーキーなアイメイクと赤いリップが彼女のトレードマークで、強気な態度と内面の脆さを同時に表現。髪型は、赤みがかったカーリーヘアをルーズに下ろしたスタイルが基本で、時に乱雑さが彼女の混乱や疲弊を象徴します。シーズン2では、タイムトラベル要素が加わり、1980年代のファッションが登場する場面もあり、ナディアの祖先の体に憑依した際のレトロな衣装やメイクが新鮮な魅力を放ちます。これらのビジュアル要素は、ナディアのキャラクター造形に不可欠であり、リオンの個性と相まって視聴者に強い印象を与えました。
あらすじ
『ロシアン・ドール：謎のタイムループ』は、ニューヨークに住むソフトウェアエンジニア、ナディア・ヴォルボコフ（ナターシャ・リオン）の36歳の誕生日を中心に展開します。友人たちが開いてくれたパーティーの夜、ナディアは交通事故で死にますが、目を覚ますとパーティー会場のバスルームに戻っています。彼女は同じ日を繰り返し、毎回異なる死に方を経験しながら、タイムループの謎を解こうと奮闘します。やがて、彼女と同じくループに囚われたアラン（チャーリー・バーネット）と出会い、二人は協力してループの原因を探ります。シーズン1では、ナディアとアランの過去やトラウマがループに関係していることが明らかになり、互いを救うために奔走する姿が描かれます。
シーズン2では、物語はさらに複雑化。ナディアは地下鉄でタイムトンネルを発見し、1980年代や過去の世代に遡る冒険に巻き込まれます。彼女は自分の家族の歴史や遺産を巡る謎を追い、過去の出来事を変えようと試みますが、新たな異常事態に直面。コメディと実存主義的なテーマが融合した展開で、ナディアとアランの成長が描かれます。
解説
『ロシアン・ドール：謎のタイムループ』は、タイムループというSF的な設定を軸に、人生、死、自己認識といった実存主義的なテーマを探求する作品です。コメディとミステリー、ドラマが絶妙にブレンドされており、映画『恋はデジャ・ブ』や『エターナル・サンシャイン』のような作品と比較されますが、独自のスタイリッシュな作風とナターシャ・リオンの個性が際立っています。物語は単なるループの解決だけでなく、主人公たちの内面的な変化や人間関係の修復に焦点を当て、視聴者に深い感動を与えます。特に、ナディアの皮肉屋で自堕落な性格が、ループを通じて徐々に優しさや共感へと変化していく過程は、作品の大きな魅力です。
シーズン2では、タイムトラベル要素が加わり、単なるループものからさらに野心的な物語へと進化。過去と現在の交錯を通じて、家族の遺産や世代間の繋がりを掘り下げます。デヴィッド・リンチ監督の影響を受けたシュールな世界観も特徴で、視覚的・テーマ的な実験性が評価されています。エンディングには賛否両論ありますが、作品全体の完成度の高さから、多くの批評家が「現代の傑作」と称賛。プライムタイム・エミー賞で作品賞や主演女優賞など14部門にノミネートされるなど、批評的成功を収めました。
キャスト
- ナターシャ・リオン（ナディア・ヴォルボコフ）：主人公。ソフトウェアエンジニアで、タイムループに囚われる。皮肉屋だが心に傷を抱える。
- チャーリー・バーネット（アラン・ザヴェリ）：ナディアと同じくループに囚われた青年。真面目で不器用。
- グレタ・リー（マキシン）：ナディアの親友で、パーティーを主催する陽気なキャラクター。
- ユル・ヴァスケス（ジョン・レイエス）：ナディアの元恋人。彼女の人生に影響を与える。
- エリザベス・アシュリー（ルース・ブレナー）：ナディアの後見人でセラピスト。過去と深い繋がり。
- クロエ・セヴィニー（レノーラ・ヴォルボコフ）：ナディアの母親役（シーズン2で登場）。
スタッフ
- 原案・製作総指揮：ナターシャ・リオン、レスリー・ヘッドランド、エイミー・ポーラー
- 監督：ジェイミー・バビット（シーズン1の一部）、ナターシャ・リオン（一部エピソード）
- 脚本：レスリー・ヘッドランドほか
- 製作：Netflix
- 音楽：ハリー・ニルソンの「Gotta Get Up」が劇中で繰り返し使用され、作品の雰囲気を象徴。
まとめ
『ロシアン・ドール：謎のタイムループ』は、ナターシャ・リオンの圧倒的な存在感と、タイムループやタイムトラベルを活用した斬新なストーリーテリングで、現代のドラマの中でも際立つ作品です。コメディと実存主義の融合、魅力的なキャスト、印象的なビジュアル要素が織りなす物語は、視聴者に深い思索と笑いを提供。シーズン1・2ともにNetflixで配信中で、シーズン3の可能性も注目されています。
レビュー 作品の感想や女優への思い