ムン・チェウォン(문채원)は1986年11月13日生まれの韓国の女優。大邱出身で、2007年にドラマ『走れサバ!』でデビュー。『華麗なる遺産』や『王女の男』で人気を博し、繊細な演技で多くの賞を受賞。清純な美貌と深い感情表現で愛されています。
プロフィール
- ムン・チェウォン(문채원)
- 生年月日:1986年11月13日(38歳)
- 身長:168cm
- 職業:女優
- ジャンル:映画、テレビドラマ
- 活動期間:2007年~
- 事務所:IOKカンパニー
各種表記
- ハングル:문채원
- 発音:ムンチェウォン
- ローマ字:Moon Chae Won
生い立ち・教育
ムン・チェウォン(文彩元、Moon Chae-won)は、1986年11月13日、韓国大邱広域市中区に1男1女の長女として生まれました。幼少期は比較的裕福な家庭で育ち、祖父が大邱で有名なホテルを経営していたと言われています。小学6年生の時に家族と共にソウル特別市江南区へ移住しました。移住当初、慶尚道の方言が原因で学校生活に馴染めず、中学時代は約1年間孤立していたこともあると明かしています。この時期、内向的な性格で、校門に男子生徒がいると全員が入るのを待ってから入るほどシャイだったそうです。
幼い頃からドラマや映画が好きで、漠然と演技に憧れを抱いていましたが、具体的に俳優を目指す意識はまだありませんでした。もともと舞踊を習っていましたが、ソウル移住前に大きな手術を受けた影響で体力が低下し、舞踊から美術に進路を変更。ソウルの宣和芸術高等学校の美術科に進学し、そこで徐々に性格が明るくなり、絵画に打ち込みました。しかし、高校3年生の時に俳優への夢が芽生え始め、進路に悩む時期を迎えます。両親の反対により、映画や演劇学科ではなく、秋溪芸術大学西洋画科に進学しましたが、演技への情熱を抑えきれず、1学期で休学。その後、大学を中退し、俳優の道を本格的に歩み始めました。
経歴
ムン・チェウォンは2007年、SBSのシットコム『走れサバ!』(原題:달려라 고등어)で女優デビューを果たしました。このオーディションでは、前夜にアロマキャンドルが顔に落ちて火傷を負い、包帯を巻いた状態で臨んだにもかかわらず、60対1の競争率を勝ち抜いた逸話が有名です。残念ながら同作は低視聴率で早期終了となりましたが、イ・ミンホやパク・ボヨンらと共演し、注目を集めました。
2008年、SBSの時代劇『風の絵師』(原題:바람의 화원)で妓生チョン・ヒャン役を演じ、ムン・グニョンとの共演で「ドッニャンカップル」として人気を博しました。この作品で安定した演技力が評価され、SBS演技大賞のニュースター賞とベストカップル賞を受賞。女性同士のペアとしては韓国初の受賞となり、歴史に名を刻みました。同年、ポータルサイトDaumの「大きな星になる新星」投票で1位に輝き、注目度が急上昇。2009年には『華麗なる遺産』(原題:찬란한 유산)で主要な役を演じ、40%を超える高視聴率を記録。自身もこの作品を「名前を知らしめた重要な作品」と語っています。
2011年はムン・チェウォンの飛躍の年でした。KBSドラマ『王女の男』(原題:공주의 남자)で主演を務め、25%の高視聴率を達成。第19回韓国文化芸能大賞で初の最優秀女優賞、KBS演技大賞でベストカップル賞、人気賞、最優秀演技賞の3冠を獲得しました。同年、映画『最終兵器 弓』(原題:최종병기 활)で主人公の妹ジャイン役を演じ、大鐘賞と青龍映画賞で新人女優賞を受賞。2012年の『優しい男』(原題:세상 어디에도 없는 착한남자)でもKBS演技大賞最優秀賞を受賞し、2年連続の栄誉に輝きました。
その後も『グッド・ドクター』(2013年)、『クリミナル・マインド』(2017年)、『悪の花』(2020年)、『法銭』(2023年)など、時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで活躍。繊細な感情表現と役への没入度で高い評価を受け続けています。
私生活
ムン・チェウォンはプライベートでは内向的で控えめな性格として知られています。インタビューで、自身の魅力について「大きくなく西洋的でない顔立ち」と語り、自然体な美しさがファンに愛されています。MBTIは元々ISFJだったが後にISTJに変わったと明かし、几帳面で責任感の強い一面を覗かせました。カトリック教徒で、ソウル大教区の清潭洞聖堂で洗礼を受け、洗礼名は「ボナ」です。
食に関しては、乳製品アレルギーがあり、アイスクリームやヨーグルトを避けるとのこと。2020年のインタビューでは、ミントチョコは好きだがパイナップルピザは好まないと語っています。2014年のtvN『三食ごはん』でのイ・ソジンの「ムン・チェウォンは大食い」という発言が話題となり、翌日リアルタイム検索ワードにランクインしました。また、『ランニングマン』での愛嬌が大きな反響を呼び、今も語り継がれています。
親しい俳優として、ムン・グニョンやハン・ヒョジュとの友情を公言。2011年のソン・イェジンのファンミーティングにサプライズ出演するなど、業界内での交友関係も良好です。恋愛については、過去にソン・ジュンギやイ・スンギとの熱愛説が浮上しましたが、いずれも否定。現在は未婚で、理想のタイプとして「声が良く、賢く、徳のある人」「一つの分野で努力を続ける人」を挙げています。
出演作品
ムン・チェウォンの代表的な出演作品は多岐にわたります。テレビドラマでは、2007年の『走れサバ!』でデビュー後、『風の絵師』(2008年)、『華麗なる遺産』(2009年)、『王女の男』(2011年)、『優しい男』(2012年)、『グッド・ドクター』(2013年)、『悪の花』(2020年)、『法銭』(2023年)などがあります。特に『王女の男』と『悪の花』では、深い感情表現で視聴者を魅了し、高い評価を受けました。
映画では、『最終兵器 弓』(2011年)で新人女優賞を受賞後、『恋愛の温度』(2015年)、『その日の雰囲気』(2016年)、『名探偵 風水師の秘密』(2018年)、リメイク版『ノーキッズ』(公開時期未定)に出演。サブカルチャーでは、ウェブトゥーン原作の『鶏竜仙女伝』(2018年)で主演を務めました。
バラエティ番組では、『ランニングマン』(2013年、2014年)、『三食ごはん』(2014年)、『冷蔵庫をお願い』(2015年)、『ミウセ』(2021年)に出演し、飾らない魅力で人気を集めました。また、オーディオブック『100人の俳優、世界文学を読む』でトーマス・ハーディの『憂鬱なドイツ騎兵』を朗読するなど、多彩な活動を展開しています。
総括
ムン・チェウォンは、美術から演技への転身を果たし、努力と情熱で韓国を代表する女優の一人となりました。時代劇から現代劇まで幅広い役柄をこなし、繊細な演技と清純な魅力で多くのファンを魅了しています。今後も彼女の新たな挑戦と活躍が期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い