『オブセッション/愛欲の幻』は1991年米国製作の映画。建築家ニックは、旧友ポールの頼みで古いビルの解体調査に訪れるが、そこで出会ったジェーンと惹かれ合う。過去の殺人事件とビルに隠された秘密が、愛と狂気を織り交ぜて明らかに。ミステリーとロマンスが融合したサイコスリラー。
基本情報
- 邦題:オブセッション/愛欲の幻
- 原題:LIEBESTRAUM
- 公開年:1991年
- 製作国:米国
- 上映時間:106分
女優の活躍
本作の主要な女優は、パメラ・ギドリー(Pamela Gidley)が演じるジェーンです。彼女は物語の中心となる女性キャラクターで、ニック(ケヴィン・アンダーソン)の心を掴むミステリアスな存在として登場します。パメラ・ギドリーは、1980年代から1990年代にかけて多くの映画やテレビドラマに出演し、特に本作ではその繊細かつ情熱的な演技が光ります。ジェーン役では、知的で魅力的な女性としての外見と、内に秘めた複雑な感情を見事に表現。彼女の演技は、物語のサスペンスとロマンスのバランスを保つ重要な要素となっています。特に、ニックとの親密なシーンでは、感情の揺れや微妙な表情を通じて、キャラクターの深層心理を観客に伝え、物語に感情的な重みを加えています。ギドリーの自然体な演技は、ジェーンの魅力を際立たせ、観客を引き込む力があります。
また、脇役として登場するキム・ノヴァクも注目すべき存在です。ノヴァクは、かつてのハリウッド黄金期のスターとして知られ、本作では重要な脇役として登場。彼女の貫禄ある演技は、物語の過去と現在をつなぐ鍵となり、作品に深みを与えています。ノヴァクの登場シーンは限られていますが、その存在感は大きく、過去の事件の重さを象徴する役割を果たしています。
女優の衣装・化粧・髪型
パメラ・ギドリ演じるジェーンの衣装は、1990年代初頭のアメリカの都会的なスタイルを反映しつつ、彼女のキャラクターのミステリアスな魅力を引き立てるデザインが特徴です。ジェーンは知的で洗練された女性として描かれており、シンプルながらも上品なドレスやブラウス、スカートといった衣装が多く登場します。色調は、落ち着いたベージュやグレー、柔らかなブルーなど、彼女の穏やかな性格を象徴するものが選ばれています。特に、ニックとのロマンティックなシーンでは、柔らかい素材のドレスが彼女の女性らしさを強調し、観客に強い印象を与えます。
化粧はナチュラルで、ジェーンの自然な美しさを活かすメイクが施されています。淡いピンクやベージュの口紅、控えめなアイメイクが中心で、過度な派手さは避けられています。これにより、彼女の内面の複雑さや感情の揺れが、表情を通じてより際立つよう工夫されています。髪型は、ゆるやかなウェーブのかかったミディアムヘアで、1990年代のトレンドを反映しつつ、ジェーンの知的で親しみやすい雰囲気を表現。シーンによっては、髪を軽くまとめることで、彼女の日常的な一面も垣間見えます。
キム・ノヴァクの衣装は、彼女の年齢と役柄に合わせたエレガントなものが多く、過去のスターとしてのオーラを保ちつつ、物語の重厚な雰囲気を補強するデザインです。化粧と髪型も、クラシックなハリウッド女優の風格を漂わせ、控えめながらも存在感を放っています。
あらすじ
建築学の教授であるニック・カミンスキー(ケヴィン・アンダーソン)は、末期疾患に冒された旧友ポール(ビル・プルマン)の頼みで、イリノイ州の小さな町にやってきます。ポールは、かつての繁栄を誇ったデパートビルの解体を計画しており、ニックはその調査を担当することに。町に到着したニックは、ポールの妻ジェーン(パメラ・ギドリー)と出会い、すぐに惹かれ合います。しかし、ビルには40年前の未解決の殺人事件が影を落としており、ニックとジェーンの関係が深まるにつれ、過去の事件の真相が明らかになっていきます。
ビルの中を探索するニックは、奇怪な夢や幻覚に悩まされ、過去の出来事が現在と交錯するような感覚に囚われます。ジェーンとの愛が深まる一方で、ニックはビルに隠された秘密と、過去の事件に関与した人物たちの存在を知ります。やがて、愛と嫉妬、裏切りが絡み合う衝撃の事実が浮かび上がり、ニックは現実と幻の境界で葛藤しながら、過去と現在の謎を解き明かしていきます。果たして、ニックとジェーンの愛は、過去の亡魂に打ち勝つことができるのか。サスペンスとロマンスが交錯する物語が、観客を予測不能な結末へと導きます。
解説
「オブセッション/愛欲の幻」は、マイク・フィギス監督によるサイコスリラーとロマンスの融合した作品で、1990年代初頭のアメリカ映画の独特な雰囲気を漂わせています。フィギス監督は、音楽と映像を巧みに組み合わせた演出で知られ、本作でもジャズやクラシック音楽を効果的に使用し、夢と現実が交錯するような幻想的な雰囲気を作り出しています。映画のタイトル「Liebestraum」は、フランツ・リストのピアノ曲「愛の夢」に由来し、愛の美しさとその裏に潜む狂気を象徴しています。
物語の中心となるのは、過去のトラウマと現在の愛の葛藤です。ニックとジェーンのロマンスは、単なる恋愛ではなく、過去の事件と深く結びついた運命的な要素を含んでいます。ビルという舞台設定は、単なる背景ではなく、登場人物たちの心理や過去の記憶を映し出す象徴的な存在として機能。フィギス監督は、ビルの古びた内装や薄暗い照明を通じて、登場人物の心の闇を視覚的に表現しています。
本作は、批評家の間では賛否両論を呼びました。一部では、フィギスの実験的な演出や複雑なストーリー展開が評価された一方、物語の曖昧さや結末の解釈の難しさが批判されることもありました。しかし、愛と狂気、過去と現在の交錯というテーマは、心理的な深みを求める観客にとって魅力的な要素となっています。Filmarksのレビューでも、独特の雰囲気や音楽の使い方が印象的との声が多く、平均スコアは3.5点前後とまずまずの評価を得ています(※具体的なレビュー数は情報不足のため推定)。
キャスト
- ニック・カミンスキー:ケヴィン・アンダーソン。建築学の教授で、過去と現在の謎に巻き込まれる主人公。冷静な外見の裏に情熱を秘めたキャラクター。
- ジェーン・ケスラー:パメラ・ギドリー。ポールの妻で、ニックと惹かれ合うミステリアスな女性。感情の揺れを繊細に演じる。
- ポール・ケスラー:ビル・プルマン。ニックの旧友で、末期疾患に冒されたデパートビルのオーナー。物語の鍵を握る。
- Mrs. ラルストン:キム・ノヴァク。過去の事件に関わる謎めいた女性。貫禄ある演技で物語に重みを加える。
その他、グレアム・ベックル、トーマス・コパッチなど
スタッフ
- 監督・脚本:マイク・フィギス。「リービング・ラスベガス」で知られる監督。音楽と映像の融合を得意とし、本作でも独特の雰囲気を作り出す。
- 製作:エリック・フェルナー、マイケル・フリン
- 音楽:マイク・フィギス。フランツ・リストの「愛の夢」を基調に、ジャズやクラシックを織り交ぜた幻想的なスコア。
- 撮影:フアン・ルイス・アンシア。ビルの暗い内装や夢幻的なシーンを美しく捉える。
- 編集:マーティン・ハンター
- 美術:ウォルディマー・カリン。古びたデパートビルのセットが、物語の不気味な雰囲気を強調。
まとめ
「オブセッション/愛欲の幻」は、愛と狂気、過去と現在が交錯するサイコスリラーとして、独特の魅力を持つ作品です。パメラ・ギドリーの繊細な演技と、マイク・フィギス監督の音楽と映像の融合が、観客に深い印象を与えます。ジェーンの衣装や化粧は、1990年代の洗練されたスタイルを反映しつつ、キャラクターの内面を表現。物語は、予測不能な展開と幻想的な雰囲気で、心理的なサスペンスを求める観客に特におすすめです。
レビュー 作品の感想や女優への思い