『ビッグ・バグズ・パニック』（原題：Infestation）は、2009年公開のアメリカのホラーコメディ映画。巨大昆虫に支配された世界で、怠け者の青年クーパーが生存者と共に戦い、成長する姿を描くB級パニック・アクション。メル・ギブソン製作、監督はカイル・ランキン。
基本情報
- 邦題：ビッグ・バグズ・パニック
- 原題：INFESTATION
- 公開年：2009年
- 製作国：米国
- 上映時間：91分
- ジャンル：パニック
あらすじ
『ビッグ・バグズ・パニック』は、怠け者で不真面目な青年クーパー（クリス・マークエット）を主人公に据えたホラーコメディ映画です。クーパーは父親のコネで入社したテレマーケティング会社で、勤務態度が原因で上司のモーリーン（デボラ・ジェフナー）から解雇を言い渡されます。しかし、その瞬間、突然の強烈な耳鳴りと共に意識を失い、目覚めるとオフィスは異様な光景に変わっています。人間は繭に包まれ、巨大な昆虫が町を支配。クーパーは巨大な甲虫のような怪物に襲われますが、なんとか撃退し、モーリーンの娘サラ（ブルック・ネヴィン）や他の生存者たちと合流します。
生存者たちは、元軍人のクーパーの父イーサン（レイ・ワイズ）、耳が不自由なヒューゴ（E・クインシー・スローン）、そしてクーパーの友人らと共に、巨大昆虫の脅威に立ち向かいます。昆虫に噛まれた人間は「虫ゾンビ」と化し、さらなる脅威となる中、クーパーはサラに惹かれ、彼女を救うため奮闘します。物語は、生存者たちが安全な場所を目指して戦い、クーパーが自身の弱さを克服し成長していく過程を、ユーモアとアクションを交えて描きます。終盤、クーパーは父親との関係にも向き合い、支配的な父に立ち向かうことで男気を見せ、物語はクライマックスへ向かいます。ラストは続編を予感させる展開で、視聴者の想像を掻き立てます。
解説
『ビッグ・バグズ・パニック』は、B級映画の魅力に溢れた作品です。巨大昆虫という古典的なモンスター映画の題材を、ホラーとコメディの絶妙なバランスで描き、低予算ながらもCG技術を駆使したリアルなクリーチャーデザインが特徴です。監督のカイル・ランキンは、『スターシップ・トゥルーパーズ』を彷彿とさせる昆虫との戦いをコンパクトにまとめ、ユーモラスなキャラクター描写とテンポの良い展開で観客を引き込みます。メル・ギブソンが経営するアイコン・エンターテインメントが製作し、ブルガリアでの撮影によりコストを抑えつつも、視覚効果は見応えがあります。
本作は、単なるパニック映画に留まらず、クーパーの成長物語や親子関係、恋愛要素を織り交ぜ、物語に深みを加えています。特に、クーパーと父親イーサンの確執や、サラとのロマンスは、過酷な状況下での人間ドラマとして機能し、B級映画にありがちな単調さを回避しています。クリーチャーの多様性（甲虫やハエのような怪物、虫ゾンビなど）や、効果音と動きのリアルさも評価されており、ホラー要素は控えめでグロさも少ないため、気軽に楽しめる作品です。レビューでは「安心して観られるパニック映画」「テンポが良く、ほどよいB級感」と評され、平均スコア3.0（Filmarks）とまずまずの評価を得ています。
女優の活躍
本作の主要な女優は、ブルック・ネヴィン（サラ役）、キンジー・パッカード（シンディ役）、デボラ・ジェフナー（モーリーン役）、リンダ・パーク（リーチー役）です。
ブルック・ネヴィン（サラ）
サラ役のブルック・ネヴィンは、本作のヒロインとして重要な役割を果たします。サラはクーパーの上司の娘で、知的かつ勇敢な女性として描かれています。彼女は巨大昆虫の襲撃に動じず、クーパーや他の生存者と協力して生き延びる姿が印象的です。ネヴィンは、サラの冷静さとチャームをバランスよく演じ、クーパーのロマンスの相手として物語に情感を加えています。彼女の演技は、緊迫感の中でもユーモラスなB級映画のトーンを損なわず、視聴者に好感を与えます。
キンジー・パッカード（シンディ）
シンディ役のキンジー・パッカードは、生存者の一人として登場し、チームに活気をもたらすキャラクターです。彼女の演技は、危機的状況での楽観的な態度を表現し、グループのムードメーカー的な役割を担います。パッカードの自然体な演技は、物語の軽快さを支えています。
デボラ・ジェフナー（モーリーン）
モーリーンはクーパーの上司で、サラの母として登場。ジェフナーは、厳格ながらも娘を気遣う母親像を巧みに演じ、物語の冒頭でクーパーを解雇するシーンではコミカルな存在感を発揮します。彼女の演技は、物語の緊迫感とユーモアのバランスを強化します。
リンダ・パーク（リーチー）
リーチー役のリンダ・パークは、知的な魅力を持つ生存者として登場。パークの演技は、クーパーのダメ男ぶりを引き立てる一方で、彼女自身のキャラクターに深みを与えています。彼女の落ち着いた佇まいは、物語に安定感をもたらします。
女優の衣装・化粧・髪型
本作はB級パニック映画のため、衣装や化粧は実用性を重視したカジュアルなスタイルが中心です。
ブルック・ネヴィン（サラ）
サラの衣装は、動きやすさを優先したTシャツやジーンズといったカジュアルなもの。化粧はナチュラルで、過酷な状況下での自然な美しさを強調。髪型はシンプルなポニーテールやルーズなダウンヘアで、戦うヒロインとしてのリアリティを表現しています。終盤のアクションシーンでは、汚れや汗でやや乱れたスタイルが、彼女のサバイバル感を際立たせます。
キンジー・パッカード（シンディ）
シンディは明るい性格を反映した、カラフルなトップスやカジュアルなパンツを着用。化粧は控えめで、若々しい印象を保ちます。髪型はショートカットや軽くウェーブのかかったスタイルで、活発なキャラクター性を強調しています。
デボラ・ジェフナー（モーリーン）
モーリーンはオフィスの上司らしく、ビジネスカジュアルなブラウスやスカートを着用。化粧は落ち着いたトーンで、年齢相応の品格を表現。髪型はきちんとまとめたアップスタイルで、厳格な上司像を補強しています。
リンダ・パーク（リーチー）
リーチーの衣装は、知的で落ち着いた印象のシャツやジャケット。化粧はミニマルで、清楚な雰囲気を維持。髪型はストレートのミディアムヘアで、知的なキャラクターにマッチしています。
キャスト
- クリス・マークエット（クーパー）：主人公のダメ男。『ウィッチマウンテン』でも知られる。
- ブルック・ネヴィン（サラ）：ヒロインでクーパーの恋の相手。知的で勇敢。
- レイ・ワイズ（イーサン）：クーパーの父で元軍人。存在感ある演技。
- キンジー・パッカード（シンディ）：生存者の一人でムードメーカー。
- E・クインシー・スローン（ヒューゴ）：耳が不自由な生存者で、終盤で重要な役割。
- デボラ・ジェフナー（モーリーン）：サラの母でクーパーの上司。
- リンダ・パーク（リーチー）：知的な生存者。
その他：ウェスリー・トンプソン、ジム・コディ・ウィリアムズ、イスマエル・カルロなど。
スタッフ
- 監督・脚本：カイル・ランキン。B級映画のセンスを活かし、ホラーとコメディを融合。
- 製作：メル・ギブソン（アイコン・エンターテインメント）、ブルース・デイヴィ、ローズ・レイダー
低予算ながら視覚効果に注力。 - 撮影：トム・アッカーマン。ブルガリアのロケーションを活かし、緊迫感ある映像を構築。
まとめ
『ビッグ・バグズ・パニック』は、B級映画の楽しさを凝縮したホラーコメディです。巨大昆虫との戦いを通じて、クーパーの成長や人間ドラマを描き、ブルック・ネヴィンら女優陣の自然体な演技が物語を支えます。カジュアルな衣装とナチュラルな化粧・髪型は、過酷なサバイバル状況をリアルに反映。低予算ながらもテンポの良さとクリーチャーデザインの完成度が高く、気軽に楽しめる作品としておすすめです。
レビュー 作品の感想や女優への思い