『則天武后 美しき謀りの妃』（唐宮美人天下）は2011年に中国で放送された宮廷ドラマ。中国史上唯一の女帝・則天武后と一人の宮女が織りなす愛と陰謀の物語で、美人シリーズ三部作の最終作。豪華キャストと緻密なストーリー展開で話題を集めました。
基本情報
- 邦題：則天武后 美しき謀りの妃
- 原題：唐宮美人天下
- 放送年：2011年
あらすじ
唐の第三代皇帝・高宗の時代。側室の武昭儀（後の則天武后）は皇帝の寵愛を受け、権力を握りつつありました。ある日、彼女の生んだ皇女が殺害され、正室の王皇后が濡れ衣を着せられ死刑を宣告されます。王皇后の義妹・賀蘭心児は真相を究明し義姉を救うため、宮女として宮廷に潜入。武昭儀と心児を中心に、宮廷内の陰謀と愛憎が交錯し、複雑な人間関係と驚くべき真実が明らかに。心児は脱出計画を進めながら、武昭儀の策略や裴少卿、明崇儼らとの関係に翻弄されます。物語はサスペンスとロマンスが絡み合い、衝撃の結末へと進みます。
女優の活躍
『則天武后 美しき謀りの妃』では、リー・シャオルーやチャン・ティンら実力派女優が物語の中心を担い、圧倒的な演技力で視聴者を魅了しました。
リー・シャオルー（賀蘭心児役）
主人公の賀蘭心児を演じたリー・シャオルーは、賞金稼ぎから宮女へと変貌する複雑な役どころを見事に表現。彼女の可憐な外見と強い意志を併せ持つ演技は、物語の軸として視聴者を引き込みます。特に義姉を救うため奮闘する姿や、恋愛模様での繊細な感情表現が評価され、ドラマの感情的な核を担いました。『シュウシュウの季節』で世界的評価を受けた彼女の演技力が、本作でも存分に発揮されています。
チャン・ティン（武昭儀役）
則天武后となる武昭儀を演じたチャン・ティンは、知性と野心を兼ね備えた女性像を鮮やかに描き出しました。彼女の堂々とした立ち振る舞いと、微妙な表情で権謀術数を表現する演技は、武昭儀の複雑なキャラクターに深みを与えています。『武則天』などでの経験を生かし、権力への執着と人間的な脆さを両立させた演技が光ります。
その他の女優
ヤン・ミーなど脇を固める女優陣も、宮廷の複雑な人間関係を彩りました。ヤン・ミーの短い出演ながら印象的な演技は、視聴者に強いインパクトを与え、物語に奥行きを加えています。
女優の衣装・化粧・髪型
『則天武后 美しき謀りの妃』の衣装、化粧、髪型は、唐代の華やかな宮廷文化を反映し、女優たちの魅力を最大限に引き立てました。
衣装
女優たちが着用する衣装は、唐代の豪華な宮廷服を再現。リー・シャオルー演じる心児は、賞金稼ぎ時代は動きやすい簡素な装い、宮女としては繊細な刺繍が施された淡い色の袍を着用。チャン・ティン演じる武昭儀は、地位を象徴する深紅や紫の豪華な衣装に、金の装飾品を合わせ、権力と美しさを強調。衣装の色彩やデザインは、キャラクターの立場や心理を反映し、視覚的な物語性を高めています。
化粧
化粧は唐代の美意識に基づき、薄化粧で自然な美しさを際立たせるスタイルが特徴。リー・シャオルーは清純さを強調する淡いピンクの口紅と軽い眉メイクで、若々しい魅力を表現。チャン・ティンは、強い印象を与える赤い口紅と濃い目のアイラインで、武昭儀の威厳と魅惑を演出。場面に応じた化粧の変化が、キャラクターの感情や状況を巧みに表現しました。
髪型
髪型は唐代の高髻（こうけい）を基調とし、複雑な結い上げに花や玉の髪飾りを組み合わせたスタイルが多用されました。心児の髪型は、宮女としてシンプルながらも可憐な印象を与える低い髻に、細やかな髪飾りを配置。武昭儀は高く盛られた髻に豪華な金の簪を挿し、権威を象徴。髪型の変化は、ストーリーの進行やキャラクターの成長を視覚的に示す重要な要素でした。
解説
『則天武后 美しき謀りの妃』は、中国ドラマの「美人シリーズ」三部作の最終作として、歴史的背景にフィクションを織り交ぜた宮廷エンターテインメントです。唐代の高宗時代を舞台に、則天武后（武則天）の権力掌握への道と、賀蘭心児の義姉救出劇を軸に、愛と陰謀が複雑に絡み合います。本作は、サスペンスとラブロマンスの要素を融合させ、単なる宮廷劇を超えた展開が特徴。視聴者を驚かせるどんでん返しや、キャラクターの心理描写が緻密に描かれ、視聴者の感情を強く揺さぶります。特に、武昭儀の権謀術数と心児の純粋な使命感の対比は、物語に深みを与えています。監督のリー・フイチューは、繊細な映像美で知られ、宮廷の豪華さと緊張感を見事に演出。プロデューサー兼脚本家のユー・ジョンは、歴史的要素に現代的なドラマ性を加え、幅広い視聴層を引きつけました。豪華なキャスト陣の演技合戦も見どころで、中国ドラマ界のスターたちが集結した本作は、視聴率でも成功を収めました。視覚的な美しさとストーリーの緊張感が融合した本作は、時代劇ファンだけでなく、サスペンスやロマンス愛好者にもおすすめの作品です。
キャスト
- 賀蘭心児：リー・シャオルー（幼い頃に王皇后に命を救われ、義姉を救うため宮廷に潜入する賞金稼ぎ）
- 武昭儀：チャン・ティン（高宗の側室で、後に則天武后となる野心的な女性）
- 明崇儼/明義：ミン・ダオ（唐随一の幻術師で、王皇后と過去に恋仲だった人物）
- 裴少卿：ミッキー・ホー（海賊討伐の将軍で、心児と出会い結婚を誓う）
- 李治：ヂョン・グォリン（唐の第三代皇帝・高宗）
- 王皇后：（詳細なキャスト情報なし。義姉として心児の動機の中心となる人物）
スタッフ
- 監督：リー・フイチュー（『美人心計〜一人の妃と二人の皇帝〜』『傾城の雪』などで知られる女性監督）
- 監督：麦贯之（香港出身、共同監督として参加）
- 脚本・プロデューサー：ユー・ジョン（『美人心計〜一人の妃と二人の皇帝〜』『宮廷の泪 山河の恋』を手掛けたヒットメーカー）
レビュー 作品の感想や女優への思い