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八日目の蟬

「見どころ」にPR表現を含みます。

『八日目の蟬』は角田光代の同名小説を原作とした2011年公開のヒューマンドラマ映画。監督は成島出が務め、井上真央と永作博美の二人が主演を飾り、助演に小池栄子。不倫相手の赤ん坊を衝動的に誘拐した女性の逃亡劇と、成長した少女の心の葛藤を、母性や家族の絆をテーマに描く。サスペンス要素を織り交ぜつつ、深い人間心理を探求した作品で、第35回日本アカデミー賞では優秀作品賞をはじめとする10部門で受賞を果たしました。全国224館で公開され、興行収入も好調を記録しました。この映画は、日常の裏側に潜む複雑な感情を丁寧に紡ぎ出し、観る者の心に長く残る一作。

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基本情報

  • 原題:八日目の蝉
  • 公開年:2011年
  • 製作国・地域:日本
  • 上映時間:147分
  • ジャンル:サスペンス、ドラマ
  • 配給:松竹
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女優の活躍

『八日目の蟬』において、安藤千草役を演じたのは小池栄子。小池栄子は、1980年11月8日生まれの女優、歌手、司会者として幅広い活躍をされている方です。元グラビアアイドルとしてデビューし、2000年代後半から本格的に女優業にシフトし、数々の映画やドラマで存在感を発揮してきました。特に本作では、施設育ちの複雑な過去を持つ女性、安藤千草を熱演され、主人公の恵理菜との心の交流を通じて、静かな強さと優しさを体現しました。この役柄は、物語の後半で恵理菜の心の支えとなる重要なポジションを担っており、小池の自然体で芯の通った演技が光ります。

小池栄子の本作での活躍は、批評家からも高く評価されました。第35回日本アカデミー賞では優秀助演女優賞を受賞され、キネマ旬報ベスト・テンでも助演女優賞を獲得されるなど、演技力の飛躍を証明する作品となりました。安藤千草というキャラクターは、過去の傷を抱えながらも前向きに生きる姿が印象的で、小池の実体験を思わせるようなリアリティあふれる表現が、観客の共感を呼びました。彼女の演技は、派手さよりも内面的な深みを重視したもので、静かなシーンでの微妙な表情の変化が、物語の情感を一層豊かにしています。本作以降、小池は『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』や『絶叫』などの作品で主演を務められ、ますますキャリアを広げています。この映画は、小池栄子の女優としての転機とも言える一作であり、彼女の多才さを象徴するものです。

さらに、小池栄子は本作のプロモーション活動でも積極的に参加され、記者会見やラジオ出演などで役柄の魅力について語りました。彼女のトークスキルが活かされ、映画のテーマである「母性」や「選択の難しさ」をわかりやすく伝える姿は、ファンからも支持を集めました。こうして、安藤千草役は小池栄子のキャリアにおいて、重要なマイルストーンとなりました。

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女優の衣装・化粧・髪型

安藤千草役の小池栄子の衣装、化粧、髪型は、キャラクターの背景を反映したシンプルでナチュラルなスタイルが特徴です。安藤千草は、児童養護施設「エンジェルホーム」の出身者として描かれ、過去の厳しい環境を乗り越えた自立した女性像を体現しています。そのため、衣装は日常的で控えめなものを中心に選ばれ、ベーシックなブラウスやチノパン、軽やかなカーディガンなどが用いられました。これらのアイテムは、色合いを抑えたアースカラーやパステル調が多く、施設での生活を思わせる清潔感と穏やかさを演出しています。特に、恵理菜との再会シーンでは、柔らかなコットン素材のワンピースが登場し、母性的な温かみを強調する工夫が見られます。この衣装デザインは、衣装担当のスタッフが原作のイメージを尊重し、主人公の心の平穏を視覚的に表現したものです。

化粧については、ナチュラルメイクが基調となっており、薄めのファンデーションと軽いチークで健康的な肌トーンを保っています。アイメイクはブラウン系のシャドウを淡く施し、目元を優しく引き立てる程度に抑えられ、唇にはピンクベージュのリップを塗布して、親しみやすい印象を与えました。このメイクアップは、小池栄子の自然な美しさを活かしつつ、役の内気さと強靭さを両立させるもので、過度な華やかさを避けることでリアリティを高めています。レビューでも、「メイクの薄さが、キャラクターの純朴さを際立たせている」と評されるほどです。

髪型は、ミディアムレングスのボブスタイルがメインで、軽くウェーブを加えた柔らかな質感が特徴です。施設時代を思わせるショートヘアから、成長後のセミロングへ移行する変化はなく、一貫して清潔で手入れの行き届いたスタイルを保っています。前髪を軽く流すアレンジが施され、親しみやすさを強調。全体的にクールでありながら、薄いメイクとの相乗効果でキツい印象を避け、穏やかな女性像を完成させています。このヘアスタイルは、ヘア担当者が小池の顔立ちに合わせ、日常的な自然さを優先してデザインしたものです。本作のビジュアルは、役者の内面を外見で補完する好例と言えるでしょう。

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あらすじ

物語は1985年の夏から始まります。不倫関係にある野々宮希和子(永作博美)は、恋人の秋山丈博(光石研)の妻が出産したばかりの赤ん坊、恵理菜を一目見るために秋山宅を訪れます。妻の不注意に乗じて、希和子は衝動的に恵理菜を誘拐し、雨の中を逃走します。希和子は恵理菜を「薫」と名付け、わが子として育て始めます。親友の宮田京子(大谷直子)の助けを借りながら、様々な場所を転々とする逃亡生活を送りますが、経済的な苦境から財産を全て手放し、小豆島の児童養護施設「エンジェルホーム」に入所します。そこで恵理菜は4歳まで穏やかな日々を過ごしますが、新聞の写真から身元が発覚し、希和子は逮捕されます。

時は流れ、2005年。恵理菜(井上真央)は21歳の大学生となり、実の両親である秋山家で育っていますが、幼少期の誘拐の記憶と育ての母・希和子の存在がトラウマとなり、心を閉ざした生活を送っています。そんな恵理菜は、既婚者の岸田(寺島進)と恋に落ち、妊娠してしまいます。希和子と同じ状況に陥った恵理菜は、過去の記憶がフラッシュバックし、葛藤の末に中絶を決意しますが、心の空白を埋められないでいます。

そんな折、恵理菜は施設「エンジェルホーム」で出会った安藤千草(小池栄子)と再会します。千草は同じ施設出身の先輩で、恵理菜の心の傷を優しく受け止め、自身の過去を語りながら支えます。二人は瀬戸内海の美しい景色の中で語らい、恵理菜はようやく自分の選択に向き合います。物語は、恵理菜が「緑のきれいなころ」という希和子の言葉を思い出し、未来への一歩を踏み出すところで幕を閉じます。このあらすじは、母性の本質と個人の選択を問いかける感動的な展開です。

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解説

『八日目の蟬』は、直木賞作家・角田光代の原作を基に、成島出監督が描いたヒューマンドラマの傑作です。タイトルは、蟬の幼虫が土中で7年を過ごし、地上でわずか8日間を生きるという生態に由来し、人生の儚さと再生の象徴として用いられています。物語は二つの時間軸で進行し、前半の希和子の逃亡劇はサスペンス調で緊張感を、後半の恵理菜の葛藤は心理描写を重視した静かな展開で、対比的に構成されています。この構造は、母性の多面性を浮き彫りにし、血縁を超えた絆の可能性を探求します。

テーマの核心は「母性」。希和子は自らの不妊という絶望から恵理菜を誘拐しますが、それは愛情の歪んだ形として描かれ、単なる犯罪ではなく、人間的な弱さの産物として同情を誘います。一方、恵理菜は実母と育ての母の間で揺れ、自身の妊娠を通じて「母になること」の重みを体感します。安藤千草の存在は、施設育ちの視点から家族の定義を広げ、血縁に縛られない愛の形を示します。監督の成島出は、過去作『孤高のメス』同様、社会的弱者の内面を丁寧に描くスタイルを本作でも発揮し、観客に倫理的ジレンマを投げかけます。

脚本の奥寺佐渡子は、原作のエッセンスを凝縮し、対話を中心に感情の機微を表現。音楽の安川午朗による穏やかなメロディは、瀬戸内海の風景と調和し、癒しの効果を高めています。1993年の実際の事件をモチーフにしつつ、フィクションとして昇華させた点も秀逸で、家族の崩壊と再生を普遍的に描いています。本作は、単なる感動劇ではなく、選択の自由と責任を問う深い作品として、長期的に語り継がれています。第35回日本アカデミー賞での10冠は、その完成度を物語っています。

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キャスト

  • 野々宮恵理菜 / 薫:井上真央
  • 野々宮希和子:永作博美
  • 安藤千草:小池栄子
  • 秋山丈博:光石研
  • 岸田:寺島進
  • 宮田京子:大谷直子
  • 秋山和子:筒井真理子
  • 秋山良介:柄本明
  • エンジェルホーム園長:余貴美子
  • その他の出演:中原麻衣、黒谷友香、平原綾香ほか

スタッフ

  • 監督:成島出
  • 脚本:奥寺佐渡子
  • 原作:角田光代(『八日目の蟬』中央公論新社)
  • 製作総指揮:佐藤直樹
  • プロデューサー:武部直美、桑田優
  • 音楽:安川午朗
  • 主題歌:中島美嘉「Dear」
  • 撮影:藤澤順一
  • 照明:金沢正夫
  • 美術:種田陽平
  • 編集:三條知生
  • 音響:白取勝利
  • 製作会社:「八日目の蟬」製作委員会(日活、松竹、アミューズソフトエンタテインメント)
  • 配給:松竹
劇場映画
なむ

洋画好き(字幕派)。だいたいU-NEXTかNetflixで、妻と2匹の猫と一緒にサスペンスやスリラーを観ています。詳細は名前をクリックしてください。猫ブログ「碧眼のルル」も運営。

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