トップレスとは、主に女性が上半身を裸にし、乳房を露出した状態を指します。この用語は英語の”topless”から来ており、トップ（上着）を着用しない意味です。
男性の場合、上半身裸は一般的で社会的タブー視されませんが、女性のトップレスはジェンダーによる性差の問題として議論されてきました。
歴史
歴史的にみて、トップレスは古代から存在し、紀元前3000年頃のミノス文明では、クレタ島の女性たちがトップレスファッションを日常的に取り入れていた記録があります。壁画や遺物から、女性が胸を露出し、スカートのみを着用する姿が描かれ、宗教儀式や日常の服装として自然なものでした。これは、当時の社会が母性や豊饒を象徴する乳房を肯定的に捉えていたことを示します。
古代エジプトやギリシャでも、特定の階級や神話の女神像でトップレスが描かれましたが、徐々に保守的な文化が広がり、中世ヨーロッパではキリスト教の影響で女性の露出は罪悪視されるようになりました。ルネサンス期になると、芸術作品でヌードが復活し、トップレスは美の象徴として描かれましたが、現実社会では制限されていました。
19世紀の産業革命以降、ビクトリア朝の道徳観が厳しくなり、女性の身体は厳重に覆われるようになりました。
一方、20世紀に入り、フェミニズム運動の台頭とともにトップレスは自由と平等の象徴となりました。1960年代の性革命期、アメリカやヨーロッパでトップレスビーチが登場し、女性の身体解放を求める運動が活発化しました。例えば、1964年にアメリカのビーチでトップレスで日光浴した女性が逮捕された事件は、社会的議論を呼び、徐々に法改正が進みました。
現代
現代、多くの欧米諸国では公共のビーチやプールでトップレスが合法化されています。ドイツではFKK（Freikörperkultur）と呼ばれるヌード文化が根強く、東西ドイツ時代に自由の象徴として普及しました。東ドイツでは社会主義の下で身体の平等を促進し、西ドイツではヒッピー文化と結びつきました。ベルリンの市営プールでは、2023年に女性のトップレスが正式に許可され、男性と同じ権利を認める判決が出ました。これは、Lotteという女性の差別訴訟がきっかけで、ジェンダー平等の観点から注目されました。
しかし、トップレスは依然として文化的・社会的論争の的です。イスラム圏やアジア諸国ではタブー視され、露出は道徳違反と見なされます。日本では、温泉文化で混浴や裸体が伝統ですが、公共のトップレスは珍しく、法的に公然わいせつ罪に問われる可能性があります。
一方、芸術やファッションでは受け入れられ、ファッションショーや写真集でトップレスが表現されます。社会的意義として、トップレスはボディポジティビティ（身体肯定）の象徴です。乳がん啓発キャンペーンやFree the Nipple運動では、女性の乳首を性的対象化せず、男性と同じ扱いを求める声が高まっています。この運動は2012年に始まり、ソーシャルメディアで拡散され、Instagramなどのプラットフォームで乳首露出の検閲に抗議しています。
心理学的には、トップレスは自己表現の手段ですが、性的対象化のリスクも伴い、ハラスメントの懸念があります。環境要因として、気候の温暖な地域で日光浴文化が発展し、健康面でのビタミンD摂取が利点とされます。
現代のポップカルチャーでは、トップレスはエンパワーメントの象徴として描かれ、音楽フェスやプロテストで用いられます。例えば、ウクライナのFemen運動ではトップレスで政治抗議を行い、注目を集めました。全体として、トップレスは単なるファッションではなく、ジェンダー、自由、身体の政治学を反映した複雑な現象です。
グローバル化により、多文化間の対話が増え、未来ではさらに平等が進む可能性がありますが、保守派の抵抗も根強いです。このテーマは、フェミニズムの進展とともに進化し続けています。
有名女優・モデル
トップレスで登場し、注目を集めた女優やモデルは、ファッションや映画界でアイコン的存在です。以下に主な人物を挙げ、簡単な説明を加えます。
- リリー・ローズ・デップ：ジョニー・デップの娘で、モデル・女優。雑誌Vの表紙で美しいトップレスを披露し、スーパーモデルの貫禄を示した。
- 沢尻エリカ：日本の女優。39歳時のトップレスショットをインスタグラムで公開し、衝撃を与えた。香水を持った笑顔の姿が話題。
- カーラ・デルヴィーニュ：イギリス出身のモデル・女優。ジュエリーブランドの広告でトップレス姿を披露し、フリー・ニップル運動を支持。
- アレクサ・チャン：人気モデル・タレント。雑誌でトップレスを披露し、ファッションアイコンとして知られる。
- 菜々緒：日本のモデル・女優。インスタグラムでトップレス美背中を公開し、素肌にジュエリーを纏った圧巻のショット。
- ビアンカ・センソリ：カニエ・ウェストの妻で、グラミー賞でほぼ裸のトップレス風ドレスを着用し、注目を集めた。
- ジゼル・ブンチェン：ブラジル出身のスーパーモデル。ヴェルサーチ広告でセクシーなトップレスを披露。
- ロージー・ハンティントン＝ホワイトリー：イギリス出身のモデル。出産後にトップレス姿を公開し、肉体美を称賛された。
- ポーリーナ・ポリツコヴァ：チェコ出身のスーパーモデル。カリブ海バカンスでトップレスを楽しむ姿が報じられた。
- ブリジット・バルドー：フランスの伝説的女優。1960年代の映画でトップレスシーンが多く、セックスシンボルとして有名。
- ジェーン・バーキン：イギリス出身の女優・歌手。映画や写真でトップレスを披露し、自由奔放なイメージ。
- シャロン・ストーン：アメリカ女優。「氷の微笑」でヌードシーンが有名だが、トップレス姿も複数。
- デミ・ムーア：アメリカ女優。妊娠中のトップレス写真でボディポジティビティを象徴。
- エマ・ワトソン：イギリス女優。フェミニズム支持者で、トップレス撮影を議論の的に。
- ケイト・モス：イギリスモデル。90年代のトップレス広告でグランジスタイルを確立。
- ナオミ・キャンベル：スーパーモデル。ランウェイでトップレス風の衣装を着用。
- ヘレナ・クリステンセン：デンマークモデル。ヴィクトリアズ・シークレットでトップレスショット。
- ミランダ・カー：オーストラリアモデル。ビーチフォトでトップレスを披露。
- エミリー・ラタコウスキー：アメリカモデル。SNSでトップレスを頻繁に投稿し、ボディ解放を提唱。
- ベラ・ハディッド：アメリカモデル。ファッションウィークでトップレスルック。
関連映画
トップレスやヌードシーンが印象的な映画は、セクシャリティや社会問題を描くものが多く、過激度が高い作品が目立ちます。以下に主なものを挙げます。
- ワイルドシングス (1998)：デニス・リチャーズとネーヴ・キャンベルのトップレスシーンがエロティック。サスペンス要素強い。
- クルーエル・インテンションズ (1999)：サラ・ミシェル・ゲラーらのラブシーンにトップレス。ティーン向け禁断の恋。
- ナイン・ソングス (2004)：実際のセックスシーンを含むミュージカル。トップレスが自然に描かれる。
- 君の名前で僕を呼んで (2017)：ティモシー・シャラメのヌードシーン。トップレス要素のあるロマンス。
- ニンフォマニアック (2013)：シャルロット・ゲンズブールの過激なトップレスとセックス描写。
- アンチクライスト (2009)：ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールのホラーでトップレス。
- ショートバス (2006)：ニューヨークの性文化を描き、トップレスシーン多数。
- ダーティハリー (1971)：クラブシーンでトップレス女性が登場。アクション映画のクラシック。
- マチェーテ (2010)：ジェシカ・アルバのヌードシーンを含むトップレス。
- 氷の微笑 (1992)：シャロン・ストーンの有名な脚組みシーンにトップレス要素。
- アメリカン・パイ (1999)：ティーンのコメディでトップレスパーティーシーン。
- ドント・ルック・アップ (2021)：一部のシーンでトップレス風の描写。
- ボヘミアン・ラプソディ (2018)：パーティーシーンにトップレス。
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (2019)：マーゴット・ロビーのトップレス風。
- ラブ・アクチュアリー (2003)：ロマコメで軽いトップレスシーン。
- エターナル・サンシャイン (2004)：ケイト・ウィンスレットのトップレス。
- タイタニック (1997)：ケイト・ウィンスレットのヌードデッサンシーン。
- ブルーベルベット (1986)：イザベラ・ロッセリーニのトップレス。
- ムーンライト (2016)：一部のシーンで露出要素。
- ブロークバック・マウンテン (2005)：男性ヌードだが、トップレス議論を呼ぶ。
- ショーガール（1995年）：エリザベス・バークレー主演の映画。トップレスのスパンコール付きボディスーツや羽根飾りの付いた華やかなコスチュームを纏い、ボディラインを強調したデザインが目立ちます。
レビュー 作品の感想や女優への思い