ショウ・ブラザーズ(邵氏兄弟有限公司/Shaw Brothers)は、香港を代表する映画製作会社。正式名称は邵氏兄弟有限公司で、Shaw Brothers Studioとしても知られています。1960年代から1970年代にかけて、香港映画の黄金時代を築き上げました。主に武侠映画やカンフー映画を数多く製作し、東洋のハリウッドと称されるほどの影響力を発揮しました。本社は香港の清水湾に位置し、巨大なスタジオを有していました。
創業者である邵逸夫を中心に、革新的な技術を導入し、多くのスターを輩出しました。香港の民営テレビ局である無綫電視(TVB)の筆頭株主としても知られています。1980年代に一時映画製作を停止しましたが、2000年代に再開し、現在も映画業界に貢献しています。総製作本数は1000本を超え、世界的なファン層を獲得しています。
ショウ・ブラザーズの作品は、伝統的な中国文化を基調としつつ、アクションのダイナミズムを強調したスタイルが特徴です。これにより、ブルース・リーやジャッキー・チェンの台頭に間接的に影響を与えました。現代の香港映画の基盤を形成した存在です。
歴史
ショウ・ブラザーズの起源は、1925年に中華人民共和国上海市で邵酔翁が設立した天一影片公司に遡ります。1937年に邵邨人が責任者となり、南洋影片会社と改名しました。日中戦争後、香港に移転し、戦後に邵氏父子と名称を変えました。1957年、邵逸夫が責任者となり、邵氏兄弟(ショウ・ブラザーズ)を設立しました。
1961年、新界清水湾に邵氏片場を建設し、東洋一の規模を誇るスタジオとなりました。邵逸夫の完全主義が功を奏し、900本以上のフィルムを毎年視聴するほどの情熱で質の高い作品を量産しました。ショウ・スコープの開発や俳優訓練所の設立により、国際的な評価を得ました。
1970年代、レイモンド・チョウの離脱とゴールデン・ハーベストの台頭により低迷しました。ブルース・リーやジャッキー・チェンのヒットに対抗し、海外映画への出資を試みましたが、1985年に邵逸夫の引退とともに映画製作を停止しました。1999年、セレスティアルピクチャーズが権利を買収し、DVDリリースが開始されました。
2008年、清水湾に邵氏影城を建設し、2016年に黎瑞剛が会長に就任して映画製作を再開しました。これにより、新たな時代を迎えています。
製作映画
ショウ・ブラザーズは、数多くの映画を製作し、特に武侠映画やカンフー映画で知られています。以下に主な作品を挙げます。各作品は、香港映画の黄金時代を象徴するものです。
1960年代の主な製作映画
- 梁山伯と祝英台(1963年)
- 山歌戀(1964年)
- 傾国傾城(1965年)
- 大酔侠(1966年)
- 片腕必殺剣(1967年)
- 金瓶梅(1968年)
- 英雄十三傑(1969年)
1970年代の主な製作映画
この時期はカンフー映画のブームを迎えました。多くの作品が国際的に評価されました。
- 残酷ドラゴン 血斗竜門の宿(1970年)
- ヴェンジェンス 報仇(1970年)
- 新・片腕必殺剣(1971年)
- 空とぶギロチン(1972年)
- 水滸伝(1972年)
- 少林寺三十六房(1978年)
- 五毒拳(1978年)
- 流星胡蝶剣(1979年)
1980年代以降の主な製作映画
一時停止後、再開した作品群です。伝統を継承しつつ、新しい試みが見られます。
- 少林寺VS忍者(1980年)
- 新・少林寺三十六房(1984年)
- 続・少林寺三十六房(1980年)
- 魔(1983年)
- 北京原人の逆襲(1977年)
- 爆走!キャノンボール(1975年)
- 実録/ブルース・リーの死(1975年)
- 悪魔の生首(1974年)
- ワンス・アポン・ア・タイム/英雄少林拳(1982年)
これらの作品は、チャン・チェやラウ・カーリョンなどの監督により、アクションの革新をもたらしました。合計で760本以上のライブラリーが存在し、日本でもDVDシリーズとしてリリースされています。
関係女優
ショウ・ブラザーズは、多くの女優をスターに育て上げました。以下に主な関係女優を挙げ、各人の主な出演作品を紹介します。彼女たちは武侠映画やドラマで活躍し、香港映画の華を添えました。
チェン・ペイペイ
チェン・ペイペイは、ショウ・ブラザーズの代表的な女優で、武侠映画の女王として知られています。京劇の訓練を受け、アクションシーンで優れた演技を発揮しました。
- 大酔侠(1966、黄金燕)
- 残酷ドラゴン 血斗竜門の宿(1970、玉嬌竜)
- 金燕子(1968、金燕子)
- 影の剣士(1969、女剣士)
- 狭女(1971、狭女)
リー・チン
リー・チンは、ベビー・クイーンと呼ばれ、1960年代に人気を博しました。柔軟で魅力的な演技が特徴です。
- 傾国傾城(1965、傾城)
- 梁山伯と祝英台(1963、祝英台)
- 金瓶梅(1968、金蓮)
- 王朝の血(1973、王妃)
- 梅山収七怪(1973、妖怪退治の女)
リリー・ホー
リリー・ホーは、セクシーで反抗的な役柄で知られ、多様なジャンルで活躍しました。1970年代に引退しましたが、国際的に評価されています。
- 鉄扇姫(1966、鉄扇姫)
- 香港夜曲(1967、ダンサー)
- 銀狐(1968、銀狐)
- 水滸伝(1972、女戦士)
- 中国宮廷の秘密の告白(1972、宮廷の女)
アイビー・リン・ポー
アイビー・リン・ポーは、黄梅調オペラで有名で、男装の麗人役を得意としました。アカデミー賞受賞歴もあります。
- 梁山伯と祝英台(1963、梁山伯)
- 花木蘭(1964、花木蘭)
- 王朝の血(1973、王族)
- 山歌戀(1964、歌姫)
- 恋の物語(1970、恋人)
シ・スー
シ・スーは、武侠映画で活躍し、力強い演技が魅力です。多くの監督作品に出演しました。
- 少林寺三十六房(1978、女弟子)
- 五毒拳(1978、五毒の女)
- 流星胡蝶剣(1979、胡蝶)
- 片腕必殺剣(1971、助っ人)
- 新・片腕必殺剣(1971、剣士)
カラ・ワイ
カラ・ワイは、カンフー映画の女王で、香港映画賞を受賞しています。リアリティのあるアクションが特徴です。
- 少林寺三十六房(1978、弟子)
- マイ・ヤング・アンティ(1981、ジン・ダイナン)
- 八卦棍の戦士(1984、ヤン8番目の姉)
- 武館(1981、ワン・ジュイン)
- ボスの女(1983、チャン・メイリン)
チン・ピン
チン・ピンは、1960年代の美女で、ドラマチックな役柄を演じました。
- ダンシング・ミリオネアレス(1964、ミリオネアレス)
- クリムゾン・パーム(1964、掌の女)
- 恋の物語(1964、恋人)
- 黒い森(1964、森の女)
- スー・サンの物語(1964、スー・サン)
リリー・リー
リリー・リーは、多彩な役柄で知られ、脇役から主役までこなしました。
- 少林寺三十六房(1978、師匠の妻)
- 五毒拳(1978、毒の女)
- 水滸伝(1972、戦士)
- 片腕必殺剣(1971、被害者)
- 金瓶梅(1974、金蓮の友人)
ベティ・ロー・ティ
ベティ・ロー・ティは、優雅な演技で人気を博しました。黄梅調で活躍。
- 梁山伯と祝英台(1963、祝英台)
- 王朝の血(1973、王妃)
- 恋の物語(1964、恋人)
- 恋人たちの岩(1964、岩の女)
- 最後の女(1964、女帝)
リンダ・リン・ダイ
リンダ・リン・ダイは、アジア映画女王として4度受賞。ドラマで輝きました。
- 王国と美女(1958、美女)
- 梁山伯と祝英台(1963、祝英台)
- 恋の物語(1964、恋人)
- 金瓶梅(1964、金蓮)
- 傾国傾城(1965、傾城)
ジェニー・フー
ジェニー・フーは、ユーラシアの美貌で人気。セクシーな役柄が多かったです。
- 香港夜曲(1967、ダンサー)
- マイ・ドリーム・ボート(1967、夢の女)
- キング・ドラマー(1967、ドラマー)
- 銀狐(1968、銀狐)
- エンジェル・ストライクス・アゲイン(1968、エンジェル)
ルシラ・ユー・ミン
ルシラ・ユー・ミンは、1950年代のスターで、優しい役柄を得意としました。
- 歌の祭典(1963、歌手)
- オーキッド島の歌(1965、島の女)
- ティル・ジ・エンド・オブ・タイム(1966、恋人)
- ナイト・オブ・ナイツ(1966、騎士の女)
- アンティ・ラン(1966、アンティ)
マーガレット・シン・フイ
マーガレット・シン・フイは、1960年代の美女で、ファンに愛されました。
- ミリオネア・チェイス(1968、ミリオネア)
- 歌う泥棒(1969、泥棒の女)
- トロピカル・インターリュード(1969、トロピカルな女)
- ゴールデン・ナイト(1969、黄金の女)
- オーキッド(1969、オーキッド)
これらの女優たちは、ショウ・ブラザーズの成功に大きく貢献しました。彼女たちの演技は、今も香港映画の遺産として語り継がれています。



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