大鐘賞映画祭は1962年に創設された大韓民国最古の映画賞。韓国映画産業の振興を目的に、公報部(現・文化体育観光部)が主管して開始されました。青龍映画賞とともに韓国の代表的な映画賞として知られ、韓国のアカデミー賞と呼ばれています。毎年、優秀な映画作品や俳優、スタッフを表彰しています。現在は韓国映画人協会を中心に民間主導で運営されています。長年の歴史を通じて韓国映画の発展に大きく貢献してきました。
特徴と意義
大鐘賞映画祭の特徴は、豊富な授賞部門にあります。最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演賞のほか、撮影賞、照明賞、編集賞、美術賞、音楽賞など技術部門が充実しています。創設当初は政府の強い影響下にあり、反共部門や啓蒙部門が設けられるなどイデオロギー色が強かった点も挙げられます。1992年以降は民間主導に移行し、より映画芸術性を重視した評価が行われるようになりました。
運営面では経済不況による中断歴(例:1988年、1998年など)があり、2015年の第52回では主演賞候補者の出席見送りという事態も発生しました。しかし、多様な部門を通じて映画制作の全般を評価する点が大きな魅力です。近年は運営組織の課題も指摘されていますが、韓国映画界の最高峰として位置づけられています。
意義は、韓国映画産業全体の振興と質的向上にあります。政府主導時代には国産映画の生産を奨励し、民間化後はクリエイターのモチベーション向上に寄与しました。受賞作や受賞者は国内外で注目を集め、韓国映画の国際的評価向上にもつながっています。青龍映画賞と並ぶ権威ある賞として、映画文化の発展を支え続けています。
女優関連の受賞者一覧
| 回 | 年 | 女優主演賞 | 女優助演賞 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1962年 | チェ・ウニ | ハン・ウンジン |
| (常緑樹) | (燕山君) | ||
| 2 | 1963年 | ト・グンボン | ファン・ジョンスン |
| (新妻) | (新妻) | ||
| 3 | 1964年 | ファン・ジョンスン | チェ・ジヒ |
| (血脈) | (金薬局の娘たち) | ||
| 4 | 1965年 | チェ・ウニ | ユン・インジャ |
| (日清戦争と女傑閔妃) | (空爆作戦命令 赤いマフラー) | ||
| 5 | 1966年 | チェ・ウニ | ファン・ジョンスン |
| (ミンミョヌリ 許嫁) | (浜辺の村) | ||
| 6 | 1967年 | ムン・ジョンスク | チュ・ジュンニョ |
| (帰路) | (満船) | ||
| 7 | 1968年 | ムン・ヒ | ファン・ジョンスン |
| (カインの後裔) | (母の日記) | ||
| 8 | 1969年 | ||
| 9 | 1970年 | ||
| 10 | 1971年 | ユン・ジョンヒ | サ・ミジャ |
| (糞禮記) | (糞禮記) | ||
| 11 | 1972年 | コ・ウナ | ト・グンボン |
| (嫁) | (小さな夢が花開く時) | ||
| 12 | 1973年 | ユン・ヨンギョン | チェ・インスク |
| (悲恋の聾唖者三龍) | (悲恋の聾唖者三龍) | ||
| 13 | 1974年 | キム・ジミ | ト・グンボン |
| (土地) | (土地) | ||
| 14 | 1975年 | キム・ジミ | パク・チョンジャ |
| (肉体の約束) | (肉体の約束) | ||
| 15 | 1976年 | チェ・ミニ | テ・ヒョンシル |
| (雨の中の恋人たち) | (元山工作) | ||
| 16 | 1977年 | ユン・ミラ | ソヌ・ヨンニョ |
| (古家) | (山火事) | ||
| 17 | 1978年 | コ・ウナ | ムン・ジョンスク |
| (寡婦) | (警察官) | ||
| 18 | 1979年 | ユ・ジイン | チョン・エラン |
| (シムブァッタ) | (乙火) | ||
| 19 | 1980年 | チョン・ユニ | キム・シンジェ |
| (カッコーの啼く夜 別離) | (カッコーの啼く夜 別離) | ||
| 20 | 1981年 | (不明) | チョン・ユニ、キム・ヒョンジャ |
| (愛の望郷 激流を超えて) | |||
| 21 | 1982年 | キム・ボヨン | (不明) |
| (コバン村の人々) | |||
| 22 | 1983年 | チャン・ミヒ | コ・ドゥシム |
| (赤道の花) | (嫉妬) | ||
| 23 | 1984年 | イ・ミスク | パク・チョンジャ |
| (その年の冬は暖かかった) | (マーニム 愛の嵐) | ||
| 24 | 1985年 | キム・ジミ | ハン・ウンジン |
| (キルソドム) | (オシン) | ||
| 25 | 1986年 | チェ・ミョンギル | イ・ヘヨン |
| (霧の柱) | (冬の旅人) | ||
| 26 | 1987年 | カン・スヨン | キム・ヒョンジャ |
| (女と男 愛の終着駅) | (じゃがいも) | ||
| - | 1988年 | ||
| 27 | 1989年 | カン・スヨン | キム・ジミ |
| (波羅羯諦 ハラギャティ) | (追憶の名前で) | ||
| 28 | 1990年 | カン・スヨン | ユ・ヘリ |
| (墜落するものには翼がある) | (ウムクペミの愛) | ||
| 29 | 1991年 | ウォン・ミギョン | ペ・ジョンオク |
| (あなたが女というだけで) | (若き日の肖像) | ||
| 30 | 1992年 | チャン・ミヒ | イ・ヘヨン |
| (死の賛美) | (ミョンジャ・明子・ソーニャ) | ||
| 31 | 1993年 | シム・ヘジン | イ・ミヨン |
| (結婚物語) | (樹氷) | ||
| 32 | 1994年 | ユン・ジョンヒ | ナム・スジョン |
| (無頼漢) | (二人の女の物語) | ||
| 33 | 1995年 | チェ・ジンシル | チョン・ギョンスン |
| (女房殺し) | (太白山脈) | ||
| 34 | 1996年 | シム・ヘジン | キム・チョン |
| (銀杏のベッド) | (エニケーン) | ||
| 35 | 1997年 | シム・ヘジン | チョン・ギョンスン |
| (グリーンフィッシュ) | (娼) | ||
| - | 1998年 | ||
| 36 | 1999年 | シム・ウナ | イ・ミヨン |
| (美術館の隣の動物園) | (囁く廊下-女校怪談-) | ||
| 37 | 2000年 | チョン・ドヨン | キム・ヨジン |
| (我が心のオルガン) | (ペパーミント・キャンディー) | ||
| 38 | 2001年 | コ・ソヨン | ユン・ソジョン |
| (エンジェル・スノー) | (エンジェル・スノー) | ||
| 39 | 2002年 | チョン・ジヒョン | パン・ウンジン |
| (猟奇的な彼女) | (受取人不明) | ||
| 40 | 2003年 | イ・ミヨン | ソン・ユナ |
| (純愛中毒) | (ジェイル・ブレーカー) | ||
| 41 | 2004年 | ムン・ソリ | キム・ガヨン |
| (浮気な家族) | (どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるMr.ホン) | ||
| 42 | 2005年 | キム・ヘス | ナ・ムニ |
| (顔のない女) | (クライング・フィスト) | ||
| 43 | 2006年 | チョン・ドヨン | カン・ヘジョン |
| (ユア・マイ・サンシャイン) | (トンマッコルへようこそ) | ||
| 44 | 2007年 | キム・アジュン | シム・ヘジン |
| (カンナさん大成功です!) | (約束) | ||
| 45 | 2008年 | キム・ユンジン | キム・ヘスク |
| (セブンデイズ) | (ファム・ファタール) | ||
| 46 | 2009年 | スエ | キム・ヨンエ |
| (あなたは遠いところに) | (グッバイ、マザー) | ||
| 47 | 2010年 | ユン・ジョンヒ | ユン・ヨジョン |
| (ポエトリー アグネスの詩) | (ハウスメイド) | ||
| 48 | 2011年 | キム・ハヌル | シム・ウンギョン |
| (ブラインド) | (ロマンティックヘブン) | ||
| 49 | 2012年 | チョ・ミンス | キム・ヘスク |
| (嘆きのピエタ) | (10人の泥棒たち) | ||
| 50 | 2013年 | オム・ジョンファ | チャン・ヨンナム |
| (悪魔は誰だ) | (私のオオカミ少年) | ||
| 51 | 2014年 | ソン・イェジン | キム・ヨンエ |
| (パイレーツ) | (弁護人) | ||
| 52 | 2015年 | チョン・ジヒョン | キム・ヘスク |
| (暗殺) | (王の運命 -歴史を変えた八日間-) | ||
| 53 | 2016年 | ソン・イェジン | ラ・ミラン |
| (ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女) | (ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女) | ||
| 54 | 2017年 | チェ・ヒソ | キム・ソジン |
| (金子文子と朴烈(パクヨル)) | (ザ・キング) | ||
| 55 | 2018年 | ナ・ムニ | チン・ソヨン |
| (アイ・キャン・スピーク) | (毒戦 BELIEVER) | ||
| 56 | 2020年 | チョン・ユミ | イ・ジョンウン |
| (82年生まれ、キム・ジヨン) | (パラサイト 半地下の家族) | ||
| 58 | 2022年 | ヨム・ジョンア | イム・ユナ |
| (人生は、美しい) | (コンフィデンシャル:国際共助捜査) | ||
| 59 | 2023年 | キム・ソヒョン | キム・シウン |
| (ビニールハウス) | (あしたの少女) | ||
歴史
起源
青龍映画賞は、1963年に朝鮮日報の主催で創設されました。韓国映画の質的向上と国内映画産業の振興発展を主な目的としています。当初から最優秀作品賞や主演賞などが設けられ、韓国映画界の最高グランプリとして位置づけられました。
展開
1973年まで開催されましたが、映画法改正によるスクリーンクォータ制の導入で韓国映画の質が低下したとされ、一時廃止されました。1990年にスポーツ朝鮮の主催で復活し、朝鮮日報とSBS(当初はKBS)の後援を得て再開されました。候補作品の選定にはネチズン投票と映画専門家の意見を総合し、審査委員会が最終決定する方式を採用しています。授賞式は例年11月下旬または12月に行われます。
現代(2000年代以降)
2000年代以降は毎年安定して開催され、部門がさらに充実しています。最優秀作品賞、監督賞、主演男女優賞、助演賞、新人賞、技術賞(撮影、照明、音楽、美術)、人気スター賞、最多観客動員賞、短編映画賞など18部門以上があります。JSA、母なる証明、別れる決心などの名作が最優秀作品賞を受賞し、韓国映画の黄金期を象徴しています。賞金も設けられ、映画人の励みとなっています。
最近の動向(2020年以降)
大鐘賞は運営上の課題が顕在化しています。第59回(2023年)では『コンクリート・ユートピア』が最優秀作品賞を含む複数賞を受賞しましたが、主催組織の破産により第60回(2024年予定)は中止されました。2025年に韓国映画企画製作者協会が商標権と運営権を引き継ぎ、再開が予定されています。過去のボイコット事件や中断歴を踏まえ、改革委員会が設置されるなど正常化の動きが見られます。
青龍映画賞は安定した運営を続けています。2020年は『KCIA 南山の部長たち』が最優秀作品賞、2021年は『モガディシュ 脱出までの14日間』、2022年は『別れる決心』、2023年は『密輸 1970』、2024年は『ソウルの春』が最優秀作品賞を受賞しました。主演女優賞ではムン・ソリ(三姉妹)やソン・イェジンなどの受賞が目立ちます。
両賞とも、韓国映画のグローバル成功を反映し、社会問題や歴史事件を扱った作品、ブロックバスターが評価されています。新型コロナ後の劇場回復やOTTプラットフォームの影響が見られますが、主に劇場公開作品を対象としています。韓国映画界の活性化と才能発掘に今後も重要な役割を果たすでしょう。


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