映画「トランスフォーマー」シリーズは、2007年の第1作から始まり、複数の続編とスピンオフ作品が公開されているSFアクション映画シリーズです。このシリーズには魅力的な女性キャラクターを演じた女優たちが多数出演しており、彼女たちの演技や役柄が作品に大きな彩りを添えています。以下では、主要な作品ごとに登場する女優とその役割について、公開順に詳しくご紹介します。
トランスフォーマー(2007年)
ミーガン・フォックス(ミカエラ・ベインズ役)
ミカエラは主人公サム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ)の同級生で、強気で自立した美少女。物語では、サムの恋の相手として登場し、トランスフォーマーたちの戦いに巻き込まれながらも勇敢に立ち向かいます。メカニックの知識を持ち、危機的状況でも冷静に対応する姿が印象的です。
ミーガン・フォックスは本作で一躍スターダムにのぼり、そのセクシーなルックスと演技力で世界的な注目を集めました。2007年当時、彼女のミカエラ役は「トランスフォーマー」シリーズの象徴的なヒロインとして多くのファンを魅了しました。
ミーガンはこの役で、アクション映画のヒロインとしての存在感を示しましたが、後に監督のマイケル・ベイとの確執やインタビューでの発言が原因でシリーズを降板することになります(後述)。
レイチェル・テイラー(マギー・マドセン役)
マギーはアメリカ国防総省の若手アナリストで、ディセプティコンの通信信号を解析する重要な役割を担います。頭脳明晰で、トランスフォーマーの存在をいち早く察知する知的なキャラクターです。
オーストラリア出身のレイチェル・テイラーは、本作でハリウッドデビューを果たしました。彼女の知的な演技は、マギーのキャラクターに深みを与え、物語の緊張感を高めました。その後、彼女は『ジェシカ・ジョーンズ』などの作品で活躍しています。
トランスフォーマー/リベンジ(2009年)
ミーガン・フォックス(ミカエラ・ベインズ役・再登場)
前作に続き、サムの恋人として登場。今回はさらにアクション場面が増え、エジプトを舞台にした壮絶な戦いの中でサムを支えます。ミカエラの勇敢さとサムとの絆が強調され、シリーズのヒロインとしての地位を確立しました。
ミーガンは本作でも注目を集めましたが、撮影中のマイケル・ベイ監督との軋轢や、2009年のインタビューで監督を「ヒトラーみたい」と形容した発言が物議を醸しました。この発言が製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグの怒りを買い、次作への出演が取りやめとなりました。
イザベル・ルーカス(アリス役)
アリスはサムの大学で出会う魅力的な女子学生ですが、実はディセプティコンが送り込んだ人間に変形するトランスフォーマー(プレテンダー)です。ミカエラに対するライバル的な存在として登場し、物語に緊張感を加えます。
オーストラリア出身のイザベル・ルーカスは、本作でハリウッドでの知名度を上げました。彼女のミステリアスな魅力は、アリスの二面性を見事に表現しました。その後、『インモータルズ -神々の戦い-』などに出演しています。
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(2011年)
ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(カーリー・スペンサー役)
カーリーはサムの新しい恋人で、知的で優雅な女性。自動車関連の仕事に携わっており、トランスフォーマーたちの戦いに巻き込まれながらも、サムを支える重要な役割を果たします。
イギリス出身のモデルで、本作が映画デビュー作。ミーガン・フォックスの降板後、急遽ヒロイン役に抜擢されました。彼女のエレガントな雰囲気はカーリーのキャラクターにマッチし、アクション場面でも存在感を発揮しました。ただし、演技経験が浅かったため、一部の批評家からは演技力について賛否両論がありました。
フランシス・マクドーマンド(シャーロット・メアリング役)
アメリカの国家情報長官として登場するシャーロットは、厳格で有能なリーダー。トランスフォーマーとの関係や政府の対応を監督する重要なポジションを担います。
アカデミー賞受賞歴を持つ実力派女優フランシス・マクドーマンドは、本作でシリアスな役柄を演じ、物語に重厚感を加えました。彼女の出演は、シリーズに新たな深みをもたらしました。
トランスフォーマー/ロストエイジ(2014年)
ニコラ・ペルツ(テッサ・イェーガー役)
テッサは主人公ケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)の娘で、父親思いの強い意志を持つ少女。トランスフォーマーとの戦いに巻き込まれ、家族を守るために奮闘します。
ニコラ・ペルツは若手女優として注目され、本作でアクション映画のヒロイン役を務めました。彼女の若々しいエネルギーとかわいらしいルックスがテッサのキャラクターにぴったりでした。その後、『ベイツ・モーテル』などで活躍しています。
リー・ビンビン(スー・ユーミン役)
スーは中国の科学者で、トランスフォーミウム(トランスフォーマーの素材)を研究するKSI社の幹部。物語の後半で重要な役割を果たし、アクション場面でも活躍します。
中国を代表する女優であるリー・ビンビン(李冰冰)は、本作で国際的な注目を集めました。彼女の演技は高く評価された一方、一部の批評家からは彼女のキャラクターがステレオタイプ的な描写(例:武術に長けている)として批判されました。
ソフィア・マイルズ(ダーシー・ティレル役)
ダーシーは地質学者で、トランスフォーマーの歴史やダイナボットの背景に関わる情報を提供する脇役。
イギリス出身のソフィア・マイルズは、落ち着いた演技でダーシーの知的な一面を表現。『ドクター・フー』などでの出演でも知られています。
トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017年)
ローラ・ハドック(ヴィヴィアン・ウェンブリー役)
ヴィヴィアンはオックスフォード大学の教授で、トランスフォーマーの歴史に深く関わる「ウィトウィック騎士団」の末裔。ケイドと共に地球を救う鍵を握るキャラクターです。
イギリス出身のローラ・ハドックは、知的で凛としたヴィヴィアンを魅力的に演じました。彼女は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズでも知られており、本作ではアクションと知性を兼ね備えたヒロイン像を体現しました。
イザベラ・モナー(イザベラ役)
イザベラはトランスフォーマーと共存する孤児の少女で、シリーズ史上最年少のヒロイン。機械に詳しく、バンブルビーらと行動を共にする勇敢なキャラクターです。
当時14歳だったイザベラ・モナーは、その若さにもかかわらず、力強い演技で注目を集めました。マイケル・ベイ監督に見出され、本作でハリウッドでのキャリアを大きく飛躍させました。その後、『ドラえもん』や『シカリオ:デイ・オブ・ソルダード』に出演しています。
バンブルビー(2018年)
ヘイリー・スタインフェルド(チャーリー・ワトソン役)
チャーリーは1987年を舞台にした本作の主人公で、父親を亡くし心に傷を抱える18歳の少女。廃車場でバンブルビーと出会い、彼との友情を通じて成長していく姿が描かれます。
ヘイリー・スタインフェルドは、本作でアクションだけでなく感情豊かな演技を見せ、シリーズに新たな息吹をもたらしました。『トゥルー・グリット』でアカデミー賞にノミネートされた実力派で、歌手としても活躍しています。彼女の演技は『バンブルビー』の高評価の一因となりました。
パメラ・アドロン(サリー・ワトソン役)
チャーリーの母親で、家族を支えるシングルマザー。娘との関係に葛藤を抱えながらも、愛情深い一面を見せます。
パメラ・アドロンは声優としても知られ、彼女の自然体な演技がサリーの人間味を引き立てました。
トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年)
ドミニク・フィッシュバック(エレナ・ウォレス役)
エレナはニューヨークの博物館で働く研究者で、トランスフォーマーの歴史に関わるアーティファクトを発見。ノア(アンソニー・ラモス)と共にマクシマルの戦いに参加します。
ドミニク・フィッシュバックは、本作で知性と行動力を兼ね備えたエレナを演じ、新世代のヒロインとして高い評価を受けました。『ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア』などでの演技も称賛されています。
ミシェル・ヨー(エアレイザー役・声優)
エアレイザーはマクシマル(ビースト形態のトランスフォーマー)のメンバーである雌のハヤブサ型トランスフォーマーで、チームに知恵と勇気を提供します。
アカデミー賞受賞女優のミシェル・ヨーは、声優として本作に参加。彼女の力強い声はエアレイザーに深みを与え、シリーズに新たな魅力を加えました。
トランスフォーマー/ONE(2024年)
スカーレット・ヨハンソン(エリータ-1役・声優)
エリータ-1はサイバトロン星でオプティマス・プライムやメガトロンと共に行動する女性戦士トランスフォーマー。変形能力を得て、仲間と共に危機に立ち向かいます。本作はシリーズの起源を描く3DCGアニメーション作品です。
スカーレット・ヨハンソンは『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドウ役で知られる実力派。彼女の声優としての参加は、エリータ-1に力強さとカリスマ性を与えました。日本語吹き替え版では吉岡里帆がエリータ-1の声を担当しています。[]
補足:女優たちの影響とシリーズへの貢献
ミーガン・フォックスの影響
シリーズ初期のヒロインとして、ミーガン・フォックスのミカエラは「トランスフォーマー」のアイコニックな存在となりました。彼女の降板は話題となりましたが、後にマイケル・ベイと和解し、『ミュータント・タートルズ』シリーズで再び共働しています。
新世代のヒロイン
『ロストエイジ』以降のニコラ・ペルツやイザベラ・モナー、ヘイリー・スタインフェルド、ドミニク・フィッシュバックらは、若いエネルギーと多様なバックグラウンドを持ち、シリーズに新たな魅力をもたらしました。
国際的なキャスト
リー・ビンビン、ミシェル・ヨー、ソフィア・マイルズ、ローラ・ハドックなど、国際色豊かな女優の起用は、シリーズのグローバルな訴求力を高めました。
声優としての貢献
『トランスフォーマー/ONE』でのスカーレット・ヨハンソンや、ミシェル・ヨーの声優参加は、アニメーション作品としてのクオリティを向上させ、シリーズの新たな可能性を示しました。
まとめ
「トランスフォーマー」シリーズは、ミーガン・フォックスのようなセクシーで大胆なヒロインから、ヘイリー・スタインフェルドやドミニク・フィッシュバックのような感情豊かで知的なキャラクターまで、多様な女性像を描いてきました。各女優はそれぞれの役柄に独自の魅力を吹き込み、アクションとドラマのバランスを取る重要な役割を果たしています。シリーズを視聴する際は、これらの女優たちの演技にも注目して、物語の深みを楽しんでいただければ幸いです。
レビュー 作品の感想や女優への思い