『ダイヤモンド・イン・パラダイス』(原題: After the Sunset)は2004年公開の米国のアクション・コメディ映画。引退した大泥棒とFBI捜査官が、バハマを舞台に伝説のダイヤを巡り駆け引きを繰り広げる。ピアース・ブロスナン主演、ブレット・ラトナー監督。
基本情報
- 邦題:ダイヤモンド・イン・パラダイス
- 原題:AFTER THE SUNSET
- 公開年:2004年
- 製作国:アメリカ
- 上映時間:98分
- ジャンル:アクション、ドラマ
- 配給:ワーナー・ブラザース映画
見どころ
5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナンはじめ、ウディ・ハレルソン、サルマ・ハエックなど豪華キャストが集結。コメディタッチで気軽に楽しめるのも◎!
あらすじ
マックス・バーデット(ピアース・ブロスナン)とローラ・シリロ(サルマ・ハエック)は、ナポレオンが所有していたとされる3つの「ナポレオン・ダイヤモンド」のうち2つを盗み出した伝説の泥棒コンビであり、恋人同士でもあります。華麗な手口でFBI捜査官スタン・ロイド(ウディ・ハレルソン)を翻弄し、泥棒稼業から引退した二人は、バハマのパラダイス・アイランドで豪華なリゾート生活を満喫していました。しかし、スタンはマックスを逮捕することに執念を燃やしており、彼らの前に再び現れます。スタンは、島に停泊中の豪華客船に最後のナポレオン・ダイヤが展示されていることをマックスに故意に知らせ、盗みを誘発しようと画策します。マックスは恋人ローラの反対を押し切り、ダイヤへの誘惑に抗えず、新たな盗みの計画を立て始めます。一方、スタンは地元の女刑事ソフィー(ナオミ・ハリス)やギャングのヘンリー・ムーア(ドン・チードル)と手を組み、マックスを捕まえるための罠を仕掛けます。ダイヤを巡る巧妙なだまし合いとアクションが展開し、予想外の結末が待っています。
解説
『ダイヤモンド・イン・パラダイス』は、アクションとコメディを融合させたエンターテインメント作品です。監督のブレット・ラトナーは、『ラッシュアワー』シリーズで培った軽快な演出を活かし、バハマの美しい海やリゾート地の風景を背景に、華やかな犯罪ドラマを展開します。ピアース・ブロスナンが演じるマックスは、ジェームズ・ボンド役で知られる彼の魅力であるスマートさとユーモアを存分に発揮し、観客を惹きつけます。物語は、犯罪アクションの緊張感とコメディの軽妙さをバランスよく組み合わせ、気軽に楽しめる娯楽作品として設計されています。しかし、批評的には賛否両論で、ストーリーの単純さや展開の予測可能性が指摘される一方、豪華キャストとリゾート地の魅力が評価されました。興行的には期待ほどの成功を収められませんでしたが、ピアース・ブロスナンの007シリーズ後の新たな一面を見せる作品として注目されました。バハマのトロピカルな雰囲気や、ダイヤを巡る駆け引きのスピーディな展開は、観客にリゾート気分とスリルを同時に味わわせる魅力があります。
女優の活躍
本作では、サルマ・ハエックとナオミ・ハリスという二人の女優が重要な役割を果たしています。
サルマ・ハエック(ローラ・シリロ役)
サルマ・ハエックは、マックスの恋人であり、泥棒のパートナーでもあるローラを演じています。彼女は本作で、知性と美しさを兼ね備えた魅力的な女性像を体現。物語の序盤では、引退後の穏やかな生活を望むローラとして、マックスとのロマンスや葛藤を情感豊かに表現します。特に、ダイヤ盗難計画に反対しながらもマックスを支える姿は、彼女の演技力の高さを示しています。また、アクションシーンでは、過去の泥棒としてのスキルを発揮し、変装や機敏な動きで観客を驚かせます。ハエックの存在感は、物語に情感と華やかさを加え、単なる恋人役を超えた活躍を見せています。
ナオミ・ハリス(ソフィー役)
ナオミ・ハリスは、地元の女刑事ソフィーを演じ、FBI捜査官スタンと協力してマックスを追います。ハリスは、若手ながら堂々とした演技で、ソフィーの正義感と機知に富んだキャラクターを表現。特に、スタンとの掛け合いでは、コメディ要素を巧みに演じ、物語に軽快なリズムを加えています。後の『007/スカイフォール』(2012年)でミス・マネーペニー役を演じる彼女の初期のキャリアを垣間見ることができる作品でもあり、アクションとコメディの両方で存在感を発揮しています。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の舞台であるバハマのトロピカルな環境を反映し、女優たちの衣装、化粧、髪型はリゾート地らしい華やかさと実用性を兼ね備えています。
サルマ・ハエック(ローラ・シリロ)
サルマ・ハエックの衣装は、リゾート地のラグジュアリーな雰囲気を強調するデザインが特徴です。ビキニやサマードレスなど、鮮やかな色彩の衣装が多く、バハマのビーチや高級リゾートにふさわしい軽やかでセクシーなスタイルが目立ちます。例えば、鮮やかな赤やターコイズブルーのドレスは、彼女のラテン系の美貌を引き立て、物語のロマンティックなシーンを盛り上げます。化粧はナチュラルでありながら、アイラインやリップで彼女の特徴的な顔立ちを強調。髪型は、ゆるやかなウェーブのかかったロングヘアが中心で、風になびく自然体なスタイルがリゾート地の開放感を表現しています。アクションシーンでは、動きやすいタイトな服装や変装用のウィッグを用い、泥棒としての実用性も考慮されています。
ナオミ・ハリス(ソフィー)
ナオミ・ハリスの衣装は、刑事としての機能性とバハマの気候に合わせた軽快さが特徴です。カジュアルなシャツやパンツスタイルが多く、動きやすさを重視したデザインが採用されています。色調は控えめなアースカラーや白を基調とし、彼女のプロフェッショナルなイメージを強調。化粧は控えめで、ナチュラルメイクによりソフィーの真面目で誠実な性格を反映しています。髪型は、ショートカットやシンプルなアップスタイルが中心で、刑事としての機敏さとバハマの暑さに適した実用的なスタイルです。物語の後半では、フォーマルな場面でエレガントなドレスを着用し、女優としての魅力も垣間見せます。
キャスト
- ピアース・ブロスナン:マックス・バーデット(大泥棒)
- サルマ・ハエック:ローラ・シリロ(マックスの恋人兼パートナー)
- ウディ・ハレルソン:スタン・ロイド(FBI捜査官)
- ドン・チードル:ヘンリー・ムーア(ギャング)
- ナオミ・ハリス:ソフィー(地元刑事)
- クリス・ペン:ローディ(マックスの友人)
- トロイ・ギャリティ:ルック(ヘンリーの手下)
- ミケルティ・ウィリアムソン:エージェント・スタッフォード
- オバ・ババトゥンデ:ザック
- ラッセル・ホーンズビー:ジーン
- レックス・リン:エージェント・コワルスキー
スタッフ
- 監督:ブレット・ラトナー
- 脚本・原作:ポール・ズビツェウスキー
- 脚本:クレイグ・ローゼンバーグ
- 製作:キース・ゴールドバーグ、ケント・オルターマン、トビー・エメリッヒ、パトリック・J・パーマー
- 撮影監督:ダンテ・スピノッティ
- 音楽:ラロ・シフリン
- 編集:マーク・ヘルフリッチ
- 衣装:リタ・ライアック
- 製作会社:ファーム・フィルムズ、コントラフィルム、ラット・エンタテインメント
- 配給:ギャガ・コミュニケーションズ(日本)、ニュー・ライン・シネマ(アメリカ)
レビュー 作品の感想や女優への思い