アナ・トーヴ(Anna Torv)はオーストラリア出身の女優。国際的に高い評価を受けている実力派で、TV番組『FRINGE/フリンジ』(2008年~2013年)でのオリビア・ダナム役で広く知られ、この役でサターン賞の最優秀テレビ女優賞を4年連続で受賞しました。これは同賞の記録として特筆すべき業績。
さらに、Netflixの犯罪ドラマ『Mindhunter』(2017年~2019年)でのウェンディ・カー役や、HBOのポストアポカリプスドラマ『The Last of Us』(2023年)でのテス役でも高い評価を得ており、特に『The Last of Us』ではプライムタイム・エミー賞のドラマシリーズ最優秀ゲスト女優賞にノミネートされました。オーストラリア国内では、ABCのドラマ『The Newsreader』でのヘレン・ノーヴィル役で2年連続AACTA賞を受賞し、彼女の演技力の幅広さと深さを証明しています。2024年にはNetflixのドラマ『Territory』に出演し、オーストラリアのノーザンテリトリーを舞台にした壮大な物語で新たな魅力を披露しました。トーヴは、緻密な役作りと感情豊かな演技で、観客を引き込む能力に定評があります。
プロフィール
- アナ・トーヴ(Anna Torv)
- 生年月日:1979年6月7日(46歳)
- 出生地:オーストラリア・ビクトリア州メルボルン
- 出身地:オーストラリア・クイーンズランド州ゴールドコースト
- 職業:女優、声優
- ジャンル:YV、映画
- 活動期間:2002年 –
- 配偶者:マーク・バレー(結婚 2008年、離婚 2009年)
- 著名な家族:アンナ・マードック・マン(叔母)
生い立ちと教育
アナ・トーヴは1979年6月7日、オーストラリアのビクトリア州メルボルンで、スーザン(旧姓カーマイケル)とハンス・アルヴィッド・トーヴの間に生まれました。母方の家系はスコットランド系、父方はエストニア系です。彼女はクイーンズランド州ゴールドコーストで育ち、弟のディランと共に幼少期を過ごしました。しかし、8歳の頃から父とは疎遠になり、母子家庭で育てられたことが彼女の自立心を育んだ一因とされています。父方の叔母であるアンナ・マリア・トーヴ・マードック・マンは、メディア王ルパート・マードックと31年間結婚していた作家で、この縁によりトーヴはエリザベス、ラクラン、ジェームズ・マードックと遠い親戚関係にあります。
1996年にベノワ州立高等学校を卒業後、17歳でシドニーの国立演劇学院(NIDA)に合格しました。しかし、若すぎて自立した生活が難しかったため、1年間のギャップイヤーを取り、カフェやバーで働きながら生活経験を積みました。2001年、NIDAで舞台芸術の学位を取得し、演技の基礎をしっかりと固めました。この時期に培った経験と教育が、彼女の後のキャリアに大きな影響を与えました。
経歴
アナ・トーヴのキャリアは、舞台から始まりました。2003年、ベル・シェイクスピア・カンパニーの『ハムレット』でオフィーリア役を演じ、舞台女優としての才能を示しました。2004年には、オーストラリアの人気テレビドラマ『The Secret Life of Us』でニッキ・マーテル役を獲得し、テレビ界に進出しました。2005年には、Scholastic Australiaのオーディオブックシリーズ『Solo Collection』で『Little Fingers』や『Jack’s Owl』などの作品の朗読を担当し、声優としても活躍しました。
2007年、プレイステーション3のビデオゲーム『Heavenly Sword ~ヘブンリーソード~』でナリコ役のボイスとモーションキャプチャを担当し、ゲーム業界でも注目を集めました。国際的なブレイクは2008年の『FRINGE/フリンジ』でのオリビア・ダナム役で訪れました。このSFドラマで、彼女はFBI捜査官として超常現象を追う役を演じ、並行世界の「もう一人のオリビア(フォークシヴィア)」も演じ分けることで、演技の幅広さを示しました。この役で、彼女は2009年から2012年まで4年連続でサターン賞を受賞しました。
2017年から2019年には、Netflixの『Mindhunter』で心理学者ウェンディ・カー役を演じ、連続殺人犯の心理を研究するFBI捜査官チームの一員として重厚な演技を見せました。2021年には、ABCの『The Newsreader』で1980年代のオーストラリアのニュースキャスター、ヘレン・ノーヴィル役を演じ、AACTA賞を2年連続で受賞。2023年には『The Last of Us』でテス役を演じ、短い出演時間ながら強烈な印象を残し、エミー賞ノミネートに繋がりました。2024年10月には、Netflixの『Territory』でオーストラリアの広大な牧場を舞台にしたドラマに出演し、新たな挑戦を続けています。
私生活
アナ・トーヴは私生活を公にしないことで知られており、2021年時点でソーシャルメディアを使用していません。2024年1月現在、彼女はオーストラリアのニューサウスウェールズ州北部に住んでいます。2008年12月、『FRINGE/フリンジ』で共演した俳優マーク・バレーと結婚しましたが、2010年初頭に離婚しました。その後の恋愛や家族に関する情報はほとんど公開されておらず、彼女はプライバシーを重視する姿勢を貫いています。トーヴはインタビューで、演技に集中するために私生活をシンプルに保つことを好むと述べており、その姿勢が彼女のプロフェッショナリズムを象徴しています。
出演作品
- 『The Secret Life of Us』(2004年、ニッキ・マーテル役) – オーストラリアのテレビドラマ
- 『Heavenly Sword ~ヘブンリーソード~』(2007年、ナリコ役) – プレイステーション3ゲーム、ボイスおよびモーションキャプチャ
- 『FRINGE/フリンジ』(2008年~2013年、オリビア・ダナム/フォークシヴィア役) – FOXのSFテレビドラマ、全5シーズン
- 『Mindhunter』(2017年~2019年、ウェンディ・カー役) – Netflixの犯罪ドラマ
- 『The Newsreader』(2021年~、ヘレン・ノーヴィル役) – ABCのドラマ、AACTA賞受賞
- 『The Last of Us』(2023年、テス役) – HBOのポストアポカリプスドラマ、エミー賞ノミネート
- 『Territory』(2024年、出演) – Netflixのドラマ、オーストラリアのノーザンテリトリーが舞台
- 『FIRES~オーストラリアの黒い夏~』(2021年、出演) – 2019~2020年のオーストラリア森林火災をテーマにしたアンソロジードラマ
レビュー 作品の感想や女優への思い