『ビートルジュース ビートルジュース』（2024年）は、ティム・バートン監督のホラーコメディ続編。35年後のリディアと娘アストリッドを中心に、ビートルジュースがハロウィンの夜に大騒動を巻き起こす。マイケル・キートン、ウィノナ・ライダー、ジェナ・オルテガら豪華キャストが出演。
基本情報
- 邦題：ビートルジュース ビートルジュース
- 原題：Beetlejuice Beetlejuice／Beetlejuice 2
- 公開年：2024年
- 製作国：米国
- 上映時間：104分
- ジャンル：ホラー、コメディ、ファンタジー、配給：ワーナー・ブラザース映画
見どころ
『チャーリーとチョコレート工場』のティム・バートン監督が、奇妙なキャラが盛りだくさんの楽しい死後の世界を描出。カラフルでダークでポップな世界観に引き込まれる。
女優の活躍
『ビートルジュース ビートルジュース』では、ウィノナ・ライダー、ジェナ・オルテガ、キャサリン・オハラ、モニカ・ベルッチといった女優陣が物語の中心で圧倒的な存在感を発揮しました。
ウィノナ・ライダー（リディア・ディーツ役）
前作から35年ぶりにリディアを演じたウィノナ・ライダーは、霊能力を活かしテレビ番組「ゴーストハウス」の司会者として活躍する一方、娘アストリッドとの関係に悩む母親像を繊細に表現。彼女の演技は、ゴシックな魅力と感情の深みを融合させ、物語の情感を牽引しました。ライダーは過去のティム・バートン作品（『シザーハンズ』など）での経験を活かし、独特の暗いユーモアと人間性をバランスよく体現。特に、ビートルジュースとの再会シーンでは、過去のトラウマと現在の葛藤を見事に描き出しました。
ジェナ・オルテガ（アストリッド・ディーツ役）
リディアの娘アストリッドを演じたジェナ・オルテガは、バートン監督の『ウェンズデー』に続くコラボレーションで、若々しいエネルギーと反抗的な魅力を発揮。幽霊の存在を信じない現実主義者のアストリッドが、死後の世界に巻き込まれる過程で成長する姿を、感情豊かに演じました。オルテガの自然体な演技は、現代の若者像を反映しつつ、ティム・バートンワールドの奇妙な雰囲気と調和。彼女の存在は、新世代の観客を引き込む鍵となりました。
キャサリン・オハラ（デリア・ディーツ役）
リディアの継母デリア役で続投したキャサリン・オハラは、風変わりで自己中心的なアーティストという前作のキャラクター性をさらに深化。コミカルかつ人間味のある演技で、家族の絆を象徴する重要な役割を果たしました。オハラのユーモアと誇張された表現は、物語の軽快なトーンを支え、特にハロウィンシーンのドタバタ劇で観客を魅了しました。
モニカ・ベルッチ（ドロレス役）
ビートルジュースの元妻ドロレスを演じたモニカ・ベルッチは、バートン作品初出演ながら強烈な印象を残しました。身体をホッチキスで繋ぎ合わせた不気味なビジュアルと、復讐に燃える冷酷なキャラクターを、妖艶かつ威圧的に演じ、物語に緊張感を加えました。ベルッチの存在感は、死後の世界のダークな魅力を強調する重要な要素でした。
女優の衣装・メイクアップ・ヘアスタイル
本作の衣装、メイクアップ、ヘアスタイルは、ティム・バートンのゴシックでファンタジックな世界観を体現し、女優たちの個性を際立たせました。衣装デザインはコリーン・アトウッドが担当。
ウィノナ・ライダー（リディア）
リディアの衣装は、黒を基調としたゴシックスタイルで、前作のティーンエイジャー時代を彷彿とさせつつ、大人の洗練さをプラス。ロングの黒いドレスやレイヤードスタイルが、彼女の霊能力者としてのミステリアスな雰囲気を強調。メイクは白い肌にダークなアイラインとリップで、ゴシック美を際立たせました。ヘアスタイルは、前髪を残したロングヘアで、過去のリディアとの連続性を保ちつつ、年齢を重ねた落ち着きを表現。
ジェナ・オルテガ（アストリッド）
アストリッドの衣装は、現代のティーンらしいカジュアルさとゴシック要素を融合。ダークカラーのトップスにジーンズ、ブーツを合わせたスタイルは、反抗的な性格を反映。メイクはナチュラルで、ほのかにダークなアイシャドウがバートンらしいアクセントに。ヘアスタイルは、ルーズなポニーテールやハーフアップで、若々しさと自由奔放さを表現しました。
キャサリン・オハラ（デリア）
デリアの衣装は、派手でアーティスティックなデザインが特徴。ビビッドなカラーや大ぶりのアクセサリー、アシンメトリーなドレスが、彼女の自己顕示欲を強調。メイクは大胆な赤いリップと誇張されたチークで、コミカルな個性を演出。ヘアスタイルは、ボリュームのあるカールやアップスタイルで、奇抜さを際立たせました。
モニカ・ベルッチ（ドロレス）
ドロレスの衣装は、破れた黒いドレスにホッチキスで継ぎ接ぎされたデザインで、死後の世界の不気味さを体現。メイクは青白い肌に黒い傷跡、深紅のリップで、ゾンビのような恐ろしさと美しさを両立。ヘアスタイルは、乱れた黒髪で、復讐鬼としての狂気を強調しました。
あらすじ
死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営むビートルジュース（マイケル・キートン）は、36年前に結婚を迫ったリディア（ウィノナ・ライダー）を今も忘れられず、人間界への移住を夢見ています。一方、リディアは霊能力を活かしテレビ番組「ゴーストハウス」の司会者として成功するも、幽霊を信じない娘アストリッド（ジェナ・オルテガ）との関係に悩んでいます。ハロウィンの夜、リディアの父チャールズの死をきっかけに一家はコネチカット州ウィンターリバーへ。そこでは、アストリッドが死後の世界に囚われ、ビートルジュースの元妻ドロレス（モニカ・ベルッチ）が復活し復讐を企てます。リディアは娘を救うため、ビートルジュースに助けを求めるが、彼の目的はリディアとの結婚。ドロレスの追跡、ビートルジュースの策略、リディアの決断が交錯し、ハロウィンの夜に大騒動が巻き起こります。
解説
『ビートルジュース ビートルジュース』は、1988年の『ビートルジュース』の続編として、ティム・バートンのダークファンタジーとブラックユーモアを現代に蘇らせた作品です。前作の成功（アカデミー賞メイクアップ賞受賞、全米興収8400万ドル）を受け、36年ぶりにオリジナルキャストが集結。バートンは、家族と世代間の絆をテーマに、死後の世界をカラフルかつ不気味に描きました。CGを最小限に抑え、特殊メイクや実写セットを重視した制作は、前作のクラシックな魅力を継承しつつ、現代の観客に新鮮な驚きを提供。特に、ジェナ・オルテガの起用は、若年層への訴求力を高め、バートンの世界観を次世代に繋ぎました。ヴェネチア国際映画祭でのオープニング上映や全世界興収4億5190万ドルの大ヒットは、作品の普遍的な魅力を証明。音楽はダニー・エルフマンが再び担当し、Harry Belafonteの楽曲がノスタルジーを誘います。
キャスト
- ビートルジュース：マイケル・キートン
- リディア・ディーツ：ウィノナ・ライダー
- アストリッド・ディーツ：ジェナ・オルテガ
- デリア・ディーツ：キャサリン・オハラ
- ドロレス：モニカ・ベルッチ
- ローリー：ジャスティン・セロー
- ウルフ：ウィレム・デフォー
日本語吹替
山寺宏一（ビートルジュース）、坂本真綾（リディア）、伊瀬茉莉也（アストリッド）、沢城みゆき（デリア）ほか
スタッフ
- 監督：ティム・バートン
- 脚本：アルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラー
- 製作：ブラッド・ピット（Plan B Entertainment）、ティム・バートンほか
- 撮影：ハリス・ザンバルロウコス
- 編集：ジェイ・プリチドニー
- 音楽：ダニー・エルフマン
- 配給：ワーナー・ブラザース映画
本作は、ティム・バートンの独特なビジュアルとユーモアが融合したホラーコメディの傑作として、幅広い世代に愛される作品となりました。
レビュー 作品の感想や女優への思い