2020年公開の韓国映画『ボディガード』(原題:경호원)は、恋人を失った男が財閥令嬢を巨大な陰謀から守るサスペンス・アクション。ミス・コリア出身のユ・イェビンが出演し、80分の緊迫した物語が展開。監督はソン・スンヨン。
基本情報
- 邦題:ボディガード
- 原題:경호원
- 英題:Bodyguard
- 公開年:2020年
- 製作国:韓国
- 上映時間:81分
- ジャンル:アクション
見どころ
新人のカン・ソクチョルが主演を務め、ハードな格闘アクションを見せる。ヒロインは元ミス・コリアのユ・イェビン。『最終兵器 ムスダン』のキム・ジヌらが脇を固める。
概要
韓国映画『ボディガード』(原題:경호원)は、2020年に公開されたサスペンス・アクション映画。80分のコンパクトな上映時間ながら、愛と復讐、陰謀をテーマにした緊張感あふれるストーリーが特徴です。監督はソン・スンヨン、主演に新人俳優カン・ソクチョルと、第57回ミス・コリア出身のユ・イェビンを迎え、脇を固めるキム・ジヌやチ・ヘインが物語に深みを加えています。本作は、過去の名作『ボディガード』(1992年)や『マイ・ボディガード』など、ボディガードをテーマにした作品群に新たな一ページを加える意欲作として位置づけられています。
女優の活躍
本作で最も注目される女優は、ミス・コリア出身のユ・イェビン。彼女はイェジン役を演じ、財閥テジングループの跡取りとして、敵対勢力に狙われるヒロインを熱演。ユ・イェビンは本作で映画初主演を果たし、ミス・コリアとしての華やかなオーラを活かしつつ、危機に直面する女性の強さと脆さを表現しました。彼女の演技は、恐怖や葛藤を繊細に描き、アクションシーンでの毅然とした姿勢が印象的です。また、チ・ヘインがテヨン役で出演し、スハンの幼馴染として物語に感情的な厚みを加えています。チ・ヘインは『戦野 チョンヤ』などでの経験を活かし、脇役ながら存在感を発揮。両女優の対照的な魅力が、物語の緊張感と人間ドラマを際立たせています。
女優の衣装・化粧・髪型
ユ・イェビン演じるイェジンの衣装は、財閥令嬢らしい上品さと現代的なカジュアルさを融合させたスタイルが特徴です。物語の前半では、テジングループの後継者として、洗練されたテーラードスーツやエレガントなドレスを着用。ダークトーンのスーツは彼女の毅然とした性格を強調し、危機的状況でのアクションシーンにも適した動きやすさを兼ね備えています。後半では、身を隠すためにカジュアルなデニムやシンプルなトップスに変化し、キャラクターの状況変化を視覚的に表現。メイクアップはナチュラルでありながら、ミス・コリアの美貌を引き立てる繊細な仕上がり。
危機に瀕するシーンでは、汗や汚れを加えたリアルなメイクで緊迫感を演出しています。ヘアスタイルは、最初はゆるやかなウェーブのロングヘアで優雅さを強調し、物語が進むにつれポニーテールや無造作なアップスタイルで実用性を優先。
チ・ヘインのテヨンは、日常的なカジュアル衣装(Tシャツやジーンズ)が中心で、親しみやすい雰囲気を演出。メイクは控えめで、ヘアスタイルはショートカットやシンプルなまとめ髪で、活発な性格を反映しています。衣装やメイクは、両女優の個性と役柄を巧みに引き立て、物語のリアリティを高めています。
あらすじ
スハン(カン・ソクチョル)は、かつて恋人を守れずに失ったトラウマを抱え、幼馴染のテヨン(チ・ヘイン)やジンチョルと共に街金の回収業で生計を立てる自暴自棄な日々を送っています。ある日、スハンは男たちに拉致されそうになっていたイェジン(ユ・イェビン)を偶然救います。イェジンはテジングループの跡取りで、グループ内の権力争いにより命を狙われている女性でした。スハンはイェジンを自宅に匿いますが、彼女を追う敵対勢力はスハンの出入りする金融会社の社長に高額の報酬でイェジンの捜索を依頼。スハンはイェジンを守るため、自身の過去と向き合いながら巨大な陰謀に立ち向かいます。愛と信頼、裏切りが交錯する中、スハンはイェジンを守り抜けるのか、物語は緊迫したアクションとドラマで展開します。
解説
『ボディガード』(2020年)は、ボディガードという職業を通じて、守るべき対象との絆や自己犠牲を描く普遍的なテーマを扱っています。本作は、ハリウッドの名作『ボディガード』(1992年)へのオマージュを感じさせつつ、韓国映画らしい感情の濃密さとコンパクトな物語構成が特徴です。スハンのトラウマやイェジンの孤独感は、現代社会における個人の葛藤を象徴しており、観客に共感を呼びます。アクションシーンは派手さよりもリアリティを重視し、街中の追跡や格闘が緊張感を高めています。しかし、一部のレビューでは「ストーリーが単純」「展開が物足りない」との声もあり、Filmarksでの平均評価は2.5点(39件)と賛否両論。 それでも、ユ・イェビンのフレッシュな魅力や、キム・ジヌらベテランの安定感が作品を支え、ボディガード映画の新たな試みとして一定の評価を受けています。本作は、低予算ながら新人俳優の可能性と韓国映画の多様性を示す一作と言えるでしょう。
キャスト
- スハン役:カン・ソクチョル。新人俳優が演じる主人公。恋人の喪失から立ち直れない男が、使命感と愛を見出す成長物語を体現。
- イェジン役:ユ・イェビン。第57回ミス・コリア出身の女優。財閥令嬢の気品と脆弱さを併せ持つヒロインを初主演で熱演。
- テヨン役:チ・ヘイン。スハンの幼馴染。『戦野 チョンヤ』などで知られる女優が、物語に温かみを加える。
- サンホ役:キム・ジヌ。『最終兵器 ムスダン』などで活躍のベテラン。物語の鍵を握る脇役として重厚な演技を見せる。
スタッフ
- 監督:ソン・スンヨン。新進気鋭の監督で、本作ではアクションとドラマのバランスを重視した演出を披露。
- 脚本:ソン・スンヨン(兼任)。監督自らが脚本を担当し、コンパクトな物語に感情的な深みを加えた。
- 撮影:不詳。情報が限定的だが、都市の雑踏や暗がりを活かした映像が緊張感を演出。
- 音楽:不詳。サウンドトラックは控えめながら、アクションシーンで効果的に使用。
- 製作・配給:インターフィルム。2023年12月22日にDVD発売。低予算ながら日本市場にも展開。
総括
『ボディガード』(2020年)は、ミス・コリア出身のユ・イェビンを中心に、新人俳優とベテランが織りなすサスペンス・アクション映画です。衣装やメイクはキャラクターの心情を反映し、物語のリアリティを高めています。賛否両論あるものの、ボディガード映画の新たな可能性を示す一作として、韓国映画ファンに鑑賞をお勧めします。
レビュー 作品の感想や女優への思い