香港の女優キャリー・ン（Carrie Ng、本名：吳家麗）は1963年2月24日にイギリス領香港で生まれました。現在62歳で、主に香港映画界で活躍するベテラン女優。カテゴリーIIIのカルト映画から主流の商業映画まで幅広いジャンルに出演し、演技力が高く評価されています。とくに、1993年の映画『香港人肉竹輪（Remains of a Woman）』で金馬奨最優秀主演女優賞を受賞し、2000年の『流星（The Kid）』で香港電影金像奨最優秀助演女優賞を受賞したことで知られています。
また、カルトクラシックとして有名な『Sex and Zen（1991年）』や『Naked Killer（1992年）』、エドワード・ヤン監督の『Mahjong（1996年）』などに出演しています。2015年には監督デビュー作『Angel Whispers』を共同監督・製作・脚本として手がけ、多才ぶりを発揮しています。キャリアを通じて香港電影金像奨に複数回ノミネートされており、助演女優賞部門では『City on Fire（1987年）』、『Till We Meet Again（1991年）』、『C’est la vie, mon chéri（1994年）』、『The Lovers（1994年）』で、主演女優賞部門では『The First Time is the Last Time（1990年）』と『Remains of a Woman（1993年）』で候補となっています。彼女の演技は、強い女性像や複雑な感情表現を得意とし、香港映画の黄金期を支えた一人です。
プロフィール
- キャリー・ン（Carrie Ng）
- 繁体字：吳家麗（ン・カーライ／Ng Ka-Lai）
- 簡体字：吴家丽
- 生年月日：1963年2月24日（62歳）
- 出生地：英領香港
- 職業：女優
- 活動期間：1981年～
生い立ちと教育
キャリー・ンは1963年2月24日に香港で生まれました。幼少期や家族に関する詳細な情報は公にされていないため、限定的です。1981年に香港のテレビ局TVBの俳優養成所を卒業し、これが彼女の芸能界入りのきっかけとなりました。養成所では基礎的な演技訓練を受け、以降テレビドラマを中心に活動をスタートさせました。しかし、当初は目立つ役が少なく、映画界への転向を決意したようです。教育背景としては、正式な大学教育などの情報は明らかになっておらず、俳優養成所でのトレーニングが主な基盤となっています。この時期の経験が、後の多様な役柄への適応力を養ったと考えられます。
経歴
キャリー・ンは1981年にTVB俳優養成所を卒業後、テレビドラマに出演し始めました。しかし、TVBとの契約終了後、1986年頃から映画界に本格的に進出しました。
初の注目作は1987年の『City on Fire』で、チョウ・ユンファ演じる主人公の恋人役を演じ、香港電影金像奨助演女優賞にノミネートされました。この作品は彼女のブレイクスルーとなり、以降のキャリアを加速させました。
1990年の『The First Time is the Last Time』ではアンディ・ラウと共演し、主演女優賞にノミネートされ、演技派としての地位を確立しました。1991年のカルト映画『Sex and Zen』では大胆な役柄をこなし、注目を集めました。1992年の『Naked Killer』も同様にカテゴリーIIIの代表作となり、彼女の多才さを示しました。1993年の『Remains of a Woman』では猟奇的なストーリーの中で複雑な女性像を演じ、金馬奨最優秀主演女優賞を受賞し、国際的な評価を得ました。1994年には『C’est la vie, mon chéri』と『The Lovers』で助演女優賞にノミネートされ、連続して活躍を続けました。1996年のエドワード・ヤン監督作『Mahjong』では芸術的な深みを加えた役柄を演じ、批評家から好評を博しました。1999年の『The Kid』では薄幸な中年女性を熱演し、香港電影金像奨最優秀助演女優賞を受賞しました。
2000年代以降も『Diamond Hill（2000年）』、『Glass Tears（2001年）』、『The Butterfly Lovers（2004年）』、『レッド・ナイト 女処刑人たちの夜（2010年）』などに出演し、安定した活動を続けています。2014年の『Aberdeen』や『Ghost Rituals』、2017年の『Zombiology: Enjoy Yourself Tonight』、2019年の『Undercover vs. Undercover』など、近年もジャンルを問わず出演しています。
2015年には監督として『Angel Whispers』を発表し、復讐スリラーとして好評を得ました。この作品では共同監督、製作、脚本を務め、クリエイターとしての側面も発揮しています。全体として、彼女の経歴は香港映画の多様な側面を反映しており、40年近くにわたり業界を支え続けています。
私生活
キャリー・ンの私生活に関する詳細な情報は、公にされていないため、限定的です。家族、結婚、趣味などの個人的な側面については、メディアでほとんど触れられていません。女優としてのプロフェッショナルなイメージを保ち、プライベートを明かさない姿勢がうかがえます。キャリアに集中している様子が、彼女の長年の活躍を支えているのかもしれません。
出演作品
以下はキャリー・ンの主な出演作品です。各作品について、年、タイトル、役柄や簡単な説明を記載しています。彼女のキャリアを代表するものを中心に、可能な限り詳細にまとめました。
- City on Fire（1987年） – チョウ・ユンファの恋人役。アクション映画の傑作で、助演女優賞ノミネート。
- The First Time is the Last Time（1990年） – アンディ・ラウ共演のドラマ。主演女優賞ノミネート。
- Sex and Zen（1991年） – カテゴリーIIIのカルトクラシック。エロティックな要素が強い作品。
- Till We Meet Again（1991年） – 助演女優賞ノミネート。ロマンティックなストーリー。
- Naked Killer（1992年） – アクション満載のカルト映画。強い女性像を演じる。
- Remains of a Woman（1993年） – 猟奇映画で金馬奨受賞。複雑な心理描写が評価。
- C’est la vie, mon chéri（1994年） – 助演女優賞ノミネート。感動的なラブストーリー。
- The Lovers（1994年） – 助演女優賞ノミネート。歴史ロマンス。
- Policewoman（1995年） – Madam Chu役。警察官の物語。
- Police Confidential（1995年） – Councillor Lau役。サスペンス要素。
- Thunder Cop（1996年） – Li Ka-lai/Honey役。アクションコメディ。
- Mahjong（1996年） – エドワード・ヤン監督の芸術映画。社会派ドラマ。
- Raging Angels（1998年） – アクション映画。
- Faces of Horrid（1998年） – ホラー作品。
- Deadly Illusion（1998年） – Li Yuen-Wah役。スリラー。
- The Kid（1999年） – 薄幸な中年女性役。最優秀助演女優賞受賞。
- Diamond Hill（2000年） – ドラマ。
- Glass Tears（2001年） – Cho’s mother役。家族ドラマ。
- The Butterfly Lovers（2004年） – ファンタジーロマンス。
- レッド・ナイト 女処刑人たちの夜（2010年） – キャリー役。ホラーサスペンス。
- Aberdeen（2014年） – ドラマ。
- Ghost Rituals（2014年） – ホラー。
- Angel Whispers（2015年） – 監督・出演。復讐スリラー。
- Zombiology: Enjoy Yourself Tonight（2017年） – Shan役。ゾンビコメディ。
- Undercover vs. Undercover（2019年） – アクション。
これらの作品を通じて、キャリー・ンはアクション、ドラマ、ホラー、カルトなど多様なジャンルで活躍してきました。出演作の多くは香港映画の黄金期を象徴するものであり、彼女の演技は常に観客を魅了しています。合計で数十本以上の映画に出演しており、テレビドラマも含めるとさらに豊富です。近年も新作に出演し、精力的に活動を続けています。
レビュー 作品の感想や女優への思い