「センターステージ」は、2000年公開の米国映画。名門バレエ学校での若者たちの夢と挫折を描く青春ドラマ。115分の上映時間で、ソニー・ピクチャーズ配給。情熱的なダンスシーンが魅力で、アマンダ・シュルやゾーイ・サルダナらのリアルなパフォーマンス、丁寧に描かれた衣装やメイク、そしてニコラス・ハイトナーの演出が、バレエの美しさと厳しさを鮮やかに表現。
基本情報
- 邦題:センターステージ
- 原題:CENTER STAGE
- 公開年:2000年
- 製作国:米国
- 上映時間:115分
- ジャンル:ドラマ
- 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
見どころ
監督は舞台演出家としても活躍するニコラス・ハイトナー。トニー賞12部門に輝いた振付師、スーザン・ストローマンが監修を務めるほか、アメリカダンス界の才能が結集。アマンダ・シュルやゾーイ・サルダナらのリアルなパフォーマンスを楽しめます。
あらすじ
ニューヨークの名門アメリカン・バレエ・カンパニーの練習生となったジョディ・ソーヤー(アマンダ・シュル)は、プロのバレリーナを目指し厳しいオーディションを勝ち抜いて入団します。しかし、彼女は自分の体型や技術の未熟さに悩み、厳しい指導者や競争の激しい環境に直面します。同期の仲間たち、モーリーン(スーザン・メイ・プラット)やエリック(サシャ・ラデッキー)らと共に切磋琢磨しながら、友情や恋愛を通じて成長していきます。特に、ジョディはバレエ団のスター、クーパー(イーサン・スティーフェル)と親しくなりますが、彼との関係は彼女の心を揺さぶります。一方で、モーリーンは母親の期待と自身の夢の間で葛藤し、エヴァ(ゾーイ・サルダナ)は情熱と反抗心でバレエに向き合います。最終的に、ジョディは自分らしい踊りを見つけ、夢のセンターステージに立つための試練を乗り越えていきます。物語は、若者たちの情熱、犠牲、そして成功への道のりを感動的に描き出します。
解説
「センターステージ」は、ニコラス・ハイトナー監督によるバレエを題材にした青春ドラマで、2000年5月12日に北米で公開され、日本では2001年5月12日に劇場公開されました。バレエの世界の美しさと厳しさをリアルに描き、クラシックバレエだけでなくジャズダンスやサルサなど多様なダンスシーンが織り交ぜられています。
本作は、プロのバレエダンサーと俳優を融合させたキャスティングが特徴で、実際のバレエダンサーであるアマンダ・シュルやイーサン・スティーフェルが出演し、リアルなパフォーマンスを披露しています。特に、バレエの練習風景やトウシューズの準備、厳しいオーディションの様子は、バレエ界の裏側を覗くような臨場感を与えます。
物語は、夢を追う若者たちの葛藤や成長を丁寧に描き、恋愛や友情、自己発見のテーマを織り交ぜた普遍的な青春映画として高い評価を受けました。全米で5週連続トップ10入りを果たし、興行収入は約2600万ドルを記録。バレエファンだけでなく、広く青春映画の愛好者に支持されています。
女優の活躍
本作では、女性キャストが物語の中心を担い、個々のキャラクターの感情や成長を見事に演じています。
- アマンダ・シュル(ジョディ・ソーヤー役): 本作が映画デビューとなったアマンダ・シュルは、サンフランシスコ・バレエ団に所属する現役バレエダンサー。彼女の伸びやかなダンスパフォーマンスは、ジョディの情熱と成長を体現し、観客に強い印象を与えました。特に、クライマックスの舞台シーンでは、彼女の技術と表現力が光ります。演技経験は少なかったものの、自然体でジョディの純粋さと葛藤を表現し、映画の核として活躍しました。
- スーザン・メイ・プラット(モーリーン・カミングス役): 「恋のから騒ぎ」で知られるスーザン・メイ・プラットは、完璧主義でプレッシャーに苦しむモーリーンを繊細に演じました。バレエの技術面ではプロのダンサーに及ばないものの、感情豊かな演技でキャラクターの内面を掘り下げ、母親との確執や自己犠牲のテーマを印象的に表現しています。
- ゾーイ・サルダナ(エヴァ・ロドリゲス役): 本作で映画デビューを果たしたゾーイ・サルダナは、反抗的で情熱的なエヴァ役で鮮烈な印象を残しました。彼女のバレエシーンは力強く、個性的なキャラクター造形が物語に活気を与えています。後の「アバター」や「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でスターとなる片鱗を見せ、ファンからは「美しい手足でのバレエが圧巻」と高評価です。
女優の衣装・化粧・髪型
「センターステージ」の衣装、化粧、髪型は、バレエの世界の美学とキャラクターの個性を反映し、視覚的な魅力を高めています。
- 衣装: 練習シーンでは、レオタードやタイツ、トウシューズといったバレエの定番衣装が登場。ジョディ役のアマンダ・シュルは、シンプルな黒やピンクのレオタードを着用し、清楚で努力家のイメージを強調。エヴァ役のゾーイ・サルダナは、個性的な色使いやカジュアルなアクセサリーを加えた衣装で、反抗的な性格を表現しています。舞台公演シーンでは、華やかなチュチュや白鳥の湖を彷彿とさせる白い衣装が登場し、バレエの優雅さを際立たせます。クーパーのコンテンポラリーバレエでは、モダンな赤や黒の衣装が使用され、革新的な雰囲気を醸し出しています。
- 化粧: 練習シーンでは、汗と努力を強調するため、女優たちはほぼナチュラルメイク。ジョディのメイクは薄く、若々しさと純粋さを表現。モーリーンは控えめなメイクで内向的な性格を反映し、エヴァは少し濃い目のアイラインやリップで強気な態度を強調しています。舞台シーンでは、劇的なアイシャドウや赤いリップが施され、バレエダンサーとしての華やかさを引き立てます。
- 髪型: バレエの伝統的なシニヨン(お団子ヘア)が基本で、ジョディやモーリーンはきっちりとしたシニヨンで規律正しさを表現。エヴァは少しルーズなシニヨンやポニーテールで自由奔放な性格を表しています。舞台公演では、髪飾りやティアラが加わり、華やかな印象を強化。ゾーイ・サルダナの自然なカールがエヴァの個性を際立たせています。
キャスト
- アマンダ・シュル: ジョディ・ソーヤー
- スーザン・メイ・プラット: モーリーン・カミングス
- ゾーイ・サルダナ: エヴァ・ロドリゲス
- イーサン・スティーフェル: クーパー・ニールセン
- サシャ・ラデッキー: チャーリー
- イリア・クーリック: セルゲイ
- ピーター・ギャラガー: ジョナサン・リーヴス
- ドナ・マーフィー: ジュリエット・シモン
スタッフ
- 監督: ニコラス・ハイトナー
- 製作: ローレンス・マーク
- 脚本: キャロル・ヘイッキネン
- 撮影: ジェフリー・シンプソン
- 編集: タリク・アンウォー
- 音楽: ジョージ・フェントン
総括
「センターステージ」は、バレエの世界を通じて若者の夢と成長を描いた感動的な青春映画です。アマンダ・シュールやゾーイ・サルダナらのリアルなパフォーマンス、丁寧に描かれた衣装やメイク、そしてニコラス・ハイトナーの演出が、バレエの美しさと厳しさを鮮やかに表現。友情や恋愛、自己発見のテーマは普遍的で、幅広い観客に愛される作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い