『発情アニマル』は1978年に米国で公開された映画。過激な描写で悪名高いレイプ・リベンジ映画。都会から離れた湖畔の別荘で小説を書こうとする女性ジェニファー。地元の男たちに執拗にレイプされた後、死んだと思われていた彼女は復讐鬼と化し、一人ずつ残酷に殺していきます。
基本情報
- 邦題:発情アニマル/発情アニマル アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ1978
- 原題:DAY OF THE WOMAN/I SPIT ON YOUR GRAVE
- 公開年:1978年
- 製作国・地域:アメリカ合衆国
- 上映時間:101分
- ジャンル:サスペンス
あらすじ
ニューヨーク在住の若手作家ジェニファー・ヒルズは、新作執筆のために静かな湖畔の別荘を借ります。自然の中で集中して書こうと考えていた彼女は、ガソリンスタンドでジョニーら地元の男たちと軽い会話を交わします。
しかしその後、男たちはジェニファーの存在に異様な執着を抱き、別荘に押し掛けます。彼女は森に逃げ込むが捕まり、繰り返し凄惨な暴行を受けます。男たちはジェニファーが死んだと思い込み、証拠隠滅を図りますが、彼女は奇跡的に生き延びていました。
傷ついた体で教会に助けを求めようとするも、恐怖と絶望の中で復讐を決意。男たちを一人ずつ誘い出し、残酷かつ計算的に殺していきます。最後には全員を葬り、静かに湖を去ります。
女優の活躍
カミール・キートンは『発情アニマル』で主演ジェニファー・ヒルズを演じ、ほぼ全編にわたって単独で画面を支えました。当時26歳。演技経験は少なく、ほとんど無名の存在でしたが、過酷な撮影を耐え抜き、圧倒的な存在感を示しました。
前半では都会的な知性と無防備な魅力を、後半では冷徹な復讐者へと変貌する難役を、セリフを極力抑え、表情と身体だけで表現。特に復讐シーンでの静かな狂気は観る者を震えさせ、カルト的な評価を得ました。
本作以降もホラー・エクスプロイテーション作品を中心に活動し、2010年のリメイク版およびその続編シリーズでも同じ役を再演。40年以上の時を経て再びジェニファーを演じたことは、映画史的にも稀な出来事です。
女優の衣装・化粧・髪型
都会から来たシーンでは、白のノースリーブトップスにデニムのショートパンツ、サングラスという軽快な夏の装い。化粧は控えめでナチュラルメイク、髪はストレートのロングヘアを自然に下ろしています。
別荘での日常は、白いワンピースやビキニ水着、薄手のシャツ一枚など、開放的で無防備な印象。暴行後は服が破られ、血と泥にまみれた姿が長く続くため、ほとんど裸に近い状態が続きます。
復讐パートに入ると、白いワンピースを再び着用し、傷跡を隠すように髪を下ろしたまま。化粧は一切せず、青白い顔と虚ろな瞳が強調され、人間性を失ったような雰囲気を醸し出しています。
解説
1978年に公開された映画『発情アニマル』は、当初「Day of the Woman」というタイトルで限定上映されましたが、過激な性暴力描写により激しい批判を浴び、ほとんどの国で上映禁止となりました。しかしビデオ時代になると「I Spit on Your Grave」のタイトルで再評価され、レイプ・リベンジものの原型としてカルト的な地位を確立しました。米国をはじめ、日本でも断続的に題名を変えて放送されたことがあります(悪魔のえじき、サマータイム、発情アニマル、女の日、など)。
監督メイル・ザルキは「被害者の視点から描いたフェミニスト映画」と主張していますが、多くの批評家は「女性への暴力を娯楽化した最低の作品」と断じ、論争の的となりました。長い暴行シーン(約30分)は観る者に強烈な不快感を与え、それゆえに復讐の正当性を観客に突きつける構造になっています。
2010年にはリメイクされ、続編も複数製作されるなど、現代でも影響力を持ち続けています。暴力描写の過激さは今なお色褪せず、観る者を極端に二分する問題作として語り継がれています。
キャスト
- ジェニファー・ヒルズ:カミール・キートン
- ジョニー:エロン・テイバー
- マシュー:リチャード・ペイス
- スタンリー:アンソニー・ニコルズ
- アンディ:ガンター・クライシュ
- スーパーの店員:アレックス・カレラス
スタッフ
- 監督・脚本・製作・編集:メイル・ザルキ
- 撮影:ユーリ・ハヴェル
- 音楽:なし(効果音のみ)
- 製作会社:Cinemagic Pictures
- 配給(米国):The Jerry Gross Organization


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