『デスパレートな妻たち』(Desperate Housewives)は2004年から2012年まで米ABCで放送されたサスペンスコメディドラマ。全8シーズン、180話。ウィステリア通りの主婦たちの波乱万丈な日常を、コメディ、ミステリー、ロマンスの要素を交えて描く。視聴者を魅了し、リメイク版も制作された人気作。
基本情報
- 邦題:デスパレートな妻たち
- 原題:Desperate Housewives
- ジャンル:コメディ、ミステリー
- 放送期間:2004年10月3日~2012年5月13日
- 国・地域:米国
- 言語:英語
- シーズン数:8
- 話数:180
- 放送チャンネル:ABC
- 映像形式:480i (SDTV):1080i (HDTV)
女優の活躍
『デスパレートな妻たち』は、主要な女性キャストの演技が作品の成功に大きく貢献しました。以下に主要女優の活躍を紹介します。
- テリー・ハッチャー(スーザン・デルフィーノ役):スーザン役で天然でおっちょこちょいなキャラクターを魅力的に演じ、2005年のゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のボンドガール役で知られ、本作で再び注目を集めました。彼女のコミカルな演技と感情豊かなシーンが視聴者の共感を呼びました。
- フェリシティ・ハフマン(リネット・スカーボ役):元キャリアウーマンのリネットを演じ、子育てと家庭の両立に奮闘する姿をリアルに表現。2005年のエミー賞主演女優賞を受賞し、演技力が高く評価されました。『トランスアメリカ』でもゴールデングローブ賞を受賞するなど、多才な女優として活躍。
- マーシア・クロス(ブリー・バン・デ・カンプ役):完璧主義者のブリーを演じ、カリスマ主婦の表と裏を見事に描写。本作で一躍有名になり、シーズン3の撮影中に双子を妊娠・出産するも、最終話で復帰するプロ意識を見せました。彼女の洗練された演技がキャラクターに深みを与えました。
- エヴァ・ロンゴリア(ガブリエル・ソリス役):元トップモデルのガブリエルを演じ、華やかで物質主義的な女性像を魅力的に表現。2005年と2006年に「HOTな女性」1位に選ばれ、スター性を発揮。本作でブレイクし、その後もプロデューサーとして活躍するなど、多方面で才能を発揮。
- ニコレット・シェリダン(イーディ・ブリット役):セクシーで大胆なイーディを演じ、物語にスパイスを加えました。彼女の率直なキャラクターがドラマに緊張感とユーモアをもたらし、視聴者に強い印象を残しました。
- ブレンダ・ストロング(メアリー・アリス・ヤング役):ナレーターとして全シーズンに出演し、物語を導く重要な役割を担いました。回想シーンでの演技も印象的で、ミステリアスな雰囲気を作り出しました。
- ダナ・デラニー(キャサリン・メイフェア役):シーズン4から登場し、ブリーと対抗する家事上手な主婦を演じました。彼女の複雑なキャラクター造形が物語に新たな深みを加えました。
- ヴァネッサ・ウィリアムズ(レネ・ペリー役):シーズン7から登場し、リネットの大学時代の友人として物語に新風を吹き込みました。セレブなキャラクターを魅力的に演じ、ドラマに華を添えました。
女優の衣装・化粧・髪型
『デスパレートな妻たち』では、女優たちの衣装、化粧、髪型が各キャラクターの個性を際立たせ、視覚的な魅力となっています。
- スーザン・デルフィーノ(テリー・ハッチャー):カジュアルで親しみやすいスタイルが特徴。ジーンズやカットソーなど、日常的な服装が多く、ナチュラルメイクで柔らかい印象を強調。髪型はゆるやかなウェーブのロングヘアで、天然キャラを表現。
- リネット・スカーボ(フェリシティ・ハフマン):忙しい母親らしい実用的な服装。カジュアルなシャツやパンツスタイルが中心で、化粧は控えめ。髪型はショートカットやボブで、活動的な性格を反映。
- ブリー・バン・デ・カンプ(マーシア・クロス):上品でクラシックなスタイル。パステルカラーのドレスやスカートスーツ、完璧に整ったメイクと赤い髪をタイトにまとめたアップスタイルが特徴。完璧主義者のイメージを強調。
- ガブリエル・ソリス(エヴァ・ロンゴリア):元モデルらしい華やかなファッション。デザイナーブランドのタイトなドレスやハイヒール、鮮やかなメイクとゴージャスなロングヘアが特徴。セクシーで派手なスタイルが彼女の魅力を引き立てます。
- イーディ・ブリット(ニコレット・シェリダン):セクシーで大胆な衣装。タイトなトップスやミニスカート、濃いアイメイクとブロンドのロングヘアで、男を惹きつけるキャラクターを表現。
- メアリー・アリス・ヤング(ブレンダ・ストロング):ナレーターとして登場する回想シーンでは、シンプルで上品なドレスや控えめなメイク、ナチュラルな髪型で、穏やかな主婦像を演出。
- キャサリン・メイフェア(ダナ・デラニー):ブリーに似たエレガントなスタイル。シックなワンピースやジャケット、洗練されたメイクとショートヘアで、知的で落ち着いた印象。
- レネ・ペリー(ヴァネッサ・ウィリアムズ):高級感のあるセレブスタイル。豪華なドレスやアクセサリー、濃いメイクとスタイリッシュなヘアスタイルで、自信に満ちたキャラクターを表現。
あらすじ
『デスパレートな妻たち』は、米国の架空の町フェアビュー市のウィステリア通りを舞台に、4人の主婦を中心に展開するドラマです。物語は、彼女たちの友人メアリー・アリス・ヤングが自殺する衝撃的なシーンから始まります。スーザン、リネット、ブリー、ガブリエルの4人は、メアリーの死の真相を探る中で、それぞれの家庭や個人的な秘密が明らかに。スーザンはシングルマザーとして恋愛に奮闘し、リネットは子育てとキャリアの両立に苦悩。ブリーは完璧な家庭を維持しようと努力し、ガブリエルは物質的な生活と不倫に揺れます。シーズンを通じて、殺人、裏切り、不倫、家族問題など、様々な事件が絡み合い、4人の友情と葛藤が描かれます。最終シーズンでは、ガブリエルの義父の殺害隠蔽が物語の中心となり、彼女たちの絆と秘密が試されます。
解説
『デスパレートな妻たち』は、サスペンス、ミステリー、コメディ、ロマンスを融合させたユニークな作品です。郊外の閑静な住宅街という設定で、一見完璧に見える主婦たちの裏に隠された秘密や葛藤を描き、視聴者に共感と驚きを提供しました。物語はメアリー・アリスのナレーションで進行し、彼女の視点から住民たちの人生を俯瞰的に描くスタイルが特徴的。コメディ要素が強い一方で、殺人や裏切りといったシリアスなテーマも織り交ぜ、軽快さと緊張感のバランスが絶妙です。シーズン1の平均視聴者数は約2370万人、最終話では3000万人以上を記録し、「The Awards Show Killers」の異名を取るほどの人気を博しました。アルゼンチンやコロンビアでのリメイク版の制作や、エミー賞、ゴールデングローブ賞の受賞など、国際的な評価も高い。女性の友情、家族、キャリア、恋愛といった普遍的なテーマが、極端な状況下で描かれることで、視聴者に深い共感を呼びました。また、ウィステリア通りの「ウィステリア(藤)」という名前が持つ「恋に酔う」という花言葉が、登場人物たちの情熱的な人生を象徴しています。
シーズン解説
『デスパレートな妻たち』(原題:Desperate Housewives年)は、2004年から2012年までアメリカで放送された人気ドラマシリーズです。舞台は架空の郊外ウィステリア・レーンで、4人の主婦を中心とした人間関係、秘密、謎、そしてドラマチックな出来事が描かれています。コメディ、ドラマ、サスペンス、ミステリーが絶妙に融合した作品で、シーズンごとに異なるテーマや謎が展開されます。以下では、全8シーズンの概要を簡潔に解説いたします。
シーズン1(2004年~2005年)
ウィステリア・レーンに住む主婦たちの生活が、友人のメアリー・アリス・ヤングの突然の自殺をきっかけに動き出します。スーザン・メイヤー、ガブリエル・ソリス、リネット・スキャボ、ブリー・ヴァン・デ・カンプの4人の主婦が中心となり、彼女たちの家庭や恋愛、秘密が描かれます。メアリー・アリスの自殺の理由を探るミステリーが物語の軸となり、彼女の過去や家族の秘密が徐々に明らかになります。シーズン1は、キャラクター紹介とウィステリア・レーンという閉鎖的なコミュニティの複雑な人間関係を確立するシーズンです。
シーズン2(2005年~2006年)
新たな住人ベティ・アップルホワイトとその息子マシューの登場により、新たな謎が展開します。ベティの家族が抱える暗い秘密が物語の中心となり、シーズン1のミステリーの余波も続きます。スーザンは恋愛模索、リネットは仕事と家庭の両立、ガブリエルは結婚生活の危機、ブリーは家族崩壊の危機に直面します。サスペンス要素が強まり、キャラクターの心理的な葛藤が深く掘り下げられます。
シーズン3(2006年~2007年)
このシーズンでは、ブリーの新たな結婚やガブリエルの離婚、スーザンの恋愛、リネットの家族問題が中心です。新キャラクターのオーソン・ホッジが物語に大きく関わり、彼の過去にまつわるミステリーが展開します。また、ウィステリア・レーンに新たな住人が登場し、住民たちの秘密がさらに複雑に絡み合います。シーズン3は、個々のキャラクターの成長と、コミュニティ全体を揺るがす事件が描かれます。
シーズン4(2007年~2008年)
シーズン4は、キャサリン・メイフェアという新たな主婦の登場で始まります。彼女とその家族がウィステリア・レーンに引っ越してくることで、新たな秘密とドラマが持ち込まれます。スーザンは新たな結婚生活、リネットは健康問題、ガブリエルは再び恋愛の渦中、ブリーは家族の秘密を守るために奮闘します。このシーズンは、全米脚本家組合のストライキの影響でエピソード数が短縮されましたが、密度の濃いストーリー展開が特徴です。
シーズン5(2008年~2009年)
物語は5年後のウィステリア・レーンに飛び、キャラクターたちの生活が大きく変化しています。スーザンは新たな関係、リネットは子育ての課題、ガブリエルは経済的困窮、ブリーはキャリアの成功と向き合います。新たな謎として、デイヴ・ウィリアムズというキャラクターが登場し、彼の復讐計画が物語を牽引します。過去と現在の対比を通じて、キャラクターの成長や変化が強調されます。
シーズン6(2009年~2010年)
新たな住人アンジー・ボレンとその家族が登場し、彼らの過去にまつわるミステリーが展開します。スーザンとマイクの結婚、リネットの妊娠、ガブリエルの家庭問題、ブリーの不倫など、各主婦の個人的なドラマが進行します。また、ウィステリア・レーンを襲う連続事件がサスペンスを盛り上げます。このシーズンは、家族の絆や裏切りがテーマとして強く描かれます。
シーズン7(2010年~2011年)
ポール・ヤングの帰還が物語の中心となり、彼の新たな計画がウィステリア・レーンを揺さぶります。スーザンは経済的困窮、ガブリエルは過去のトラウマ、リネットは家庭の変化、ブリーは新たな恋愛に直面します。過去の出来事が再び浮上し、キャラクターたちの絆が試されます。シーズン7は、過去と現在のつながりを強調するストーリーが特徴です。
シーズン8(2011年~2012年)
最終シーズンでは、主要キャラクターたちが過去の事件の秘密を共有し、その影響に直面します。スーザンの新たな旅、リネットの結婚危機、ガブリエルの仕事と家庭、ブリーの精神的な葛藤が描かれます。ウィステリア・レーンでの最後のミステリーが展開し、キャラクターたちの物語が完結します。感動的で満足感のあるフィナーレが、シリーズ全体のテーマである友情と秘密を締めくくります。
総括
『デスパレートな妻たち』は、郊外の美しい街並みの裏に隠された人間ドラマとサスペンスを描いた作品です。各シーズンごとに新たなミステリーが導入され、キャラクターたちの成長や変化が丁寧に描かれています。コメディとシリアスな展開のバランスが絶妙で、視聴者を引き込む魅力があります。全8シーズンを通じて、友情、家族、秘密、裏切り、そして赦しがテーマとして一貫しており、現代社会の複雑な人間関係を反映した作品として高く評価されています。
キャスト
- スーザン・デルフィーノ:テリー・ハッチャー(吹き替え:萬田久子)
- リネット・スカーボ:フェリシティ・ハフマン(吹き替え:唐沢潤)
- ブリー・バン・デ・カンプ:マーシア・クロス(吹き替え:渡辺美佐)
- ガブリエル・ソリス:エヴァ・ロンゴリア(吹き替え:日野由利加)
- イーディ・ブリット:ニコレット・シェリダン(吹き替え:安達忍)
- メアリー・アリス・ヤング:ブレンダ・ストロング(吹き替え:小山茉美)
- キャサリン・メイフェア:ダナ・デラニー(吹き替え:野沢由香里)
- レネ・ペリー:ヴァネッサ・ウィリアムズ(吹き替え:五十嵐麗)
- マイク・デルフィーノ:ジェームズ・デントン
- カルロス・ソリス:リカルド・アントニオ・チャビラ
- トム・スカーボ:ダグ・サヴァント
- ポール・ヤング:マーク・モーゼス
- オーソン・ホッジ:カイル・マクラクラン
- ジュリー・メイヤー:アンドレア・ボーウェン
- カレン・マクラスキー:キャスリン・ジューステン
ゲスト出演
- ジュリア・キャンベル…ミュリエル役(2007年)
- レスリー・アン・ウォーレン…ソフィー・ブレマー役(2005年)
- シャロン・ローレンス…(2004年)。ピンヒールでレックス・ヴァン・デ・カンプの背中を横切るドミナトリクスを演技。
スタッフ
- 原案・製作総指揮:マーク・チェリー
- 製作総指揮:トム・スペツィアリー(シーズン1~2)、マイケル・エデルスタイン(シーズン1~2)、ジョー・ケナン(シーズン3)、ジョージ・W・パーキンス(シーズン3~4)、ボブ・デイリー(シーズン4)、ケヴィン・マーフィー(共同製作者)
- 監督:チャールズ・マクドゥガル(パイロット)、ラリー・ショウ、アーリーン・サンフォード、ジェフ・メルマン他
- 脚本:マーク・チェリー、トム・スペジアリー、アレクサンドラ・カニンガム、オリヴァー・ゴールドスティック他
- 音楽:ダニー・エルフマン(テーマ曲)、スチュワート・コープランド、スティーヴ・バーテック、スティーヴ・ジャブロンスキー
- 製作:Cherry Alley Productions、Cherry Productions、ABCスタジオ
- 撮影地:カリフォルニア州ロサンゼルス
レビュー 作品の感想や女優への思い