殺しのドレス

この記事のうち「見どころ」には若干の誇張表現があります。

美女に迫る剃刀の刃!

異常心理を題材にしたサスペンススリラーの傑作。

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殺しのドレス

  • 邦題:殺しのドレス
  • 原題:DRESSED TO KILL
  • 公開年:1980年
  • 製作国:米国
  • 上映時間:105分
  • ジャンル:ホラー

予告編はこちら。

見どころ

ブライアン・デ・パルマ監督が名作『サイコ』をモチーフに描いた異色作。流麗なカメラワークと大仰な演出で見せるスリリングな展開と官能的なシーンに心奪われます。

あらすじ

性的欲求に悩まされていた人妻のケイトは、美術館で出会った男性と行きずりの情事を楽しんだ後、何者かによって惨殺されてしまいます。

それを偶然目撃したコールガール(娼婦)のリズは、ケイトの息子ピーターと組んで事件の謎を追うことになりましたが…。

感想

感情障害や不適応の兆候がある人たちが患者として精神科医のもとを訪ねます。

なかには、今でいう性同一性障害、映画では性倒錯者とわれる人たちもいて、性欲や性向に悩むことがちょくちょく。映画では性転換手術を受けると性倒錯の問題は打開できると説明されていました。

また、手術までいかずとも、女性ホルモンや男性ホルモンを投与する方法も議論していて、セクシーな場面を散りばめながらも、ジェンダーを考えるきっかけをきちんと提供してくれます。

ファム・ファタル

公開当時のポスターに描かれた、ガーターストッキングを穿く横アングルの場面は出てこず。

娼婦リズ・ブレイク(ナンシー・アレン)

ガーター・ストッキングをベースに黒で統一したランジェリー姿で精神科医を誘惑する場面が長く、一瞬、ストッキング越しのつま先まで拝めました。

人妻ケイト・ミラー(アンジー・ディッキンソン)

1970年代のザ人妻アメリカ人。ふわっとしたパーマ仕立てのブロンド髪、太めの眉毛、膝丈のスーツ。

一緒にいるだけで駆り立てられているようなファッションを堪能できますが、登場時間はさほど多くなく残念。

トリビア

若い頃、脚本・監督のブライアン・デ・パルマは母親の勧めで父親を尾行し、録音機を使って父親が他の女性といるところを捕まえようとしました。その出来事がこの映画のきっかけとなりました。

ケイト・ミラー

ケイト・ミラーが着用のするグローブはイソトナー。

ケイトのシャワー場面では、ボディ・ダブルが使われました。映画が公開された当初、プロデューサーたちは当時48歳だったアンジーに自分の身体だと主張するよう勧めた。しかし、すぐに実際はヴィクトリア・ジョンソンだったことが判明。ヴィクトリアは、シャワー場面のアンジーのボディ・ダブルとしてクレジットを載せないよう志願。また、アンジーは赤毛なので、陰毛をブロンドに染めなければなりませんでした。

アンジーと美術館の謎の男とがいちゃつく場面は9分近くも続き、その間台詞は一切ありません。

批評家たちは、アンジーのお堅い主婦ケイト・ミラーの演技が大好きで、ナンシー・アレンの生意気なコールガール、リズ・ブレイクの演技は大嫌いだったようだ。多くの批評家は、アンジーの悲劇的な演技がオスカーにノミネートされなかったのに対し、ナンシーはその年のラジー賞のワースト演技賞にノミネートされたことを公然と不思議がりました。これは、観客が(当時は)被害者な役柄ではなく、英雄的な役柄の女性をより受け入れていたことと関係があるかもしれません。

リズ・ブレイク

リズ・ブレイクを演じるナンシー・アレンは、この時代のスクリーム・クイーンに君臨する一人。

ロバート・エリオット医師の留守番電話に、ボビーがリズを2度もビッチ呼ばわりします。

リズは、客を都市名で呼び、そこから株のヒントを得るコールガール。『The Most Crucial Game』(刑事コロンボ、1971年)ではヴァレリー・ハーパーがイヴ・バブコックを演じている(可能性のある)コールガールは、依頼人を都市名で呼び、コロンボが刑事であると名乗ると、依頼人は相談に来た銘柄について後で連絡すると告げます。

キャスト

登場人物 出演者
ロバート・エリオット博士 マイケル・ケイン
ケイト・ミラー アンジー・ディキンソン
リズ・ブレイク ナンシー・アレン
ピーター・ミラー キース・ゴードン
マリノ刑事 デニス・フランシス
レヴィ博士 デビッド・マルグリーズ
ウォーレン・ロックマン ケン・ベイカー
ベティ・ルース スザンナ・クレム
クリーブランド・サム ブランドン・マグガート
掃除の女 アマリー・コリアー
レストランの女性 メアリー・ダベンポート
看護師 アネカ・ディ・ロレンツォ
テッド ノーマン・エヴァンス
シャワーの男 ロビー・L・マクダーモット
チェイス・キャビー ビル・ランドルフ
博物館のタクシー運転手 ショーン・オリン
マイク・ミラー フレッド・ウェーバー
地下鉄警官 サム・アート・ウィリアムズ
フード#1 ロバート・リー・ラッシュ
フード#2 アンソニー・ボイド・スクライブン
フード#3 ロバート・マクダフィー
フード#4 フレデリック・サンダース
TVレポーター ポール・デセグリー
ボビー(声) ウィリアム・フィンリー
(クレジットなし) ウェンデル・ハウザー
エレベーターの少女 エリカ・カッツ
ベルビュー病院の患者 マーク・マーゴリス
博物館の少女 リサ・ペルーソ
ビルのテナント ジェリー・シュラム

スタッフ

担当 担当者
衣装デザイン ゲイリー・ジョーンズ
衣装デザイン アン・ロス
男性衣装 グレッグ・ファウス
女性衣装 アルバ・シパリ
メイクアップ ジョー・クランザーノ
ヘアスタイル ボブ・グリマルディ
特殊メイク ロバート・ラディン
メイクアップ ケイン氏 トニー・ロイド

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