『Hand of God 神の手が触れた日』は、2021年公開のイタリア映画。1980年代のナポリを舞台に、少年ファビエット・シーザが家族の温かな日常、ディエゴ・マラドーナの到来、そして突然の悲劇を通じて成長する半自伝的ドラマです。パオロ・ソレンティーノ監督が自身の青春体験を基に、運命、家族の絆、喪失の痛み、映画への情熱を描きます。鮮やかな映像美と情感豊かな人間描写が魅力の作品です。
基本情報
- 邦題:Hand of God 神の手が触れた日
- 原題:È stata la mano di Dio
- 英題:The Hand of God
- 公開年:2021年
- 製作国・地域:イタリア共和国
- 上映時間:130分
- ジャンル:ドラマ
『Hand of God -神の手が触れた日-』ティーザー予告編 – Netflix
女優の活躍
テレサ・サポナンジェロ
テレサ・サポナンジェロは、マリア・シーザ役を演じています。ファビエットの母親として、明るくいたずら好きで家族を愛する女性を生き生きと表現します。実用的ジョークを交えたり、ジャグリングを披露したりするコミカルな演技と、深い母性愛が融合した自然な演技が評価されています。家族の危機や夫の不倫発覚時の複雑な感情も繊細に描き、観客に強い印象を残します。本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の助演女優賞を受賞するなど、活躍が際立ちます。
ルイーザ・ラニエーリ
ルイーザ・ラニエーリは、パトリツィア役で存在感を発揮します。マリアの妹で、夫からの虐待に苦しむ魅力的な女性を演じます。妄想的なエピソードや精神的な脆さを体現し、家族に与える影響を深く表現します。美しさと脆弱さが共存する演技は、ファビエットの成長に重要な役割を果たします。挑発的で感情豊かなシーンが多く、物語の緊張感を高めています。
女優の衣装・化粧・髪型
『Hand of God 神の手が触れた日』の衣装は、1980年代のナポリの日常を忠実に再現したものです。衣装デザイナーはマリアーノ・トゥファーノで、時代を反映したカラフルで表情豊かなスタイルが特徴です。
テレサ・サポナンジェロ演じるマリアの衣装は、家庭的なドレスやカジュアルなブラウスが多く、明るい色合いが母親らしい温かさを強調します。化粧はナチュラルで日常的、髪型は肩くらいの長さで軽くウェーブがかかり、80年代らしいボリュームのあるまとめ髪が印象的です。活発な性格を表す動きやすい服装が目立ちます。
ルイーザ・ラニエーリ演じるパトリツィアの衣装は、挑発的でボリュームのあるトップスやタイトなスカート、ビキニ姿のシーンもあり、ソフィア・ローレン風のグラマラスさを際立たせます。化粧は目元を強調した華やかなメイクで、髪型はロングヘアをふんわりスタイリングした80年代らしい豪華で硬めのセットが特徴です。ヌードサンベッディングなどのシーンでは、自然な美しさが強調されます。
あらすじ
1984年のナポリで、ファビエット・シーザは両親のサヴェリオとマリア、兄マルキーノとともに賑やかな家族生活を送っています。叔母パトリツィアが夫から虐待を受けている問題や、兄の俳優オーディション失敗、父の不倫発覚など家族に波乱が訪れます。そんな中、ディエゴ・マラドーナがナポリに加入し、街全体が熱狂します。ファビエットはサッカーとマラドーナに夢中になります。
両親は和解し、家族でロッカラーソの別荘を購入します。ある週末、両親が別荘へ出かけますが、ファビエットはマルadonaの試合を見るために同行を断ります。その夜、別荘で一酸化炭素中毒により両親が亡くなる悲劇が起きます。ファビエットはマラドーナの試合のおかげで難を逃れ、「神の手」によって救われたと感じます。
喪失の痛みに苦しむファビエットは、叔母パトリツィアが精神科病院に入院していることを知り、面会します。パトリツィアはサン・ジェンナーロとムナチェッロとの出会いで奇跡的に妊娠したものの、虐待で流産した体験を語ります。ファビエットは隣人のバロネス・フォカーレとの出会いや密輸業者アルマンドとの交流、女優ユリアとの触れ合いを通じて成長します。
映画監督アントニオ・カプアーノの助言を受け、ファビエットはナポリの物語を抱えてローマへ旅立ちます。ナポリが初のリーグ優勝を果たす中、ファビエットは新たな人生を歩み始めます。
解説
『Hand of God 神の手が触れた日』はパオロ・ソレンティーノ監督の半自伝的作品で、自身の家族の悲劇と青春を基に制作されました。フェデリコ・フェリーニの「アマルコルド」に似たノスタルジックで幻想的なスタイルが特徴です。マラドーナの「神の手」ゴールをモチーフに、運命の不可思議さと家族の絆、喪失からの再生を描きます。
ナポリの活気ある街並み、家族のユーモア、喪失の痛みが鮮やかに交錯します。映画への情熱がテーマの中心で、ファビエットの成長は監督自身の映画監督への道筋を象徴します。映像はダリア・ダントニオの撮影により、鮮やかな色彩とダイナミックな構図が美しく、80年代のファッションや音楽も時代感を高めています。
批評家から高評価を得て、ヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞、フィリッポ・スコッティが新人賞、テレサ・サポナンジェロが助演女優賞を獲得しました。アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど、国際的に注目されました。喜びと悲しみが織りなす人生の複雑さを、ユーモアを交えて描く点が魅力です。
キャスト
- ファビエット・シーザ : フィリッポ・スコッティ
- サヴェリオ・シーザ : トニ・セルヴィッロ
- マリア・シーザ : テレサ・サポナンジェロ
- マルキーノ・シーザ : マーロン・ジュベール
- パトリツィア : ルイーザ・ラニエーリ
- フランコ : マッシミリアーノ・ガッロ
- アルフレード : レナート・カルペンティエーリ
- バロネス・フォカーレ : ベッティ・ペドラッツィ
- アルマンド : ビアジョ・マンナ
- ユリア : ソフィア・ゲルシェヴィッチ
- アントニオ・カプアーノ : チーロ・カパーノ
スタッフ
- 監督・脚本・製作 : パオロ・ソレンティーノ
- 製作 : ロレンツォ・ミエーリ
- 撮影 : ダリア・ダントニオ
- 編集 : クリスティアーノ・トラヴァリオーリ
- 音楽 : レレ・マルキテッリ
- プロダクション・デザイン : カルミーネ・グアリーノ
- 衣装デザイン : マリアーノ・トゥファーノ
- キャスティング : マッシモ・アッポッローニ



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