エル・ファニング(Elle Fanning)は米国の女優。身長175cm。姉は女優のダコタ・ファニング。2歳でデビューし、『マレフィセント』のオーロラ姫役などで知られる。インディペンデント映画から大作まで幅広く活躍し、エミー賞やゴールデン・グローブ賞にノミネートされた実力派。
プロフィール
- 名前:エル・ファニング(Elle Fanning)
- 本名:Mary Elle Fanning
- 生年月日:1998年4月9日(27歳)
- 出生地:米国ジョージア州コンヤーズ
- 職業:女優
- ジャンル:TV、映画など
- 活動期間:2001年〜
- 著名な家族:ダコタ・ファニング(姉)
生い立ち・教育
エル・ファニングは、1998年4月9日、米国ジョージア州コンヤーズに生まれました。父親のスティーヴ・ファニングは元マイナーリーグ野球選手で、現在は電子機器会社のセールスマンとして働いています。母親のジョイ・ファニング(旧姓アリントン)は元テニス選手で、母方の祖父は元アメリカンフットボール選手のリック・アリントン、叔母はESPNリポーターのジル・アリントンという、スポーツとメディアに縁のある家庭で育ちました。彼女の家系はドイツ系とアイルランド系の血を引いており、多様な文化的背景が彼女の個性に影響を与えています。姉のダコタ・ファニングも女優として早くから成功を収めており、エルにとって大きな影響を与える存在でした。
幼少期は姉の仕事に同行することが多く、姉の撮影現場で演技の世界に触れる機会が多かったようです。教育面では、具体的な学歴の詳細は公表されていませんが、子役として多忙なスケジュールをこなしながらも、ホームスクーリングやプライベートチューターによる教育を受けたと考えられます。エルはインタビューで、姉のダコタと異なるアプローチで演技に臨むと述べており、自己表現や創造性を重視する姿勢が若い頃から育まれました。彼女は本を読むことが好きで、役作りにおいても内省的なアプローチを取ることが多いと語っています。
経歴
エル・ファニングは2歳8か月で芸能活動を開始し、2001年のTV番組『TAKEN』および映画『アイ・アム・サム』で姉ダコタの幼少期の役を演じ、女優デビューを果たしました。2002年には『チャーリーと14人のキッズ』で姉とは異なる役柄を獲得し、子役としてのキャリアを本格化させます。2004年の『ドア・イン・ザ・フロア』では、ジェフ・ブリッジスやキム・ベイシンガーと共演し、その演技力がプロデューサーや共演者から高く評価され、アメリカでの知名度を上げました。特に、プロデューサーが当初予定していた一卵性双生児の子役の起用を取りやめ、エル一人に役を任せたエピソードは、彼女の才能の証です。
2004年にはスタジオジブリの『となりのトトロ』の英語吹き替え版でメイの声を担当し、声優としても才能を発揮。2006年には『バベル』でブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの娘役を演じ、アカデミー賞受賞作での経験を積みました。同年、『The Nines』や『デジャヴ』、TV番組『Dr.HOUSE』や『The Lost Room』に出演し、映画とテレビの両方で活躍。2007年の『帰らない日々』や2009年の『くるみ割り人形』で主演を務め、子役から主演女優への転身を果たしました。
2010年代に入ると、ソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』(2010年)やJ・J・エイブラムス監督の『SUPER 8』(2011年)で準主役を務め、批評家から高い評価を受けます。2014年のディズニー映画『マレフィセント』ではアンジェリーナ・ジョリー演じるマレフィセントの相手役、オーロラ姫を演じ、広く知られるようになりました。この役は2019年の続編『マレフィセント2』でも再演。2016年にはニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ネオン・デーモン』で主演を務め、カンヌ国際映画祭で注目を集めました。
TVでは、2020年から2023年までHuluの歴史コメディ番組『THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~』でロシアの女帝エカチェリーナ2世を演じ、ゴールデング・ローブ賞やエミー賞にノミネートされるなど高い評価を受けました。2022年にはHuluのミニ番組『The Girl from Plainville』でミシェル・カーターを演じ、2023年にはブロードウェイデビュー作『Appropriate』でサラ・ポールソンらと共演。2025年にはボブ・ディランを描いた映画『名もなき者 / A COMPLETE UNKNOWN』でスージー・ロトロを基にした役を演じ、キャリアの幅をさらに広げています。
また、ファッション界でも注目され、2011年にマーク・バイ・マーク・ジェイコブスのキャンペーンモデルに起用されたほか、カルティエのグローバル・アンバサダーにも就任。カンヌ国際映画祭やゴールデング・ローブ賞でのレッドカーペットルックも話題を呼び、ファッションアイコンとしての地位も確立しています。
私生活
エル・ファニングは私生活を比較的プライベートに保ちつつも、姉のダコタとの強い絆を公に語っています。両親は2018年に離婚しましたが、エルとダコタは家族との関係を大切にしており、特に姉妹の共演を望む発言をたびたびしています。2023年末からローリングストーン誌のCEO、ガス・ウェナーとの交際が報じられ、2024年のゴールデング・ローブ賞でレッドカーペット・デビューを果たしました。
彼女はインタビューで、好奇心旺盛で新しい挑戦を楽しむ性格を明かしており、演技だけでなくプロデュース業にも進出。ニコール・キッドマンと共同で製作するドラマ番組『Margo’s Got Money Troubles』に主演予定です。また、ボブ・ディランのファンであり、彼の伝記映画への出演を特別な経験と語っています。趣味としては読書や音楽鑑賞を挙げ、役作りにおいても内省的なアプローチを好むと述べています。
出演作品
- アイ・アム・サム(2001年、ルーシーの幼少期役)
- チャーリーと14人のキッズ(2002年、ジェイミー役)
- ドア・イン・ザ・フロア(2004年、ルース・コール役)
- となりのトトロ(2004年、英語吹き替え版、メイ役)
- バベル(2006年、デビー役)
- デジャヴ(2006年、アビー役)
- 帰らない日々(2006年、主演:エマ・ラーナー役)
- フィービー・イン・ワンダーランド(2007年、フィービー役)
- ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年、デイジーの幼少期役)
- くるみ割り人形(2009年、メアリー役)
- SOMEWHERE(2010年、クレオ役)
- SUPER 8(2011年、アリス・デイナード役)
- マレフィセント(2014年、オーロラ姫役)
- ヤング・ワンズ(2014年、メアリー・ホルム役)
- 夜に生きる(2015年、ロレッタ・フィギス役)
- トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年、ニコラ・トランボ役)
- ネオン・デーモン(2016年、ジェシー役)
- 20センチュリー・ウーマン(2016年、ジュリー役)
- The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ(2017年、アリシア役)
- メアリーの総て(2017年、メアリー・シェリー役)
- ガルヴェストン(2018年、ロッキー役)
- マレフィセント2(2019年、オーロラ姫役)
- レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2020年、アシュレー役)
- 最高に素晴らしいこと(2020年、ヴァイオレット役)
- THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~(2020-2023年、エカチェリーナ2世役)
- The Girl from Plainville(2022年、ミシェル・カーター役)
- Appropriate(2023年、ブロードウェイ、リヴァー役)
- 名もなき者 / A COMPLETE UNKNOWN(2025年、シルヴィ・ルッソ役)
- プレデター:バッドランド(2025年、公開予定)
レビュー 作品の感想や女優への思い