[PR]お買い物なら楽天市場

花と蛇

「見どころ」にPR表現を含みます。
上流階級婦人が異常なプレイに堕ちていくさまを描く、日活ロマンポルノの代表作。

1974年公開の映画『花と蛇』は、団鬼六のSM小説を原作とした日活ロマンポルノ作品です。谷ナオミ主演で、性倒錯の世界を妖艶に描き、緊縛師・有末剛の監修による本格的なSM描写が話題となりました。監督は小沼勝、脚本は田中陽造で、74分のカラー作品です。

スポンサーリンク

見どころ

官能小説の大家・団鬼六の代表作を「SMの女王」こと谷ナオミ主演で映画化。「最後の忠臣蔵」の田中陽造による脚本は、母からの自立を描き、SMだけに終始せず意外と深い。

スポンサーリンク

女優の活躍

谷ナオミは、1974年の映画『花と蛇』で主演を務め、「SMの女王」としてその名を確立しました。彼女は日活ロマンポルノの看板女優として、1970年代の成人映画界で圧倒的な存在感を示しました。本作以前にもSMをテーマにしたピンク映画に出演していましたが、日活が本格的なSM作品に挑戦するにあたり、彼女の出演が条件だったと言われています。 谷ナオミは、団鬼六の原作に忠実な過激な緊縛シーンに体当たりで挑み、観客を魅了しました。彼女の表現力は、苦痛と快楽が交錯する複雑な感情を繊細に演じ分け、特に恍惚の表情や呻き声がリアルで、視聴者に強い印象を与えました。レビューでも「谷ナオミの妖艶な肢体」が称賛され、彼女の演技は映画全体の官能的な雰囲気を高める要因となりました。 また、彼女のキャリアは本作以降も『縄と皮』や『団鬼六 縄地獄』など、SMをテーマにした作品でさらに開花し、後の女優たちに多大な影響を与えました。2023年に監督の小沼勝が亡くなった際も、谷ナオミとの名コンビが再評価されるなど、その活躍は今なお語り継がれています。

女優の衣装・化粧・髪型

谷ナオミの衣装は、映画のSMテーマを強調するものが中心でした。劇中では、緊縛シーンに合わせて露出度の高い衣装や、緊縛用の縄が映えるシンプルな下着姿が多用されました。特に、彼女の豊満な体型を際立たせる白いランジェリーや、黒いガーターストッキングが印象的で、視覚的に強いインパクトを与えました。緊縛師・有末剛の監修により、縄の結び目が美しく映えるよう計算された衣装選びがなされ、芸術性と官能性を両立させていました。

化粧については、1970年代のロマンポルノらしい濃いメイクが特徴です。谷ナオミは、赤やピンク系の口紅と、目元を強調するアイラインやシャドウで、妖艶さを際立たせました。肌は白く輝くよう仕上げられ、緊縛による赤い縄の痕とのコントラストが視覚的な効果を高めていました。

髪型は、ゆるくウェーブのかかったロングヘアが基本で、緊縛シーンでの乱れ髪が彼女の被虐的な美しさを引き立てました。シーンによっては、髪を無造作に束ねたり、解いたりすることで、キャラクターの心理的変化を表現。特に、静 Hawkins、快楽へと変貌する静子の姿を象徴的に描いています。

あらすじ

一流企業に勤める誠(石津康彦)は、幼少期のトラウマから緊縛写真でしか性的興奮を得られない性倒錯者です。母・美代(藤ひろ子)は、戦後、米兵を相手に娼婦として働き、誠を育て上げました。ある日、誠は社長・遠山千造(坂本長利)に呼ばれ、彼の妻・静子(谷ナオミ)の「教育」を依頼されます。千造は静子の性的拒絶に悩んでおり、誠は彼女をベッドに縛り付け、調教を開始します。最初は抵抗する静子ですが、次第に緊縛の快楽に目覚め、恍惚の表情を見せるようになります。物語は、誠の内面的葛藤と静子の変貌を通じて、SMの世界の深淵を描き出します。

解説

『花と蛇』は、団鬼六の同名SM小説を原作とし、日活ロマンポルノ初の本格的SM作品として知られています。1974年6月22日に公開され、団鬼六の原作の妖しい世界観を忠実に再現しつつ、監督・小沼勝の演出により、芸術性とエロティシズムが融合した作品となりました。 映画は、性倒錯というタブーに挑戦しつつ、コミカルな要素も織り交ぜ、観客に異様な興奮と同時に軽妙な余韻を提供します。レビューでは「下品な描写が多いのにコメディタッチで鑑賞後ににこやかになる」と評されるなど、単なる成人映画を超えたエンターテインメント性が特徴です。

本作は、日活が経営難を乗り越えるために始めたロマンポルノ・シリーズの転換点となり、SMジャンルの先駆けとして後続の作品に影響を与えました。谷ナオミの演技と有末剛の緊縛技術が融合し、視覚的・心理的に強烈な印象を残す作品として、公開当時から話題を呼びました。 また、音楽や効果音(特に浣腸シーンのSE)が独特で、観客の想像力を刺激する演出が施されています。

キャスト

  • 谷ナオミ(遠山静子役):本作のヒロイン。SMの女王として、緊縛と調教の過程で変貌する女性を熱演。
  • 石津康彦(誠役):トラウマを抱える主人公。内面的な葛藤を表現。
  • 坂本長利(遠山千造役):静子の夫で、彼女の調教を依頼する社長。
  • 藤ひろ子(美代役):誠の母。戦後の過酷な過去を持つ。

ほかにあべ聖、八代康二、高橋明らが脇役として物語を支える。

スタッフ

  • 監督:小沼勝(『ロスト・ラブ/あぶら地獄』などロマンポルノの名匠)
  • 原作:団鬼六(SM文学の第一人者)
  • 脚本:田中陽造(『実録エロ事師たち・巡業花電車』)
  • 撮影:安藤庄平
  • 編集:鈴木晄
  • 音楽:真鍋理一郎
  • 美術:横尾嘉良
  • 録音:片桐登司美助
  • 監督:鴨田好史
  • 照明:木村誠作
  • 企画:五味春雄
  • 制作:松岡明
  • 製作:日活

総括

『花と蛇』は、谷ナオミの妖艶な演技と小沼勝の演出により、SMという特異なテーマを芸術的かつ娯楽的に描いた画期的な作品です。衣装や化粧、髪型は緊縛の美学を強調し、視覚的インパクトを強めました。団鬼六の原作を基に、性的倒錯と人間心理の深層を探る本作は、ロマンポルノの金字塔として今なお評価されています。

レビュー 作品の感想や女優への思い

タイトルとURLをコピーしました