HOTEL ホテル
- 原題:HOTEL
- 公開年:2001年
- 製作国:英国、イタリア
- 上映時間:116分
女優の活躍
本作では、サルマ・ハエック、ルーシー・リュー、サフラン・バロウズ、ヴァレリア・ゴリノといった実力派女優が活躍し、それぞれが個性的な役柄で物語に彩りを添えています。
これらの女優たちは、アドリブ中心の演技により、キャラクターにリアルな息吹を吹き込み、フィッギス監督の即興性を重視した演出に応えました。
サルマ・ハエック
ハリウッドスターとして登場し、撮影クルーの一員として強い存在感を発揮。アドリブ演技で、情熱的かつ奔放なキャラクターを演じ、物語の混乱に一層の深みを加えています。彼女の自然体な演技は、観客に強い印象を与えます。
ルーシー・リュー
映画撮影に関わる女優役で、鋭い洞察力と魅力的なパフォーマンスを見せます。彼女の演技は、ホテルの不穏な雰囲気の中でも際立ち、物語のミステリアスな要素を強調しています。
サフラン・バロウズ
冷徹で計算高いキャラクターを演じ、ホテルの秘密に絡む重要な役割を担います。彼女の抑制された演技は、物語の緊張感を高めています。
ヴァレリア・ゴリノ
イタリア映画界のベテランとして、感情豊かな演技でホテルのメイド役を演じ、物語に人間的な温かみを加えています。彼女の存在は、混沌とした状況の中での希望の象徴とも言えます。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の特徴の一つは、俳優たちが自ら衣装やメイクを選んだ点です。これにより、女優たちの個性が際立ち、キャラクターに独自の魅力が加わっています。
これらの衣装やメイクは、俳優自身が選んだことで、キャラクターの個性と俳優の魅力を最大限に引き出しています。アドリブと相まって、リアルで生々しい雰囲気が作品全体に漂います。
サルマ・ハエック
サルマは、華やかなドレスやカジュアルなジャケットスタイルを選び、彼女のラテン系の魅力を強調。メイクは大胆な赤いリップとスモーキーなアイメイクで、情熱的なキャラクターを表現。髪型はルーズなウェーブで、自由奔放な雰囲気を漂わせています。
ルーシー・リュー
ルーシーは、シックなブラックのドレスやスーツを着用し、都会的で洗練された印象。メイクはナチュラルながら鋭い目元を強調し、ミステリアスな魅力を引き立てます。髪型はストレートのロングヘアで、クールな雰囲気を演出。
サフラン・バロウズ
サフランは、モノトーンの衣装で冷たくエレガントな印象を与えます。メイクは控えめだが、シャープなアイラインで知的な雰囲気を強調。髪型はタイトなアップスタイルで、彼女のキャラクターの厳格さを表現しています。
ヴァレリア・ゴリノ
ヴァレリアは、シンプルなワンピースやエプロン姿でメイド役を演じ、親しみやすい印象。メイクはナチュラルで、優しい表情を引き立てます。髪型はゆるく結んだポニーテールで、温かみのあるキャラクターを反映。
あらすじ
ヴェニスのリド島にある歴史あるホテルを舞台に、ジョン・ウェブスターの戯曲「マルフォイ夫人」の映画化に挑む撮影クルーが集結します。しかし、監督のトレント(リス・エヴァンス)が何者かに銃撃され昏睡状態に陥り、プロデューサーのジョナサン(デヴィッド・シュワイマー)をはじめとするスタッフや俳優たちは大混乱に。撮影は遅れ、衝突が絶えず、ホテルのメイド、看護婦、女優、TVレポーターたちの思惑が交錯します。さらに、ホテルには恐ろしい秘密が隠されており、宿泊客が次々と姿を消す中、謎が深まっていきます。この異色作は、登場人物たちの欲望と混沌を幻想的な雰囲気で描き出します。
感想
『HOTEL ホテル』を過剰に分析しようとしてはいけません。ありのままを受け止めてほしい。この映画は美しく作り込まれた傑作であり、とてもよく熟成されています。奇妙な映画なのですが、うまくいっています(^^)
『HOTEL ホテル』は、永遠の名作である不気味な戯曲『「マルフィ公爵夫人」を中心に展開し、この戯曲がムードを盛り上げています。カーニバル中のヴェネチアで、なおさら(笑)
冒頭、投獄されたジョン・マルコヴィッチがコレステロールが低いかどうか尋ねる場面で人肉を摂取することで、ダーク・コメディになることがわかります。ここからは自由な展開ですが、非常に計算されています。筋書きを重視したスリラーというわけではないものの、独創性ゆえに私は釘付けになりました。デヴィッド・シュワイマーは完璧な配役。かつては『フレンズ』の役で永遠に知られる運命にあった浅はかなTV俳優が『ダッチェス』の撮影を引き継いで、主演女優を誘惑しようと決意した狡猾な助監督として、その鎖を解き放ちます。埋もれているように見えるかもしれませんが、そこに筋書きがあります。
バート・レイノルズが支配し、サフロン・バローズは地球上で最も美しい女性。セックス場面はかなりスケベで、サウンドトラックも申し分ありません。私はまるで『マルフィ公爵夫人』の最も壮大なプロダクションを目撃するために、薬を盛られてベニスに送られたような気分になりました。
解説
「HOTEL」は、マイク・フィッギス監督の革新的な手法が光る作品です。『リービング・ラスベガス』(1995年)でアカデミー賞受賞俳優ニコラス・ケイジを輩出したフィッギスは、本作でも独自のスタイルを追求。4台のデジタルカメラを用いた同時撮影や4分割画面、アドリブ中心の演技、俳優自身による衣装やメイクの選択など、実験的なアプローチが特徴です。これにより、物語の多視点性や即興性が強調され、観客は異なる角度から同じ出来事を捉えることができます。
テーマは「セックス、映画、殺人」を軸に、映画製作の裏側や人間の欲望、ホテルの神秘的な雰囲気を融合。ヴェニスのリド島にある実在のホテルを舞台に選んだことで、古典的かつ幻想的な背景が物語に深みを加えています。R15+指定の理由は、暴力や性的な描写が含まれ、不条理で混沌とした世界観が観客に強い印象を与えるためです。批評家からは賛否両論を受けたものの、その大胆なスタイルは映画史において特筆すべき一作となっています。
キャスト
- ルーシー・リュー(カウィカ役)
- ジョン・マルコヴィッチ(オマール・ジョンソン役)
- デヴィッド・シュワイマー(ジョナサン・ダンダーファイン役)
- サフロン・バローズ(マルフィ公爵夫人役)
- サルマ・ハエック(シャーリー・ブックス役)
- リース・アイファンズ(トレント・ストーケン役)
- バート・レイノルズ(フラメンコ・マネージャー役)
- ジュリアン・サンズ(ツアー・ガイド役)
- ダニー・ヒューストン(ホテル店員役)
- ジュリアン・サンズ(ツアー・ガイド役)
- マックス・ビーズリー(アントニオ役)
- ミア・マエストロ(カリオラ役)
- ヴァレンティーナ・チェルヴィ(ホテルメイド役)
- キアラ・マストリオアンニ(ホテル看護師役)
- アンドレア・ディ・ステファノ(殺し屋役)
- マーク・ストロング(フェルディナンド役)
- ダニー・サパニ(AJ役)
- オルネラ・ムーティ(フラメンコ広報担当役)
- ラウラ・モランテ(グレタ役)
スタッフ
- 衣装デザイナー…カトリーヌ・バイセ・ディアン
- 衣装助手…ベアトリス・ジャンニーニ
総括
「HOTEL」は、マイク・フィッギス監督の革新的な挑戦が詰まった作品です。豪華なキャストによるアドリブ演技、4分割画面による多角的視点、俳優自らが選んだ衣装やメイクにより、独自のリアリティと幻想的な雰囲気が共存しています。ヴェニスのホテルの神秘的な背景と、映画製作の混沌を描いた本作は、観客に新たな映画体験を提供します。女優たちの活躍は特に見どころで、彼女たちの個性が物語に深みを与えています。実験的な手法が好きな映画ファンや、ミステリアスで不条理な物語を楽しみたい方におすすめの一作です。
レビュー 作品の感想や女優への思い