『アイリッシュ・ウィッシュ』は米国製作のファンタジー・ラブコメディ。アイルランドを舞台に、願いの石で運命が変わった女性が真実の愛を見つけ出す、心温まる物語。リンジー・ローハンが愛らしさとナイーブな魅力を存分に発揮。Netflixで2024年3月15日配信。
基本情報
- 邦題：アイリッシュ・ウィッシュ
- 原題：Irish Wish
- 公開年：2024年
- 製作国：米国
- 上映時間：93分
- ジャンル：コメディ、ファンタジー
あらすじ
マディ・ケリー（リンジー・ローハン）は、人気作家ポール・ケネディのゴーストライターとして働く出版社の編集者です。彼女は密かにポールに想いを寄せていますが、彼が同僚のエマと婚約したことを知り、複雑な心境でアイルランドでの結婚式にブライズメイドとして参加します。結婚式を数日後に控えたある日、マディは「願いの石」に座り、「ポールと結婚したい」と願います。すると翌朝、彼女が目覚めた世界では、ポールとの結婚式の花嫁が自分自身になっていました。しかし、ポールの結婚式のカメラマンであるジェームス・トーマスとの出会いをきっかけに、マディは本当のソウルメイトが誰なのかに気づき始めます。聖ブリジットと呼ばれる神秘的な女性の導きのもと、マディは自分の心と向き合い、真実の愛と自己発見の旅を歩みます。物語は、アイルランドの美しい風景を背景に、ファンタジーとロマンスが織り交ざった展開で進みます。
解説
『アイリッシュ・ウィッシュ』は、典型的なロマンティック・コメディにファンタジー要素を加えた作品で、リンジー・ローハンの復帰作として注目されました。物語の鍵となる「願いの石」や聖ブリジットの登場は、アイルランドの民間伝承を基にした遊び心ある設定ですが、文化的背景の掘り下げが浅いとの批判もあります。それでも、アイルランドのモハーの断崖やウィックロー県の邸宅など、息をのむようなロケーションが作品の魅力を高めています。本作は、リンジー・ローハンのキャリアにおける再起を象徴する作品であり、彼女のファン向けに作られた軽快で心温まる物語として位置づけられます。批評家の評価は賛否両論で、IMDbでは5.5/10、Rotten Tomatoesでは35%〜42%と平均的ですが、視聴者からは「気軽に楽しめる」「懐かしいラブコメの雰囲気」との声も多いです。物語は予測可能な展開ながら、自己愛や本当の幸せとは何かというテーマを軽やかに描き、90分というコンパクトな尺でテンポよく進行します。ローハンのナイーブで純情な魅力が作品の中心となり、脇役たちの個性も物語に彩りを加えています。
女優の活躍
リンジー・ローハンは本作で主人公マディ・ケリーを演じ、彼女の持ち味である愛らしさとナイーブな魅力を存分に発揮しています。かつて『ミーン・ガールズ』（2004年）でティーンアイドルとして一世を風靡したローハンは、プライベートでの困難を乗り越え、近年はNetflix作品で復帰を果たしています。本作では、恋に不器用で少しオタク気質な編集者という役柄を自然体で演じ、観客に共感を呼びます。特に、ジェームスとの出会いを通じて自己発見する過程では、感情の機微を見事に表現。彼女のハスキーな声と屈託のない笑顔が、物語の軽快なトーンを支えています。一方で、批評家からは「ローハンの魅力で作品が成り立っているが、脚本の限界も見える」との声もあり、彼女の演技が作品の評価を大きく左右していることがうかがえます。
脇役では、ジェーン・シーモアがマディの母ローズマリー役で登場し、短い出演時間ながら温かみのある演技で印象を残します。アイシャ・カリーやエリザベス・タンも、それぞれヘザーとエマ役で物語に華を添え、多様なキャストが作品に活気を与えています。
女優の衣装・化粧・髪型
リンジー・ローハンの衣装は、ティム・アスラムによるデザインで、マディのキャラクター性を反映したカジュアルかつ女性らしいスタイルが特徴です。物語の冒頭では、出版社の編集者らしいシンプルなブラウスやスカートを着用し、控えめな印象を与えます。アイルランド到着後は、緑や青を基調としたナチュラルなドレスやニットが登場し、アイルランドの自然と調和するデザインが目立ちます。結婚式のシーンでは、ウエディングドレスが重要な役割を果たし、クラシックでエレガントな白のドレスが彼女の魅力を引き立てます。ただし、衣装に関しては「現代的でない」「リサイクルショップのような選択」との批判もあり、特にアイルランドでの衣装が一部で不評でした。化粧はナチュラルメイクが中心で、彼女のそばかすやハスキーな雰囲気を活かした軽やかな仕上がり。ヘアスタイルは、ルーズなウェーブやポニーテールが多用され、マディの親しみやすい性格を強調しています。
ジェーン・シーモアは上品なマダムらしいドレスと洗練されたメイクで登場し、年齢を感じさせない美しさが際立ちます。アイシャ・カリーやエリザベス・タンは、カジュアルで現代的な衣装で若々しさを表現し、対照的なスタイルで物語に彩りを加えています。
キャスト
- リンジー・ローハン（マディ・ケリー）：出版社の編集者でポールのゴーストライター。ポールに想いを寄せるが、運命の変化で真実の愛を探す。
- エド・スペリーアス（ジェームス・トーマス）：世界を旅するカメラマン。マディと心を通わせ、物語の鍵を握る。
- アレクサンダー・ヴラホス（ポール・ケネディ）：人気作家でマディの想い人。エマとの婚約が物語のきっかけに。
- アイシャ・カリー（ヘザー）：マディの同僚で親友。明るく社交的なキャラクター。
- ジェーン・シーモア（ローズマリー・ケリー）：マディの母。温かみのある助言で娘を支える。
- エリザベス・タン（エマ・テイラー）：ポールの婚約者でマディの同僚。物語の中心となる人物。
- ジャシンタ・マルケイ（オリビア・ケネディ）：ポールの母。結婚式の準備を仕切る。
スタッフ
- 監督：ジャニーン・ダミアン
- 脚本：キルステン・ハンセン
- 製作：ブラッド・クレボイ、マイケル・ダミアン
- 製作総指揮：アマンダ・フィリップス、リンジー・ローハン、ジャニーン・ダミアン他
- 撮影：グレアム・ロビンス
- 美術：グラント・モンゴメリー
- 衣装：ティム・アスラム
- 編集：スコット・ヒル
- 音楽：ネイサン・ラニアー
レビュー 作品の感想や女優への思い