キム・ゴウン(김고은)は韓国の女優。2012年映画『ウンギョ 青い蜜』でデビューし、新人賞を多数受賞。『トッケビ』『パムヨ』『メモリーズ 追憶の剣』などで人気を博し、多彩な演技で国内外で高評価を得ています。
プロフィール
- 本名:キム・ゴウン(김고은/金高銀)
- 生年月日:1991年7月2日(33歳)
- 出身地:韓国ソウル特別市
- 身長:167 cm
- 血液型:B
- 職業:女優
- ジャンル:TV、映画
- 活動期間:2012年〜現在
- 事務所:BHエンターテインメント
生い立ち
キム・ゴウン(김고은)は、1991年7月2日に韓国ソウル特別市で生まれました。3歳のとき、父親の仕事の都合で家族と共に中国北京市に移住し、10年間を中国で過ごしました。この期間、彼女は流暢な中国語(マンダリン)を習得し、異文化の中で育った経験は、後の演技における多面的な表現力に影響を与えたとされています。中国での生活は、彼女の視野を広げ、異なる文化や価値観を理解する基礎を築きました。2004年、13歳のときに韓国に帰国し、ソウルで再び生活を始めました。
幼少期から映画に強い関心を抱き、特に陳凱歌監督の『北京バイオリン』(原題:和你在一起)を繰り返し観たことが、彼女が映画製作者を志すきっかけとなりました。この作品に感銘を受けた彼女は、物語を視覚的に伝える力に魅了され、演劇や映画の世界に進むことを決意したとインタビューで語っています。
教育
キム・ゴウンは、韓国で最も権威ある芸術教育機関の一つである韓国芸術総合学校(KARTS)の演劇院に進学しました。2010年に同校に入学し、演技を専攻。韓国芸術総合学校は、厳しい入試と実践的なカリキュラムで知られ、多くの著名な俳優や映画監督を輩出しています。在学中、彼女は演技の基礎を徹底的に学び、舞台での実践を通じて表現力を磨きました。
入学後間もない2011年夏、演劇院の同窓会会長の推薦を受け、映画『銀嬌』(原題:은교)のオーディションに参加。このオーディションが彼女の女優人生の第一歩となりました。彼女は学業と並行して映画デビューの準備を進め、大学での学びが演技の理論的基盤を固める一方、現場での経験が実践的な成長を促しました。2014年に同校を卒業し、以降も「韓芸総10学番(2010年入学組)」として、同期の俳優たちとの交流を大切にしています。
経歴
キム・ゴウンの女優としてのキャリアは、2012年の映画『銀嬌』での鮮烈なデビューに始まります。この作品で、彼女は300人以上の候補者の中から選ばれ、70歳の詩人と17歳の少女の禁断の愛を描くヒロイン、銀嬌役を演じました。監督のチョン・ジウは、彼女の自然体かつ深い感情表現を高く評価。映画は話題を呼び、彼女は同年、大鐘賞、青龍映画賞、韓国映画評論家協会賞など複数の新人女優賞を総なめにし、一躍注目を浴びました。
しかし、デビュー作の成功後、彼女のキャリアは順風満帆ではありませんでした。2014年の『モンスター』では、サイコパス殺人犯を追う復讐に燃える女性役を演じましたが、作品自体が批評的に振るわず、期待に応えられない結果に。2015年の『メモリーズ 追憶の剣』では、イ・ビョンホンやチョン・ドヨンといった大物俳優と共演したものの、演技力不足を指摘されることもありました。それでも、彼女は挑戦を続け、同年の『チャイナタウン』や『正直な候補』で、強烈な個性を持つ役柄を見事に演じ切り、再評価を受けました。
2016年は、キム・ゴウンにとって飛躍の年となりました。テレビドラマ『チーズ・イン・ザ・トラップ』で、平凡だが芯の強い大学生ホン・ソル役を演じ、若者層から支持を獲得。同年、ファンタジーロマンス『トッケビ』(原題:쓸쓸하고 찬란하神 – 도깨비)で、明るくも切ないヒロイン、チ・ウンタクを演じ、国際的な人気を博しました。このドラマは、韓国ドラマのグローバルブームを牽引し、彼女の名を世界に知らしめました。
2024年には、映画『パムヨ』(原題:파묘)でMZ世代のシャーマン、イ・ファリム役を演じ、観客動員数1000万人を突破する大ヒットに貢献。彼女のミステリアスでカリスマ的な演技は、百想芸術大賞や青龍映画賞で最優秀女優賞を受賞し、キャリアの新たな頂点を築きました。同年、青春ロマンス『大都市の愛法』では、自由奔放なジェヒ役で新たな魅力を披露し、幅広い演技力を証明しました。
私生活
キム・ゴウンは私生活を公にしないことで知られ、メディアへの露出も控えめです。2016年、ドラマ『トッケビ』で共演した俳優コン・ユとの熱愛説が浮上しましたが、双方の所属事務所がこれを否定。以降、恋愛に関する公式な情報はほとんどありません。彼女はインタビューで、仕事に集中しており、プライベートでは家族や親しい友人と過ごす時間を大切にしていると語っています。
2019年のインタビューでは、学生時代の初恋について「今も元気でいるか気になる」と語り、彼女の素朴で人間的な一面が垣間見えました。趣味としては、映画鑑賞や読書を挙げ、特に文学やアートに強い関心を持つことが知られています。また、流暢な中国語を活かし、国際的なプロジェクトにも意欲を見せています。
彼女はソウルに拠点を置き、家族との絆を大切にしています。中国での生活経験から、異文化への理解が深く、インタビューでは「異なる視点を持つことが演技に役立つ」と述べています。SNSではファンと適度に交流し、飾らない人柄が愛されています。
出演作品
キム・ゴウンの出演作品は、映画とドラマを中心に多様なジャンルを網羅しています。以下は代表作の概要です。
映画
- ウンギョ 青い蜜(2012年)…デビュー作。70歳の詩人と17歳の少女の禁断の愛を描く。複数の新人賞を受賞。
- モンスター(2014年)…復讐に燃える女性、ボクスン役。作品は不評だったが、彼女の体当たりの演技が話題に。
- チャイナタウン(2015年)…裏社会で生きる少女役。キム・ヘスとの共演で、強烈な印象を残した。
- メモリーズ 追憶の剣(2015年)…無侠アクション。演技に課題を残したが、挑戦的な役柄に挑んだ。
- 正直な候補(2015年)…法廷サスペンス。検事役で知的な魅力を発揮。
- カノラ(2016年)…祖母と孫の感動ドラマ。温かい演技で観客を魅了。
- ビョンサン(2018年)…故郷に帰る青年の物語。コミカルな役で新境地を開拓。
- ユヨルの音楽アルバム(2019年)…レトロなロマンス。チョン・ヘインと共演し、切ない恋を演じた。
- ヒーロー(2022年)…歴史ドラマ。独立運動家アン・ジュングンを支える女性役。
- パムヨ(2024年)…オカルトホラー。シャーマン役で大ヒット、複数の最優秀女優賞を受賞。
- 大都市の愛法(2024年)…青春ロマンス。自由な魂のジェヒ役で新たな魅力を披露。
ドラマ
- チーズ・イン・ザ・トラップ(2016年)…大学生ホン・ソル役。ロマンスとサスペンスが交錯する人気作。
- トッケビ(2016年~2017年)…チ・ウンタク役。コン・ユとのケミストリーで世界的なヒット。
- ザ・キング:永遠の君主(2020年)…刑事チョン・テウル役。イ・ミンホと共演し、ファンタジーロマンスを牽引。
- ユミの細胞たち(2021年~2022年)…キム・ユミ役。アニメと実写の融合で、現代女性の恋愛を描く。
- リトル・ウーマン(2022年)…長女オ・インジュ役。現代版『若草物語』として高評価。
その他
- ユ・クイズ・オン・ザ・ブロック(2021年)…バラエティ番組出演。飾らないトークで親しみやすさをアピール。
総括
キム・ゴウンは、ソウル生まれ、中国育ちの経験を活かし、韓国映画界とドラマ界で独自の地位を築いた女優です。韓国芸術総合学校で学び、2012年の『ウンギョ 青い蜜』で華々しくデビュー。『トッケビ』や『パムヨ』で国内外の観客を魅了し、百想芸術大賞や青龍映画賞を受賞するなど、演技力が高く評価されています。私生活では控えめながら、家族や友人を大切にする姿勢が愛され、流暢な中国語や文学への関心が彼女の多才さを物語ります。映画11本、ドラマ6本と多彩なフィルモグラフィーを持ち、今後も挑戦を続ける彼女の活躍が期待されます。
レビュー 作品の感想や女優への思い