キム・オクビンは韓国の女優。2005年『ハノイの花嫁』でデビューし、『バット』(2009年)や『悪女』(2017年)で強烈な演技を披露。アクションから繊細な役まで幅広くこなし、国内外で高い評価を受けています。
プロフィール
各種表記
- ハングル:김옥빈
- 漢字:金玉彬
- 発音:キム・オクビン
- ローマ字:Kim Ok-bin
生い立ち・教育
キム・オクビンは1987年1月3日、韓国の全羅南道順天市に生まれ、広陽市で育ちました。3姉妹の長女として、両親と2人の妹(次女は一般人、末妹は女優のチェ・ソジン、本名キム・ゴウン)と共に温かい家庭環境で育ちました。幼少期から活発で、運動や芸術に興味を示し、特に香港映画『東方不敗』や『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』に影響を受け、俳優を志すようになります。
小学生の頃から順天市にある演技塾に通い、片道1時間半の距離を往復する熱心さを見せました。しかし、家計の事情で一時中断。その後、自身の力で夢を追い求めるため、2004年にネイバーの「ウルチャン(美人・美男子)コンテスト」に写真を投稿し、1位を獲得。この受賞がきっかけで上京し、本格的に芸能活動を始めました。
学歴は、広陽西小学校、広陽女子中学校、広陽実業高等学校を経て、京畿大学演劇映画学科を卒業。学生時代は演劇部に所属し、演技への情熱を育みました。また、運動神経が優れており、テコンドー2段、合気道3段を保持し、ムエタイやボクシングも習得。こうした武術の経験は、後のアクション演技に大きく貢献しました。
経歴
キム・オクビンは2005年、SBSの秋夕特集ドラマ『ハノイの花嫁』で女優デビューを果たしました。同年、映画『女高怪談4:声』の主演に抜擢され、新人女優の登竜門とされるこの作品で注目を集め、青龍映画賞の新人女優賞候補にノミネートされました。
2006年には、KBSドラマ『こんにちは、神様!』で主演を務め、続けて青春ドラマ『オーバー・ザ・レインボー』でニュージーランド出身の歌手志望の役を演じ、ダンスの実力も披露。その後も『銭の戦争:ボーナスラウンド』(2007年)や映画『1724妓房動乱事件』(2008年)に出演し、着実にキャリアを積みました。
転機となったのは2009年、パク・チャヌク監督の『バット(渇き)』での演技です。吸血鬼に翻弄される女性・テジュ役を熱演し、独特の雰囲気と強烈な存在感で批評家から絶賛され、第42回シッチェス国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、国際的な注目を集めました。
2012年にはロックバンド「OK PUNK!」を結成し、リードボーカルとして音楽活動も展開。2017年にはアクション映画『悪女』で主演を務め、95%以上のアクション場面を自身で演じ切り、再びカンヌ映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待されました。この作品で青龍映画賞主演女優賞候補となり、第23回春史映画祭で主演女優賞を受賞。
テレビドラマでは、2018年のOCN『小さな神の子どもたち』で4年ぶりに復帰し、2019年の『アスダル年代記』では武術に優れたキャラクターを演じ、視聴者から好評を得ました。2022年にはパク・チャヌク監督の短編『一場春夢』に出演し、Appleとのコラボプロジェクトで新たな挑戦を続けています。
2022年11月、スタジオ・サンタクロース・エンターテインメントを離れ、ゴースト・スタジオと専属契約を締結。現在も映画やドラマで活躍を続け、2025年3月にはSBS『ミウセ』に出演し、近況を伝えました。
私生活
キム・オクビンは3姉妹の長女として、妹たちと非常に仲が良く、ソウルで一緒に暮らしています。特に末妹のチェ・ソジン(本名キム・ゴウン)とは、同じ芸能界で活動する仲間として互いを支え合っています。彼女は上京時、妹から「絶対に成功してね」と言われた言葉に涙したエピソードを語り、家族への深い愛情を示しています。
趣味は多岐にわたり、車やバイク、スピードレース、コンピュータの組み立て、サッカーや野球などのスポーツを楽しむほか、両利きであることも知られています。好きな俳優としてジェシカ・チャステインやサンドラ・ブロックを挙げ、理想のタイプは「友達のようになんでも話せる同い年の人」と語っています。
私生活では、2006年のMBCトークショー『遊びに来て』での「割引カードを使う男性は嫌」という発言が物議を醸し、「된장녀(物質主義の女性)」と批判された過去がありますが、後に台本通りだったと釈明。2016年には『それが知りたい』の芸能界スキャンダル特集に関するSNS投稿が話題となり、率直な意見表現が評価されました。
恋愛面では、ロックバンド・スキゾのメンバー許在勲との交際が公表されていましたが、破局。その後、俳優イ・ヒジュンとの短期間の交際(2014年)も報じられましたが、現在は結婚しておらず、独身です。2021年のMBC『全知的おせっかい視点』では、ミカンへの異常な愛(3日に1箱消費)が話題となり、2023年のラジオでもその愛好ぶりを語りました。
出演作品
以下はキム・オクビンの主な出演作品です(一部抜粋)。
映画
- 女高怪談4:声(2005年、英恩役、主演)
- バット(渇き)(2009年、テジュ役、主演)
- 高地戦(2011年、スナイパー役)
- シ体が帰ってきた(2012年、東花役)
- 少数意見(2015年、コン・スギョン役)
- 悪女(2017年、スクヒ役、主演)
- 一場春夢(2022年、ソジン役)
- 少年たち(2023年、チェ・ウソン役)
ドラマ
- ハノイの花嫁(2005年、ライティ・ホン役)
- こんにちは、神様!(2006年、ソ・ウンへ役、主演)
- オーバー・ザ・レインボー(2006年、チョン・ヒス役、主演)
- ユナの街(2014年、ユナ役、主演)
- 小さな神の子どもたち(2018年、キム・ダン役)
- アスダル年代記(2019年、テアルハ役)
- ダークホール(2021年、イ・ファソン役)
- ラブ・ウォーズ(2023年、ヨム・ミジョン役、Netflix)
その他
- 音楽活動:バンド「OK PUNK!」リードボーカル(2012年)
- バラエティ:『全知的おせっかい視点』(2021年)、『ミウセ』(2025年)
まとめ
キム・オクビンは、アクションから心理劇まで幅広い役柄をこなす実力派女優です。幼少期の夢を追い続け、努力と才能で国内外の舞台で輝きを放ち、家族やファンに支えられながら新たな挑戦を続けています。今後の活躍にも期待が高まります。
レビュー 作品の感想や女優への思い