韓国の女優イ・サンヒ(韓国語:이상희)について、生い立ち、教育、経歴、私生活、出演作品を網羅しています。
イ・サンヒは、蔚山市出身の女優で、看護師から転身した異色のキャリアを持ちます。看護学の教育背景を活かしつつ、2011年に演技の世界に飛び込み、『End of Winter』や『Our Love Story』で自主製作映画界での評価を確立。『My Name Is Loh Kiwan』での助演で青龍映画賞と百想芸術大賞を受賞し、商業映画やテレビドラマでも活躍。
プロフィール
- 名前:イ・サンヒ(韓国語:이상희
- ローマ字:Lee Sang Hee
- 本名:稲荷
- 生年月日:1983年10月8日(41歳)
- 出生地:韓国慶尚南道ウルジュ郡(現蔚山広域市ウルジュ郡)
- 国籍:韓国
- 身長:165cm
- 血液型:O
- 家族:両親、弟
- 配偶者(2019年結婚)
- 学歴:蔚山中央女子高校(卒業)、カトリックサンジ大学(看護局 /職業史)
- デビュー:2010年の映画「視線」
- 所属事務所:アイカンパニー
生い立ち
イ・サンヒ(Lee Sang-hee、韓国語:이상희)は、1983年10月8日、韓国蔚山市(Ulsan)にイ・ナリ(Lee Na-ri、韓国語:이나리)として生まれた。蔚山は韓国南東部の工業都市で、彼女の幼少期は比較的普通の家庭環境で過ごしたと推測される。家族構成や両親の職業に関する具体的な情報は公開されていないが、彼女の生い立ちは、後に看護師として働いた経験からも、勤勉で現実的な価値観の中で育ったことが伺える。幼少期から演技への関心があったかどうかは不明だが、彼女のキャリア転換(看護師から女優へ)は、強い情熱と決断力を示している。蔚山という地域の文化的背景は、彼女の地に足のついた演技スタイルに影響を与えた可能性がある。
教育
イ・サンヒは、大学で看護学を専攻し、卒業後、ソウルの江南セブランス病院(Gangnam Severance Hospital)の手術室で看護師として働いていた。この経歴は、彼女の教育が実践的かつ専門的な分野に焦点を当てていたことを示す。看護学の学位を取得した具体的な大学名は公開されていないが、彼女の学歴は、医療分野での高い専門性を要求されるものであった。
演技に関する正式な教育を受けた記録は見当たらないが、彼女は看護師の職を辞した後、演技の世界に飛び込み、現場での経験やワークショップを通じてスキルを磨いたと考えられる。このような非伝統的なキャリアパスは、彼女の演技に対する独自の視点や、リアルで人間味あふれる役柄へのアプローチに影響を与えている。
経歴
イ・サンヒの女優としてのキャリアは、2011年頃に始まり、インディペンデント映画から商業映画、テレビドラマまで幅広い分野で活躍している。彼女は「韓国インディペンデント映画界のチョン・ドヨン」と称されるほど、信頼される演技派女優として知られている。
初期のキャリア(2011年~2014年)
イ・サンヒは、看護師として働いていた時期を終え、2011年に演技の世界にデビュー。初期には短編映画やインディペンデント映画に出演し、徐々に注目を集めた。2014年の映画『End of Winter』(原題:철원기행、Cheol-won-gi-haeng)で初めて広く知られるようになり、家族の葛藤を描いたこの作品での自然な演技が評価された。この映画で彼女は第5回サハリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞し、キャリアの第一歩を確固たるものとした。
ブレイクと評価(2016年~2017年)
2016年の自主製作映画『Our Love Story』(原題:연애담)は、イ・サンヒのキャリアにおける転機となった。レズビアンのカップルを描いたこの作品で、彼女はリアルで感情的な演技を披露し、批評家から高い評価を受けた。この作品で彼女は第53回百想芸術大賞(映画部門 最優秀新人女優賞)、第4回ワイルドフラワー映画賞(最優秀新人女優賞)、第22回春史映画芸術賞(最優秀新人女優賞)を受賞。監督イ・ヒョンジュは、彼女の演技について「本物のように感じさせる力がある」と称賛した。
TVドラマと商業映画(2017年~現在)
イ・サンヒは、インディペンデント映画での成功を基盤に、テレビドラマや商業映画にも進出した。2017年の『Children of the 20th Century』(原題:20세기 소년소녀)や2019年の『One Spring Night』(原題:봄밤)では、脇役ながら存在感を発揮。特に『One Spring Night』では、主人公の友人ソン・ヨンジュ役で、親しみやすいキャラクターを演じた。
2021年には、映画『Decibel』(原題:데시벨)でキム・レウォンやイ・ジョンソクと共演し、商業映画での地位を強化。2022年にはNetflixの『All of Us Are Dead』(原題:지금 우리 학교는)で、ゾンビの脅威に立ち向かう大人役を演じ、視聴者に強い印象を与えた。同年、Disney+の『Third Person Revenge』(原題:3인칭 복수)や『Unlock My Boss』(原題:사장님을 잠금해제)にも出演し、幅広いジャンルでの活躍を見せた。
2024年には、映画『My Name Is Loh Kiwan』(原題:로기완)での演技が評価され、第45回青龍映画賞および第60回百想芸術大賞で最優秀助演女優賞を受賞。この受賞は、彼女の演技力が高く評価され、韓国映画界での地位を確立したことを示す。
イベントとその他の活動
イ・サンヒは、映画祭の司会としても活動しており、2022年の東津独立映画祭や2022年・2023年の全州国際映画祭の閉幕式で司会を務めた。これらの活動は、彼女が韓国自主製作映画界で尊敬される存在であることを示している。
私生活
イ・サンヒの私生活に関する情報は限られており、彼女はプライバシーを重視している。結婚や交際に関する公式な発表はなく、2025年時点で独身と推測される。彼女のインタビューでは、演技に対する情熱や、監督の意図と脚本の面白さを重視して作品を選ぶ姿勢が語られており、仕事への献身が伺える。
彼女のファンからは「ダボク(Dabok)」という愛称で親しまれ、親しみやすい性格が愛されている。また、インタビューで「カメラの前の気まずさを克服できれば、誰でも俳優になれる」と語るなど、演技への率直で現実的なアプローチが特徴的である。彼女はイベントやGV(ゲストビジット)で水をたくさん飲む癖があり、ユーモラスな一面も見せる。
出演作品
イ・サンヒの出演作品は、インディペンデント映画から商業映画、テレビドラマまで多岐にわたる。以下は代表的な作品の概要である。
映画
- End of Winter(2014年)…原題は『철원기행』。家族の葛藤を描くインディペンデント映画。彼女の自然な演技が評価され、第5回サハリン国際映画祭最優秀女優賞受賞。
- Our Love Story(2016年)…原題は『연애담』。レズビアンのラブストーリーで、繊細な演技が絶賛され、複数の新人賞を受賞。
- Vacance(2016年)…短編映画。イ・ヒョンジュ監督作品で、自主製作映画界での評価を高めた。
- Decibel(2022年)…原題は『데시벨』。キム・レウォン、イ・ジョンソクらと共演したアクションスリラー。
- My Name Is Loh Kiwan(2024年)…原題は『로기완』。ソン・ジュンギ主演のNetflix映画で、助演として出演し、最優秀助演女優賞を受賞。
TV
- Children of the 20th Century』(2017年)…原題『20세기 소년소녀』。脇役として出演し、安定した演技を見せた。
- Life(2018年)…病院を舞台にした医療ドラマ。看護師役で出演し、自身の経験を活かした。
- One Spring Night(2019年)…原題『봄밤』。ソン・ヨンジュ役で、主人公の友人として親しみやすい演技を披露。
- All of Us Are Dead(2022年)…原題『지금 우리 학교는』。Netflixのゾンビドラマで、大人役として強い印象を残した。
- Unlock My Boss(2022年)…原題『사장님을 잠금해제』。財閥の2世経営者役でコミカルな演技を見せた。
- Third Person Revenge(2022年)…原題『3인칭 복수』。Disney+のミステリードラマに出演。
- Daily Dose of Sunshine(2023年)…原題『정신병동에도 아침이 와요』。精神科を舞台にしたドラマで、看護師役を演じた。
- Greetings(2024年)…原題『인사하는 사이』。ハン・ジミンとの友情ケミストリーが話題に。
受賞歴
- 2015年:第5回サハリン国際映画祭 最優秀女優賞(『End of Winter』)
- 2017年:第53回百想芸術大賞 最優秀新人女優賞(映画部門)(『Our Love Story』)
- 2017年:第4回ワイルドフラワー映画賞 最優秀新人女優賞(『Our Love Story』)
- 2017年:第22回春史映画芸術賞 最優秀新人女優賞(『Our Love Story』)
- 2024年:第45回青龍映画賞 最優秀助演女優賞(『My Name Is Loh Kiwan』)
- 2024年:第60回百想芸術大賞 最優秀助演女優賞(『My Name Is Loh Kiwan』)
総括
イ・サンヒは、2011年に演技の世界に飛び込み、『End of Winter』や『Our Love Story』でインディペンデント映画界での評価を確立。『My Name Is Loh Kiwan』での助演で青龍映画賞と百想芸術大賞を受賞し、商業映画やテレビドラマでも活躍。私生活はプライベートですが、ファンからは「ダボク」として愛され、リアルで人間味あふれる演技が支持されています。彼女の多様な役柄と自然体な演技は、今後も韓国エンターテインメント界で注目を集めるでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い