アニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』は、モンキー・パンチ氏原作の『ルパン三世』と北条司氏原作の『キャッツ・アイ』をクロスオーバーさせた作品です。ルパン三世のアニメ化50周年とキャッツ・アイの原作40周年を記念して制作されました。
舞台は1980年代の東京とフランスを中心に設定されており、レトロでスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。本作はフル3DCGアニメーションを採用し、キャッツ・アイとしては初めての試みとなっています。
物語の中心は、キャッツ・アイの父であるミケール・ハインツが遺した三枚の絵画「花束と少女」をめぐる争奪戦です。ルパン三世の一味とキャッツ・アイの三姉妹がこれを狙い、互いのプライドを賭けた対決を繰り広げます。そこに国際的な武器商人であるファーデンが絡み、物語は複雑に展開していきます。
三枚の絵には秘石「フォルトゥナの石」が隠されており、それが所有者に栄光をもたらすという伝説があります。ルパンとキャッツ・アイは当初対立しますが、共通の敵に対して共闘する形となり、王道のクライムアクションが描かれます。
音楽面では、両作品のオリジナル楽曲をfox capture planが編曲し、新鮮なサウンドを提供しています。全体として、エキセントリックなルパンらしい世界観と、エモーショナルなキャッツ・アイの要素が融合したハイブリッドな作品です。
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放送状況
本作はAmazon Originalとして、2023年1月27日からAmazon Prime Videoにて世界独占配信が開始されました。配信形式は映画スタイルで、約92分の長編アニメです。2025年3月30日には、BS12の「日曜アニメ劇場」枠で無料地上波初放送が行われ、19時から20時55分までオンエアされました。これにより、Prime Video以外の視聴者もアクセスしやすくなりました。
配信以降、両作品のファンから好評を博し、繰り返し視聴される機会が増えています。国際配信も同時進行で、字幕や吹き替え版が複数言語で提供されています。追加のテレビ放送やストリーミングサービスの拡大については、現時点で新たな情報はありませんが、記念作品としての位置づけから今後も再放送の可能性があります。
登場女性キャラクター
- 来生瞳(声:戸田恵子)・・・キャッツ・アイの次女で、三姉妹の中心人物です。クールで頼もしい性格を持ち、怪盗としてのスキルが高く評価されます。本作ではルパンと最初に遭遇し、互いの実力を認め合う場面が見られますが、直接的な絡みは控えめです。五ェ門と行動を共にするシーンが多く、チームワークを発揮します。
- 来生泪(声:深見梨加)・・・三姉妹の長女で、変装や作戦立案に長けています。妹たちを心配する優しい一面があり、家族の絆を象徴する存在です。物語では指揮役として活躍し、危機的な状況を冷静に乗り越えます。オリジナルキャストの交代により、新鮮な解釈が加えられています。
- 来生愛(声:坂本千夏)・・・三姉妹の末っ子で、活発で好奇心旺盛な性格です。父の思い出が少ないため、絵画への執着が強く、ルパンを当初敵視します。中盤でルパンに助けられ、誤解が解け、共闘へと移行します。感情豊かな演技が魅力です。
- 峰不二子(声:沢城みゆき)・・・ルパン一味の紅一点で、妖艶で計算高い女性です。本作では独自の目的でファーデンに潜入しますが、裏切りに遭い、ルパン側に戻ります。セクシーさと知性を兼ね備え、物語のスパイス役を果たします。
全体解説
アニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』は、両作品の魅力が巧みに融合したコラボレーション作品として注目を集めました。ルパン三世側では、栗田貫一氏がルパン三世を、大塚明夫氏が次元大介を、浪川大輔氏が石川五ェ門を、山寺宏一氏が銭形警部を担当し、安定した演技を提供しています。
一方、キャッツ・アイ側では、戸田恵子氏の来生瞳をはじめ、安原義人氏の内海俊夫など、オリジナルキャストを可能な限り引き継ぎ、ファンサービスを意識した構成です。泪役の深見梨加氏と永石定嗣役の麦人氏は新キャストですが、自然に馴染んでいます。
本作のオリジナルキャラクターとして、ミケール・ハインツ(声:銀河万丈)やファーデン(声:津田健次郎)が登場し、物語の深みを加えています。監督は静野孔文氏と瀬下寛之氏が務め、脚本は葛原秀治氏、副監督は井手惠介氏です。キャラクターデザインは中田春彌氏と山中純子氏が担当し、3DCGのセルルックを活かしたビジュアルが特徴です。アートディレクターの片塰満則氏による1980年代の再現が、レトロな魅力を高めています。
音楽は大野雄二氏と大谷和夫氏のオリジナルを基に、fox capture planがアレンジを施し、エンディングテーマは杏里氏の「CAT’S EYE 2023」です。オープニングはfox capture planの新曲で、爽快感を強調しています。評価面では、往年のファンを喜ばせる要素が多く、ルパンのピンクジャケットやキャッツ・アイの喫茶店シーンが懐かしさを誘います。隠れキャラクターとして『シティーハンター』の冴羽獠がカメオ出演し、北条司作品のつながりを示唆します。ストーリーはネタバレを避けつつ、泥棒対決から共闘への移行がスムーズで、アクションシーンが充実しています。
全体のテーマは家族の絆とロマンで、心を揺さぶるエモーショナルな展開がキャッツ・アイらしさを保ちつつ、ルパンらしいユーモアを交えています。制作はトムス・エンタテインメントで、アニメーション協力に萌が参加しました。ファンからは「夢の対決が実現した秀作」との声が多く、クロスオーバーの成功例として位置づけられます。約92分の尺でテンポよくまとめられ、視聴後の満足度が高いです。将来的な続編や関連作品の期待も寄せられています。




レビュー 作品の感想や女優への思い