『MACGYVER/マクガイバー』(原題: MacGyver)は、2016年9月23日から2021年4月30日まで米国CBSで放送されたアクション・アドベンチャーで、1980年代の人気番組『冒険野郎マクガイバー』のリブート版です。豊富な科学知識と機転を武器に、銃を使わず身近な物で危機を切り抜ける主人公アンガス・マクガイバーの活躍を描いた全5シーズン、94話の痛快な作品です。本稿では、概要、あらすじ、女優陣の活躍、シーズンごとの解説、主要キャストを詳細に解説します。
概要
『MACGYVER/マクガイバー』は、ピーター・M・レンコフが開発し、オリジナル版のコンセプトを現代風にアップデートした作品です。主人公のアンガス・マクガイバー(愛称:マック)は、フェニックス財団という秘密組織のエージェントとして、科学知識と即興のDIY技術を駆使して世界各地の危機を解決します。オリジナル版同様、暴力や銃に頼らず、ダクトテープ、紙クリップ、肥料など身の回りの物で爆弾を解除したり、装置を作ったりするシーンが見どころです。本作はMIT卒の設定を加え、科学的リアリティを高めるため物理学教授レット・アランがテクニカル・アドバイザーとして参加。アクションだけでなく、チームの絆やユーモア、ヒューマンドラマも魅力で、全米で初回視聴者数1411万人を記録するなど人気を博しました。日本ではスーパー!ドラマTVやDlifeで放送され、GLAYの曲がエンディングテーマに採用されたことも話題となりました。
あらすじ
アンガス・マクガイバー(ルーカス・ティル)は、フェニックス財団のエージェントとして、相棒のジャック・ダルトン(ジョージ・イーズ)、天才ハッカーのライリー・デイヴィス(トリスティン・メイズ)、ルームメイトのウィルト・ボーザー(ジャスティン・ハイアーズ)らと共に極秘任務に挑みます。物語は、生物兵器の回収任務での失敗と恋人の喪失から始まり、マックが復帰して犯人を追う展開へ(シーズン1)。シーズン2では宿敵マードックの暗躍やマックの父親との再会、シーズン3では父親との関係修復やジャックの退場、シーズン4では叔母グウェンが率いるエコテロ組織コーデックスとの戦い、シーズン5ではコーデックスとの最終決戦やコロナ禍の影響が描かれます。各話でマックは、例えば石膏の粉末で認証を突破したり、肥料で爆弾を作ったりと、科学的工夫で危機を脱します。チームの友情や恋愛、過去の因縁も物語を深め、最終シーズンではマックとライリーの関係や最大の危機が焦点に。
女優陣の活躍
本作の女優陣は、アクション、知性、感情表現で物語に華を添えます。以下、主要な女優とその活躍を紹介します。これらの女優は、アクション場面での身体能力、チームの絆や葛藤を描く感情演技で作品を盛り上げ、男性キャストと対等に活躍。ライリーやデジィの成長は特にファンに愛され、現代的な強い女性像を体現しました。
トリスティン・メイズ(ライリー・デイヴィス役)
ライリーは元服役囚の天才ハッカーで、マックのチームの頭脳。トリスティン・メイズは『ヴァンパイア・ダイアリーズ』で知られ、クールでタフな女性を魅力的に演じます。ハッキングで機密情報を解読したり、アクションシーンで体を張ったりと、ライリーの成長が際立つ。特にシーズン3以降、父親エルウッド(ウィリアム・ボールドウィン)との確執や、マックとの微妙なロマンスが注目され、メイズの感情表現が光ります。ファンからは「可愛くてカッコいい」と高評価。
サンドリーヌ・ホルト(パトリシア・ソーントン役、シーズン1)
ソーントンはフェニックス財団の局長で、元エージェントの冷静なリーダー。サンドリーヌ・ホルトは『ハウス・オブ・カード』などで知られ、知性と威厳を兼ね備えた上司を好演。シーズン1の12話で二重スパイの容疑で逮捕される衝撃の展開では、ホルトの複雑な表情が物語に深みを加えます。短期間の出演ながら、強い印象を残しました。
メレディス・イートン(マティ・ウェバー役、シーズン1後半~)
ソーントンの後任として登場するマティは、フェニックス財団の新局長。メレディス・イートンは『ボストン・リーガル』で知られ、小柄ながら威厳とユーモアを兼ね備えた演技が魅力。マティはジャックとの過去の確執や、マックの無謀な行動をコントロールする姿で存在感を発揮。シーズン5ではコロナ禍でのリーダーシップも描かれ、イートンの安定感がチームを支えます。
レヴィ・トラン(デジィ・グエン役、シーズン3~)
シーズン3途中から加入したデジィは、ジャックの後任としてマックを支えるエージェント。レヴィ・トランは『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』で注目され、アクションと感情表現の両方で活躍。デジィのタフさと仲間への忠誠心が物語に新たな風を吹き込み、シーズン4のコーデックス戦では重要な役割を果たします。トランのキレのあるアクションはファンから絶賛。
イサベル・ルーカス(サマンサ・ケイジ役、シーズン2)
CIAからフェニックス財団に加入したサマンサは、アクションと美貌を兼ね備えたキャラ。イサベル・ルーカスは『ザ・パシフィック』で知られ、華やかな存在感でチームに新風を。サマンサの加入はチームのダイナミクスを変え、ルーカスのアクションシーンは視覚的にも魅力的。ただし、シーズン2限定の出演で、物語への影響は限定的でした。
シーズン解説
全5シーズンは、それぞれ独自のテーマと展開で進化します。
シーズン1(2016〜2017年、21話)
マックがフェニックス財団で活躍する導入部。生物兵器の回収失敗や恋人の喪失をきっかけに、ジャック、ライリー、ボーザーとチームを組み、宿敵マードック(デヴィッド・ダストマルチャン)と対峙。ソーントンの裏切りやマックのDIY技術(例:ダクトテープで核弾頭無力化)が話題に。視聴者数1411万人の好スタートで、アクションとユーモアがバランスよく描かれました。
シーズン2(2017〜2018年、23話)
マードックの脱獄やサマンサの加入、マックの父親ジェームズ(テイト・ドノヴァン)との再会が焦点。ボーザーがエージェント訓練を受け、チームの絆が深まる。中東での救出ミッションや光線電話のトリックなど、科学的工夫がさらに進化。父親との確執はシーズン3への布石に。
シーズン3(2018〜2019年、22話)
マックが父親との関係修復に挑む中、ジャックがテロリスト追跡のためチームを離れる(シーズン3第13話)。新メンバーデジィやリアーナ(レイン・エドワーズ)が登場し、チームが再編。マードックの暗躍や父親の病が物語をシリアスに。ゲストにピーター・ウェラーらが登場し、アクションとドラマが深化。
シーズン4(2020年、13話)
コロナ禍で話数が短縮。マックが大学教授として一時離れるが、ラス・テイラー(ヘンリー・イアン・キュージック)の依頼で復帰。叔母グウェン(ジェリ・ライアン)が率いるコーデックスとの戦いが中心。テディベアを使ったトリックや不発弾処理など、DIYシーンが健在。マックとライリーの関係も進展。
シーズン5(2020〜2021年、15話)
ファイナルシーズン。コーデックスとの最終決戦、ジャックの再登場、マードックの復活、コロナ禍の影響が描かれる。マックとライリーのロマンスやチームの絆が強調され、最大の危機に立ち向かう。感動的なフィナーレで、ルーカス・ティルは「人生で最も成長した5年間」と振り返りました。
主要キャスト
以下、主要キャストとその役割を紹介します。
- ルーカス・ティル(演:アンガス・マクガイバー、宮野真守)…MIT卒の天才エージェント。銃を嫌い、科学知識とDIYで危機を解決。ティルは『X-MEN』シリーズのハボック役で知られ、知的で少年っぽい魅力を発揮。
- ジョージ・イーズ(ジャック・ダルトン、声:土田大)…元デルタフォースの相棒で、銃撃戦担当。おしゃべりで映画ネタを愛する。イーズは『CSI』で知られ、シーズン3までチームのムードメーカー。
- トリスティン・メイズ(ライリー・デイヴィス、声:永宝千晶)…天才ハッカーで、元服役囚。メイズのクールな演技とアクションが光る。シーズン5でマックとの関係が深まる。
- ジャスティン・ハイアーズ(ウィルト・ボーザー、声:安田裕)…マックの幼なじみで、特殊メイクが得意。シーズン2からエージェントに成長。ハイアーズのコミカルな演技がアクセント。
- サンドリーヌ・ホルト(パトリシア・ソーントン、声:日野由利加)…シーズン1の局長。ホルトの威厳ある演技が印象的だが、裏切りの展開で退場。
- メレディス・イートン(マティ・ウェバー、声:小宮和枝)…シーズン1後半からの局長。イートンのユーモアとリーダーシップがチームを牽引。
- レヴィ・トラン(デジィ・グエン、声:花村さやか)…シーズン3から加入のエージェント。トランのアクションと忠誠心が魅力。
- ヘンリー・イアン・キュージック(ラス・テイラー、声:さかき孝輔)…シーズン4からの元MI6メンバー。キュージックの渋い演技が物語に重みを。
- デヴィッド・ダストマルチャン(マードック、声:吉見一豊)…マックを執拗に追う殺し屋。ダストマルチャンの不気味な演技が緊張感を高める。
ゲスト出演にプレイヤーを演じたローレン・ラヴェラ。
まとめ
『MACGYVER/マクガイバー』(2016〜2021年)は、科学的工夫とチームワークで危機を解決するアクション・アドベンチャーの傑作。ルーカス・ティルをはじめとするキャストの魅力、トリスティン・メイズやレヴィ・トランら女優陣の活躍、シーズンごとの進化が視聴者を引き込みました。オリジナル版の精神を受け継ぎつつ、現代的な要素を加えた本作は、アクションとヒューマンドラマのバランスで幅広い層に愛されました。全5シーズンの物語は、マックの成長と仲間との絆を描き、感動的なフィナーレを迎えます。
レビュー 作品の感想や女優への思い