マリア・ベロ（Maria Bello）は米国の女優・プロデューサー。ペンシルベニア州出身で、『ER緊急救命室』や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などで知られる。ゴールデングローブ賞ノミネート歴を持ち、2023年の『BEEF』でエミー賞候補に。
プロフィール
- 名前：マリア・ベロ（Maria Bello）
- 本名：Maria Elana Bello
- 生年月日：1967年4月18日（58歳）
- 出生地：米国ペンシルベニア州ノリスタウン
- 職業：女優
- 活動期間：1992年～
- SNSサイト：Instagram・X
生い立ち・教育
マリア・ベロは1967年4月18日、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ノリスタウンに生まれました。父親のジョセフ・ベロはイタリア系アメリカ人で建設業者、母親のキャサリンはポーランド系アメリカ人で学校の看護師および教師として働いていました。彼女は労働者階級のカトリック家庭に育ち、姉と二人の兄弟がいます。幼少期は家族と共にカトリックの価値観の中で育ち、地域社会に根ざした生活を送りました。高校はペンシルベニア州ラドナーにあるアーチビショップ・ジョン・キャロル高校を卒業し、その後ビラノーバ大学に進学しました。大学では当初、弁護士を目指して政治学を専攻していましたが、気晴らしとして受講した演技のクラスに魅了され、女優への道を志すようになりました。この転換は彼女の人生を大きく変えるきっかけとなり、演技への情熱を追求する決意を固めました。
経歴
マリア・ベロの女優としてのキャリアは、ニューヨークのオフ・ブロードウェイの舞台から始まりました。1990年代初頭、舞台での経験を積んだ後、テレビドラマへの出演を果たします。彼女のブレイクは1997年から1998年にかけての医療ドラマ『ER緊急救命室』で、アンナ・デル・アミコ医師役を演じたことで訪れました。この役で彼女は広く認知され、以降、映画やテレビでの活躍の場を広げました。
映画デビューは1998年の『パーマネント・ミッドナイト』で、その後も『ペイバック』（1999年）、『コヨーテ・アグリー』（2000年）、『ザ・クーラー』（2003年）、『シークレット・ウィンドウ』（2004年）など、多彩な役柄で支持を集めました。特に2005年の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』では、暴力に巻き込まれる家族の妻役を演じ、ニューヨーク映画批評家協会賞の助演女優賞を受賞し、ゴールデングローブ賞にもノミネートされました。2008年には『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』でレイチェル・ワイズの代役としてエヴリン・オコーネル役を演じ、アクション映画にも進出しました。
その後も『ワールド・トレード・センター』（2006年）、『ジェイン・オースティンの読書会』（2007年）、『プリズナーズ』（2013年）、『ライト／オフ』（2016年）など、幅広いジャンルの作品に出演。テレビでは、2017年から2021年まで『NCIS ネイビー犯罪捜査班』でジャクリーン・“ジャック”・スローン役を演じ、フォレンジック・サイコロジストとしての深みのある演技で人気を博しました。2023年にはNetflixの限定シリーズ『BEEF』での演技が評価され、プライムタイム・エミー賞にノミネートされ、クリティクス・チョイス・アワードを受賞しました。また、プロデューサーとしても活動し、自身のキャリアを多角的に展開しています。
私生活
マリア・ベロの私生活は、彼女の公のイメージと同じく多様で注目を集めています。2001年に彼女は息子のジャクソン・ブルー・マクダーモットを出産し、シングルマザーとして子育てに励んできました。2013年、ベロはニューヨーク・タイムズのコラム「Modern Love」で自身がバイセクシュアルであることを公表し、当時パートナーだった女性のクレア・マーンと関係を築いていることを明かしました。この告白は、彼女が自身のセクシュアリティについてオープンに語る姿勢を示し、多くの支持を集めました。
2016年、ベロはフランス人シェフのドミニク・クレンと婚約し、以降も二人は公の場で共に登場することが多く、2024年のTime100ガラやエミー賞などのイベントで一緒にレッドカーペットを歩いています。彼女は女性のエンパワーメントやLGBTQ+の権利擁護にも積極的に関与し、ソーシャルアクティビストとしても活動しています。また、2023年には『BEEF』のプロモーションの一環で、自身の経験を基にしたエッセイを発表し、作家としても才能を発揮しています。ベロは私生活とキャリアのバランスを取りながら、自己表現と社会貢献を両立させる姿勢を貫いています。
出演作品
マリア・ベロの出演作品は多岐にわたり、映画とテレビの両方で印象的な役柄を演じてきました。以下は彼女の代表的な作品の一部です。
映画
- パーマネント・ミッドナイト（1998年）：薬物依存症に苦しむ脚本家の恋人役で映画デビュー。
- ペイバック（1999年）：メル・ギブソン主演のクライム映画で脇役を演じる。
- コヨーテ・アグリー（2000年）：ニューヨークのバーで働く女性たちの物語で、バーのオーナー役を好演。
- ザ・クーラー（2003年）：カジノを舞台にしたロマンス映画でウィリアム・H・メイシーと共演。
- ヒストリー・オブ・バイオレンス（2005年）：デヴィッド・クローネンバーグ監督作で、ゴールデングローブ賞ノミネート。
- シークレット・ウィンドウ（2004年）：ジョニー・デップ主演のサスペンス映画で重要な役を演じる。
- ワールド・トレード・センター（2006年）：9/11を題材にしたオリバー・ストーン監督作。
- ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝（2008年）：アクションアドベンチャーシリーズの3作目でエヴリン役。
- ジェイン・オースティンの読書会（2007年）：読書会を通じて人生を見つめ直す女性たちを描く。
- プリズナーズ（2013年）：ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホールと共演したサスペンス。
- ライト／オフ（2016年）：ホラー映画で母親役を演じる。
- マックス・スティール（2016年）：SFアクションでモリー・マクグラス役。
- フェリーニに恋して（2018年）：フェデリコ・フェリーニへのオマージュ作品。
- ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実（2020年）：戦争ドラマで感動的な役柄を演じる。
TV
- ER緊急救命室（1997-1998年）：アンナ・デル・アミコ医師役でブレイク。
- NCIS ネイビー犯罪捜査班（2017-2021年）：ジャクリーン・“ジャック”・スローン役で長期出演。
- BEEF（2023年）：Netflixの限定シリーズで、クリティクス・チョイス・アワード受賞、エミー賞ノミネート。
これらの作品を通じて、ベロはドラマ、アクション、サスペンス、ホラー、コメディなど幅広いジャンルでその演技力を発揮してきました。彼女の役柄は、強い女性像や複雑な感情を持つキャラクターが多く、観客に深い印象を与えています。
まとめ
マリア・ベロは、多才な女優として映画とテレビの両方で活躍し、その演技力で数々の賞にノミネートされてきました。政治学から演技の世界に転身した彼女のキャリアは、舞台から始まり、『ER緊急救命室』や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』での成功を経て、現代のエンターテインメント業界で確固たる地位を築きました。私生活では、バイセクシュアルであることを公表し、ドミニク・クレンとの関係や社会活動を通じて、自己表現と社会貢献を両立しています。彼女の出演作品は多岐にわたり、観客に感動とインスピレーションを与え続けています。今後も彼女の活躍に注目が集まることでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い