若村麻由美は日本の女優。東京都練馬区出身で、トライストーン・エンタテイメントに所属。高校卒業後に無名塾に入塾し、1987年にNHK連続テレビ小説『はっさい先生』でヒロインとしてデビューしました。
以降、映画、テレビドラマ、舞台で幅広く活躍し、日本アカデミー賞優秀助演女優賞や読売演劇大賞優秀女優賞などを受賞しています。日本舞踊坂東流の名取でもあり、優雅で多面的な演技が魅力です。
プロフィール
- 名前:若村麻由美
- 生年月日:1967年1月3日(58歳)
- 出生地:日本国東京都練馬区
- 身長:162 cm
- 血液型:A型
- 職業:女優
- ジャンル:映画・TV・舞台
- 活動期間:1987年 –
- 配偶者:小野兼弘(2003年 – 2007年、死別)
生い立ち・教育
若村麻由美さんは、1967年1月3日に東京都練馬区で生まれました。幼少期から芸術や文化に親しむ環境で育ち、特に日本舞踊に興味を持っていたようです。高校時代に、俳優の仲代達矢さんが主宰する俳優養成所「無名塾」の舞台『ハロルドとモード』を観て感銘を受け、俳優の道を志すようになりました。
淑徳高等学校を卒業後、無名塾の入塾試験に挑み、130倍を超える倍率を突破して合格しました。無名塾では9期生として、田中実さんや藤奈津子さんらと同期となり、厳しい訓練を受けました。この期間中に日本舞踊坂東流の名取となり、師範の資格も取得しています。無名塾での教育は、演技の基礎を徹底的に叩き込むもので、台詞の暗記や身体表現の鍛錬が中心でした。若村さんはここで、役者としての基盤を築き、後の多様な役柄に対応できる柔軟性を養いました。
また、教育面では一般的な高校教育に加え、芸術的な感性を磨く機会が多く、文学や歴史への理解を深めました。この生い立ちと教育が、彼女の洗練された演技スタイルの源となっています。若村さんは、こうした背景から、伝統的な日本文化と現代的な表現を融合させた独自の魅力を発揮しています。無名塾での経験は、デビュー後の活躍に直結し、彼女の人生の転機となりました。入塾3年目には、NHKのオーディションに合格し、プロの道が開けました。この時期の教育は、単なる技術習得にとどまらず、精神的な強靭さを養うものでした。若村さんは、後年のインタビューで、無名塾の厳しさが自分を成長させたと語っています。
こうした生い立ちは、彼女の謙虚で努力家な性格を形成したと言えます。
経歴
若村麻由美さんの経歴は、1987年にNHK連続テレビ小説『はっさい先生』でヒロインの早乙女翠役を演じてデビューしたところから始まります。この役は723名もの応募者の中から選ばれ、一躍注目を集めました。デビュー作で新鮮な演技が評価され、1989年にはエランドール新人賞を受賞しました。
以降、映画やテレビドラマ、舞台で活躍を続けています。1988年のテレビドラマ『飢餓海峡』では、和服姿での大胆なシーンを演じ、女優としての幅を広げました。1991年の映画『フィレンツェの風に抱かれて』では、イタリア人男性とのラブシーンに挑戦し、国際的な役柄もこなしました。
1990年代は、NHK大河ドラマ『春日局』でお楽役、『信長』でなべ役を務め、時代劇での存在感を発揮しました。1999年の映画『金融腐食列島 呪縛』で和田美豊役を演じ、第23回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞しました。
また、2000年のテレビドラマ『柳橋慕情』で第38回ギャラクシー賞個人賞を受賞するなど、賞歴が豊富です。2003年には宗教団体「釈尊会」の代表である小野兼弘さんと結婚し、一時的に芸能活動をセーブしましたが、2007年に夫が肝不全で亡くなった後、本格的に復帰。この時期の経験は、彼女の演技に深みを加えたと言えます。
2010年代以降は、テレビ朝日の人気シリーズ『科捜研の女』で風丘早月役を長年演じ、2021年の劇場版にも出演しました。
舞台では、2017年の『子午線の祀り』や『ザ・空気』で第25回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞し、2018年の『チルドレン』で第44回菊田一夫演劇賞、2019年の『Le Père 父』で第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しています。
2020年代に入り、NHK連続テレビ小説『おちょやん』で山村千鳥役を熱演し、再び注目を集めました。2023年の舞台『ハムレット』では、王妃ガートルード役を務め、野村萬斎さん親子との共演が話題となりました。また、WOWOWのドラマ『沈まぬ太陽』や『黒書院の六兵衛』など、質の高い作品に出演しています。
2024年の映画『私にふさわしいホテル』では東十条千恵子役を演じ、2025年のNHK特集ドラマ『天城越え』で30年後の大塚ハナ役を予定しています。さらに、ラジオやナレーション、バラエティ番組にも進出しており、NHK-FMのドラマや『チコちゃんに叱られる!』へのゲスト出演が目立ちます。若村さんは、伝統芸能と現代劇を自在に行き来する多才さで、幅広い世代から支持されています。
将来的には、2026年の舞台『メアリー・スチュアート』でエリザベス1世役を演じる予定です。この経歴は、彼女の不断の努力と適応力を示しています。
服飾・美容
若村麻由美さんは、日本舞踊坂東流の師範として、着物や伝統的な服飾に深い造詣をお持ちです。舞台やドラマで和服を着用する機会が多く、その美しい着こなしが注目されています。例えば、時代劇での着物姿は、顔立ちの美しさを引き立て、逆にお顔が着物を際立たせると評判です。2024年の雑誌『美しいキモノ』や2025年の『きものと』で連載され、着物の選び方やコーディネートについて語っています。愛用品として、シンプルで上質な着物を好み、日常でも着用する機会を増やしているそうです。
美容面では、ヘアスタイルの多様性が魅力で、ショートボブからロングヘア、着物に合うアップスタイルまで自在に変化させます。ストレートロングのブラウンヘアでタイトな印象を与えたり、ふんわりパーマで柔らかい雰囲気を演出したりします。舞台『ハムレット』では金髪の王妃役を演じ、新鮮なイメージを与えました。髪型のオーダー法として、ベースをボブにし、スタイリングで調整するのがポイントで、褪色を考慮したカラーリングを推奨しています。マイブームは朝風呂とごぼう茶で、肌の健康を保つために取り入れています。フレグラボのインタビューでは、香りや美容ルーチンについて触れ、自然派のスキンケアを好むと述べています。
全体として、ナチュラルでエレガントなスタイルを保ち、年齢を重ねるごとに洗練された美しさを発揮しています。若村さんは、美容を内面からの輝きとして捉え、役柄に合わせて外見を変化させるプロフェッショナルです。この服飾・美容の取り組みは、彼女のライフスタイルを反映しています。
私生活
若村麻由美さんの私生活は、比較的プライベートを保ったものですが、いくつかのエピソードが知られています。2003年に、宗教団体「釈尊会」の代表である小野兼弘さんと結婚しました。出会いは日本舞踊の関係者を通じてで、互いの価値観が合致したそうです。小野さんは体重150キロを超える体躯でしたが、優しい性格で、若村さんを支えました。しかし、2007年に小野さんが肝不全で亡くなり、大きな喪失を経験しました。この出来事は、彼女の人生観に影響を与え、芸能活動の再開に繋がりました。現在は独身で、仕事に集中しているようです。
SNSとしてInstagramとFacebookを公式に運用しており、舞台の告知や日常の写真を投稿しています。偽アカウントの注意喚起を度々行い、ファンとのつながりを大切にしています。私生活では、朝風呂やごぼう茶を習慣とし、健康管理に努めています。また、麻由美セレクトというプロジェクトを通じて、公演やイベントに参加し、ファンとの交流を楽しんでいます。
家族については詳細が公表されていませんが、練馬区出身の生い立ちから、地元愛が強いようです。若村さんは、仕事と私生活のバランスを上手く取り、精神的な充実を図っています。この私生活の姿勢が、彼女の穏やかで魅力的な人柄を表しています。
出演作品
映画
- フィレンツェの風に抱かれて – 小泉公美子(1991年)
- 福沢諭吉 – お綿(1991年)
- 仔鹿物語 – 春子先生(1991年)
- 子連れ狼 その小さき手に – 七生(1993年)
- 月光の夏 – 公子(1993年)
- 金融腐食列島 呪縛 – 和田美豊(1999年)
- ラストシーン – 三原千鶴(2002年)
- 白い犬とワルツを – 恵美(2002年)
- 蒼き狼 地果て海尽きるまで – ホエルン(2007年)
- 神様のパズル(2008年)
- 天使の恋 – 小澤絢子(2009年)
- 臨場 劇場版 – 関本直子(2012年)
- ナイトピープル – 花宮慧子(2013年)
- 一粒の麦 荻野吟子の生涯 – 荻野吟子(2019年)
- みをつくし料理帖 – 芳(2020年)
- 科捜研の女 劇場版 – 風丘早月(2021年)
- 老後の資金がありません! – 桜井志津子(2021年)
- 私にふさわしいホテル – 東十条千恵子(2024年)
劇場アニメ
- チスト みどりのおやゆび – メール(1990年)
テレビドラマ(NHK)
- はっさい先生 – 早乙女翠(1987-1988年)
- 春日局 – お楽(1989年)
- 理想の男性 – 庄田美恵(1990年)
- 近松青春日記 – はつ(1991年)
- 信長 – なべ(1992年)
- 新十津川物語 大正編 – 中崎あや(1992年)
- 愛が聞こえます – 水原瞳(1993年)
- 北山一平アイラブ人生(1994年)
- 女たちの帝国(1997年)
- 素敵にライバル – 恵利(1999年)
- 篤姫 – 観行院(2008年)
- 刑事の現場 – 筒井薫(2009年)
- 純と愛 – 待田多恵子(2012-2013年)
- 花燃ゆ – 椋梨美鶴(2015年)
- 半分、青い。 – 佐野弓子(2018年)
- おちょやん – 山村千鳥(2020-2021年)
- しかたなかったと言うてはいかんのです – 三浦清子(2021年)
- 忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段 – 志賀山お俊(2021年)
- プリズム – 前島梨沙子(2022年)
- 善人長屋 第2話 – お才(2022年)
- 大富豪同心 第3シリーズ – おカネ(2023年)
- 天城越え – 30年後の大塚ハナ(2025年)
テレビドラマ(日本テレビ)
- 花嵐の森ふかく(1988年)
- 過失(1989年)
- 自白調書(1989年)
- 家紋 – 雪代(1990年)
- 顔を隠す女 – 水城とき子(1991年)
- 六月の花嫁シリーズ 結婚の行方 – 妹尾圭子(1991年)
- 京都・女性記者シリーズ – 村上桂(1994-1995年)
- オンリー・ユー 愛されて(1996年)
- 王様の心臓 リア王より – 刈谷ゆり(2007年)
- 桜からの手紙 AKB48 それぞれの卒業物語 – 谷崎杏子(2011年)
- リバウンド – 森中蘭(2011年)
- トッカン 特別国税徴収官 – 白川耀子(2012年)
- 黒い十人の女 – 風睦(2016年)
- 真実の裁判ファイル(2017年)
テレビドラマ(TBS)
- HOTEL – 中島淳子(1990年)
- 源氏物語 上の巻・下の巻 – 女三の宮(1991年)
- 泣きたい夜もある(1993年)
- 大忠臣蔵 – 瑤泉院(1994年)
- 肩ごしの恋人 – 高野逸子(2007年)
- 水戸黄門 第39部 第14話 – お貴和の方(2009年)
- おんな風来マジシャン マリコの殺人事件簿 – オードリー・マリコ(2010年)
- 獣医ドリトル – 赤井明子(2010年)
- 生まれる。 – 川上千恵(2011年)
- 水戸黄門 第42部 第18話 – おちょう(2011年)
- レジデント 5人の研修医 – 上野薫(2012年)
- 美しき罠 残花繚乱 – 柏木美津子(2015年)
- ホテルコンシェルジュ – 片桐美穂子(2015年)
テレビドラマ(フジテレビ)
- 飢餓海峡 – 杉戸八重(1988年)
- 隅田川セレナーデ(1990年)
- 世にも奇妙な物語 記憶の沼 – 菅沼真紀子(1991年)
- 忠臣蔵 風の巻・雲の巻 – 浮橋太夫(1991年)
- 球形の荒野 – 野上久美子(1992年)
- 夏子の酒 – 佐伯和子(1994年)
- 清水次郎長物語 – お蝶(1995年)
- 御家人斬九郎 – 蔦吉(1995-2002年)
- もう我慢できない! – 福本さやか(1996年)
- 霧の旗 – 柳田桐子(1997年)
- 秋刀魚の味 – 堀江タマ子(2003年)
- キャリア探偵日菜子の調査ファイル – 矢代日菜子(2003年)
- 白い巨塔 – 財前杏子(2003-2004年)
- 夜桜お染 – 夜桜お染(2003-2004年)
- 八つ墓村 – 森美也子(2004年)
- 鬼平犯科帳 兇賊 – おもん(2006年)
- セレブと貧乏太郎 – 美田園真紀子(2008年)
- 木枯し紋次郎 – お市(2009年)
- 鬼平犯科帳 一寸の虫 – お幸(2011年)
- 花ざかりの君たちへ イケメン☆パラダイス 2011 – 樹さくら(2011年)
- 鴨、京都へ行く。 – 梅垣鈴風(2013年)
- 福家警部補の挨拶 – 小木野マリ(2014年)
- 世にも奇妙な物語 冷える – 志倉頼子(2014年)
- 私という名の変奏曲 – 高木史子(2015年)
- 鬼平犯科帳 THE FINAL 前編 – お吉(2016年)
- 跳びおりる – 大山サツキ(2017年)
- 海月姫 – リナ(2018年)
- 結婚相手は抽選で – 小野寺友紀子(2018年)
- シャーロック アントールドストーリーズ 第5話 – 乾千沙子(2019年)
- この素晴らしき世界 – 浜岡妙子/若菜絹代(2023年)
- 世にも奇妙な物語 追憶の洋館 – 雨霧梢(2024年)
テレビドラマ(その他)
- 科捜研の女 – 風丘早月(2015-2025年、テレビ朝日)
- ハケン占い師アタル – キズナ(2018年、テレビ朝日)
- ザ・トラベルナース – 八木めぐみ(2024年、テレビ朝日)
- 緊急取調室 – 倉持利津子(2025年、テレビ朝日)
- 沈まぬ太陽 – 行天麗子(2016年、WOWOW)
- 黒書院の六兵衛(2018年、WOWOW)
舞台
- ザ・空気(2017年)
- 子午線の祀り(2017年)
- チルドレン – ローズ(2018年)
- Le Père 父 – アンヌ(2019年)
- ハムレット – ガートルード(2023年)
- La Mere 母 / Le Fils 息子(2024年)
- 陽気な幽霊 – エルビラ(2025年)
- 飛び立つ前に – マドレーヌ(2025-2026年)
- メアリー・スチュアート – エリザベス1世(2026年)
- 若村麻由美の劇世界「あこがれいづる」源氏物語より(2024年)
その他(ラジオ・ナレーションなど)
- NHK-FMシアター 赤いあと – 加納幸乃(2023年)
- 世界ふれあい街歩き(2024年、ナレーション)
- 京都 よみがえる黄金空間(2018-2019年、ナレーション)
- 岡田惠和 今宵、ロックバーで(2025年)
- チコちゃんに叱られる!(2019-2025年)
- ネプリーグ(2023-2024年)
- ヒロインたちが語る BK朝ドラ大特集(2025年)



レビュー 作品の感想や女優への思い