『ラブ・レクチャー セックスの指南書』(原題:Misogynist)は、女性を屈辱で支配する方法を教える男とその影響を受けた青年の物語。愛と暴力が交錯するエロティック・サスペンス。2013年米国製作、75分。イヴ・マウロとトレイシー・E・ブレッグマンという二人の女優が主要な役割で出演。
基本情報
- 邦題:ラブ・レクチャー セックスの指南書
- 原題:Misogynist
- 公開年:2013年
- 製作国:米国
- 上映時間:75分
- ジャンル:スリラー
見どころ
屈辱を与えることで女性を支配し操る恋愛を指南する男と、彼を師と仰ぐ青年に待ち受ける結末とは?『クリスマスハウス』のゲイ役で人気を博したジョナサン・ベネット主演。
あらすじ
恋人との関係に悩むハリソンは、謎めいた男トレバーと出会います。トレバーは、女性を言葉や威圧で屈辱を与えることで支配する方法を若い男たちに指南する人物です。ハリソンはトレバーの思想に魅了され、3年後には彼のアシスタントとしてレクチャーを手伝うようになります。しかし、このレクチャーは、女性を尊重せず、暴力的な支配を推奨する異常な内容です。ハリソンはトレバーの指導に従いながらも、次第にその過激な手法とトレバーの真意に疑問を抱き始めます。
一方、トレバーの過去と本当の目的が明らかになるにつれ、ハリソンは予想外の計画に巻き込まれていることに気付きます。物語は、愛と憎しみ、支配と裏切りが絡み合うサスペンスフルな展開へと進み、トレバーの正体と彼の行動の背後にある動機が明らかにされるクライマックスへと突き進みます。この映画は、女性蔑視という重いテーマを扱いながら、心理的な緊張感と過激な描写で観客を引き込むエロティック・サスペンスです。
女優の活躍
『ラブ・レクチャー セックスの指南書』には、イヴ・マウロとトレイシー・E・ブレッグマンという二人の女優が主要な役割で出演しています。
イヴ・マウロは、トレバーのレクチャーに関わる女性キャラクターとして登場し、物語の中心的な緊張感を高める役割を果たしています。彼女の演技は、トレバーの支配的な手法に直面しながらも、複雑な感情や抵抗を表現する場面で特に光ります。マウロは、感情の機微を繊細に演じ、観客にキャラクターの内面的な葛藤を伝えています。
一方、トレイシー・E・ブレッグマンは、物語の鍵を握る重要な脇役として登場し、トレバーの行動の背景や動機に深く関わるキャラクターを演じています。彼女の存在感は、物語の後半で特に際立ち、トレバーの過去や目的を解き明かす上で重要な役割を果たします。
両女優ともに、限られた出番の中で強い印象を残し、物語のテーマである女性蔑視や支配に対する抵抗や影響を体現しています。
女優の衣装・化粧・髪型
『ラブ・レクチャー セックスの指南書』における女優の衣装、化粧、髪型は、映画のダークでエロティックな雰囲気を強調する要素として慎重に設計されています。イヴ・マウロの衣装は、現代的で都会的なスタイルを基調としつつ、トレバーのレクチャーシーンでは、やや露出度の高い衣装やタイトなドレスが用いられることがあります。これらの衣装は、物語のテーマである「支配と屈辱」を視覚的に表現し、トレバーの思想が女性に与える影響を象徴しています。彼女の化粧は、シーンに応じてナチュラルからやや濃い目のメイクまで変化し、特に緊迫した場面では、ダークなアイメイクや赤い口紅がキャラクターの強さや感情的な不安定さを強調します。髪型は、ルーズなウェーブやタイトなアップスタイルが採用され、彼女のキャラクターが置かれた状況や心理状態を反映しています。
一方、トレイシー・E・ブレッグマンの衣装は、より落ち着いたトーンのドレスやカジュアルな装いが中心で、彼女のキャラクターの背景や物語における役割を反映しています。彼女の化粧は控えめで、ナチュラルなトーンが主ですが、物語の後半では、感情的なシーンでやや強調されたメイクが見られます。髪型は、シンプルなストレートや軽く巻いたスタイルが中心で、彼女の年齢や社会的立場を表現しています。全体として、衣装やメイク、髪型は、映画のテーマやキャラクターの心理を補強する重要な要素として機能しています。
解説
『ラブ・レクチャー セックスの指南書』(原題:Misogynist)は、女性蔑視という重いテーマを扱ったエロティック・サスペンス映画です。原題の「Misogynist」(女性嫌悪者)が示す通り、物語は女性に対する支配や暴力的な思想を中心に展開し、その背後にある心理や社会的な問題を描き出します。監督のマイケル・マッテオ・ロッシは、低予算ながらも緊張感のある演出で、トレバーの異常な思想とそれに影響される若者たちの葛藤を描写しています。映画の邦題は、性的な要素や恋愛指南を強調していますが、実際の内容は、女性蔑視や心理的な支配をテーマにしたダークなサスペンスであり、観客に強い不快感や議論を呼び起こす可能性があります。レビューでは、邦題が内容と乖離しているとの批判が多く、原題の「Misogynist」が物語の核心をより正確に表現しているとされています。映画は、トレバーのレクチャーシーンを通じて、男性優位主義や有害なマスキュリニティを批判的に描こうと試みており、特にハリソンの視点を通じて、こうした思想に染まる過程やその結果生じる破壊的な影響を探ります。しかし、一部の批評家からは、ストーリーの展開が単調であったり、テーマの扱いが表面的であるとの意見も見られます。それでも、ジョナサン・ベネットの主演としての存在感や、女優陣の感情的な演技は、映画の緊迫感を高める要素として評価されています。本作は、過激なテーマを扱うため、視聴者を選ぶ作品ですが、女性蔑視や有害な思想の影響について考えるきっかけを提供する作品と言えるでしょう。
キャスト
- ジョナサン・ベネット(ハリソン役):恋人との関係に悩む青年で、トレバーの思想に影響される主人公。『ミーン・ガールズ』で知られる。
- ジョン・ブリデル(トレバー役):女性を支配する方法を教える謎めいた男。物語の中心的な悪役。
- イヴ・マウロ:トレバーのレクチャーに関わる女性キャラクター。感情的な演技で物語に深みを加える。
- トレイシー・E・ブレッグマン:トレバーの過去や動機に関わる重要な脇役。物語の後半で強い印象を残す。
- ダニエル・ロゾー:トレバーのレクチャーを受ける若者の一人。物語の補助的な役割を担う。
スタッフ
- 監督:マイケル・マッテオ・ロッシ
- 脚本:マイケル・マッテオ・ロッシ
- 製作:マイケル・マッテオ・ロッシ、クリス・ブラック、マリア・コチャリャン
- 撮影:オースティン・ノーデル
- 編集:オースティン・ノーデル
レビュー 作品の感想や女優への思い