ニューヨーク市は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に位置する全米最大の都市。人口約847万人(2024年推定)、面積約778.2 km²で、5つの行政区(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランド)から成ります。世界的な金融・文化・エンターテインメントの中心地であり、国連本部所在地でもあります。
歴史
ニューヨーク市の歴史は、17世紀初頭に遡ります。以下にその主要な歴史的出来事を整理してご紹介します。
ニューヨーク市の歴史
- 1624年オランダ植民地時代オランダ人がマンハッタン島に「ニューアムステルダム」を設立。1626年、ピーター・ミヌイットが先住レナペ族からマンハッタン島を約24ドル相当の品物で購入したとされる。これは植民地拡大の初期の例であり、交易拠点としての役割が始まった。
- 1664年イギリス領へイギリスがニューアムステルダムを占領し、「ニューヨーク」と改名。ヨーク公(後のジェームズ2世)にちなむ。この時期からイギリス文化の影響が強まり、都市の発展が加速した。
- 18世紀アメリカ独立戦争1776年、独立戦争中にイギリス軍がニューヨークを占領。戦争終結後、1783年のパリ条約でアメリカの独立が認められ、ニューヨークは一時的に新国家の首都となった(1785~1790年)。
- 19世紀急成長と移民の波1825年のエリー運河開通により、ニューヨークは中西部との交易で繁栄。19世紀後半にはアイルランド、ドイツ、イタリアなどからの大量の移民が流入。「人種のるつぼ」として知られる多文化都市の基盤が形成された。セントラル・パーク(1858年着工)やブルックリン橋(1883年開通)など、都市インフラも整備された。
- 20世紀近代化と世界的地位の確立1900年代初頭、摩天楼の建設ラッシュ(エンパイア・ステート・ビルディングなど)が起こり、都市の象徴的なスカイラインが形成された。1929年のウォール街大暴落は世界恐慌の引き金となったが、ニューヨークは金融の中心地として復興。第二次世界大戦後は国連本部の設置(1952年)により、国際政治の中心地ともなった。
- 1970年代経済的苦境と治安悪化1970年代は財政危機と犯罪率の上昇により「暗黒の時代」とも呼ばれる。地下鉄や街は落書きに覆われ、治安が悪化した。しかし、1980年代以降の経済回復と都市再生計画により、タイムズスクエアなどの再開発が進んだ。
- 2001年9/11テロ2001年9月11日、ワールドトレードセンターがテロ攻撃により崩壊。約3,000人が犠牲となり、都市と世界に深い傷を残した。現在、跡地にはワン・ワールドトレードセンターが建ち、復興のシンボルとなっている。
- 現代多様性と持続的発展21世紀のニューヨークは、移民の多様性(人口の36.7%が外国生まれ)とハイテク産業の成長で知られる。気候変動対策や持続可能な都市開発にも注力し、グローバル都市としての地位を維持している。
登場する映画
ニューヨーク市は、その象徴的な景観と文化的魅力から、数多くの映画の舞台となっています。以下に代表的な作品とその特徴を挙げます。
- ティファニーで朝食を(1961年):オードリー・ヘプバーン主演のロマンティックコメディ。マンハッタンの5番街にあるティファニー本店やニューヨーク公共図書館が登場。ニューヨークの上流階級の華やかな生活を描く。
- ゴーストバスターズ(1984年):トライベッカの消防署(フック&ラダー8番)がゴーストバスターズの本部として登場。自由の女神やセントラル・パークも重要なシーンで使われ、ニューヨークのユーモラスな魅力を引き立てる。
- 恋人たちの予感(1989年):メグ・ライアンとビリー・クリスタル主演。ロウアー・イースト・サイドのKatz’s Delicatessenで撮影された有名なレストランシーンは、ニューヨークの日常的な魅力を象徴。
- ホーム・アローン2(1992年):クリスマスのニューヨークを舞台に、マコーレー・カルキンがプラザホテルやロックフェラーセンターで冒険を繰り広げる。冬のニューヨークの魔法のような雰囲気が特徴。
- マンハッタン(1979年):ウディ・アレン監督のモノクロ作品。クイーンズボロ橋やセントラル・パークの美しい風景が登場し、ニューヨークの知的な文化人を描く。
- キングコング(1933年、2005年リメイク):エンパイア・ステート・ビルディングの頂上でキングコングが戦闘機と戦うシーンは、ニューヨークの象徴的ランドマークを印象づける。
- スパイダーマン(2002年~):フラットアイアンビルがデイリービューグル紙のオフィスとして登場。マンハッタンのビル群を飛び回るスパイダーマンは、ニューヨークのダイナミズムを体現。
- ウエスト・サイド物語(1961年、2021年):1950年代のマンハッタン・ウエストサイドを舞台にしたミュージカル。移民社会の対立と恋愛を描き、ニューヨークの多文化性を反映。
- ジョーカー(2019年):ブロンクスの「ジョーカー階段」(1150 Anderson Avenue)がカルト的な人気を集める。1970~80年代の荒廃したニューヨークをモデルにしたゴッサムシティが舞台。
- ニューヨーク1997(1981年):ジョン・カーペンター監督のSFアクション。犯罪都市と化したマンハッタンを舞台に、カート・ラッセル演じるスネーク・プリスキンが活躍。
出身女優
ニューヨーク市は多くの才能ある女優を輩出しています。以下に代表的な女優とその経歴を紹介します。
- スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson):1984年11月22日、ニューヨーク市マンハッタン生まれ。映画『ホース・ウィスパラー』(1998年)で注目を集め、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)で世界的な評価を得る。マーベル映画『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドウ役で知られ、アカデミー賞候補にもなった(『マリッジ・ストーリー』『ジョジョ・ラビット』、2020年)。ニューヨークの多文化的環境が彼女の多様な役柄への適応力を育んだ。
- レディー・ガガ(Lady Gaga、本名:ステファニー・ジョアン・アンジェリーナ・ジャーマノッタ)
1986年3月28日、ニューヨーク市マンハッタン生まれ。歌手として成功後、映画『アリー/ スター誕生』(2018年)で主演女優として高い評価を受け、アカデミー歌曲賞を受賞。『ハウス・オブ・グッチ』(2021年)でも演技力を発揮。ニューヨークのアートシーンで育った感性が彼女の表現力に影響を与えている。 - ジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)
1990年8月15日、ニューヨーク市近郊生まれ(ケンタッキー州育ち)。『ウィンターズ・ボーン』(2010年)でアカデミー賞候補となり、『ハンガー・ゲーム』シリーズ(2012~2015年)で世界的スターに。『世界にひとつのプレイブック』(2012年)でアカデミー主演女優賞受賞。ニューヨークの演劇コミュニティで磨かれた演技力が評価されている。 - ロージー・ペレス(Rosie Perez)
1964年9月6日、ニューヨーク市ブルックリン生まれ。プエルトリコ系アメリカ人として、映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)でデビュー。『フィアレス』(1993年)でアカデミー助演女優賞候補に。ブルックリンの多様な文化を背景に、社会問題をテーマにした作品で活躍。 - アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)
1982年11月12日、ニューヨーク市ブルックリン生まれ。『プリティ・プリンセス』(2001年)でブレイクし、『レ・ミゼラブル』(2012年)でアカデミー助演女優賞を受賞。『プラダを着た悪魔』(2006年)ではニューヨークのファッション業界を舞台に活躍。地元の演劇学校での訓練が彼女のキャリアを支えた。
まとめ
ニューヨーク市は、その多様性、歴史的背景、文化的影響力から、映画や女優の輩出において世界的に重要な都市です。金融やエンターテインメントの中心地としてだけでなく、移民の歴史や再生の物語を通じて、人々を引きつける魅力を持っています。映画のロケ地巡りや出身女優の活躍を通じて、ニューヨークの多面的な魅力を感じていただければ幸いです。
レビュー 作品の感想や女優への思い