『アンダードッグ 二人の男』は、2016年の韓国映画。ソウルのストリートでその日暮らしを送る家出青少年ジニルと、違法風俗店を営む男ヒョンソクが、愛する者を守るために激しく衝突するクライム・アクション。SHINeeのミンホが映画初主演を務め、マ・ドンソクと共演した釜山国際映画祭招待作品です。
基本情報
- 邦題:アンダードッグ 二人の男
- 原題:두 남자
- 英題:Derailed/No Way to Go
- 公開年:2016年
- 製作国・地域:韓国
- 上映時間:92分
- ジャンル:アクション
女優の活躍
ガヨン役を演じたダウンは、本作で重要な位置を占める家出少女として、脆弱でありながら芯の強さを感じさせる演技を披露しています。
元K-POPグループ2Eyesのメンバーでもあるダウンは、路上生活を送る少女の不安や恋する相手への想いを、言葉少なながらも表情や仕草で丁寧に表現しています。特にヒョンソクに捕まり風俗店で働くことになる場面では、抵抗と諦めが入り混じった複雑な感情を自然に演じ、ジニルとの関係性に深みを与えています。
もう一人の女性キャラクターであるミンギョン役のペク・スミンも、グループの一員としてジニルたちを支える存在感を見せ、若者たちの絆を印象づける活躍をしています。男性中心のアクション映画の中で、二人の女性が物語の感情的な軸を担っている点が特徴的です。
女優の衣装・化粧・髪型
ガヨンのビジュアルは、社会の底辺で生きる少女らしい現実味のあるもので統一されています。
衣装は主にカジュアルなパーカーやジャケット、ジーンズなど、ストリートを日常とする若者らしい実用的な服装です。清潔感はあるものの新品ではない質感が、経済的な余裕のなさを自然に表しています。風俗店で働く場面では、より露出の多い衣装に変わることで、置かれた状況の変化が視覚的に強調されています。
髪型は長めのストレートやゆるいウェーブで、手入れされているものの完璧ではない自然な印象です。化粧は薄めのナチュラルメイクを基調とし、状況によっては少し濃いめのアイメイクを施すことで、少女と大人の狭間にいる複雑な存在感を演出しています。全体として、過度に華美にならないことで、物語のリアリティを損なわない配慮がなされています。
あらすじ
家出した青少年たちと共に暮らすジニルは、恋人のガヨンや仲間のボンギルらと盗みを繰り返しながら日々を凌いでいます。
ある日、生活費が尽きたことをきっかけに、ガヨンが中年男性をモーテルに誘い金を奪う計画を実行しようとします。相手となったのは違法カラオケ店を営むヒョンソクでした。計画は失敗し、ジニルとボンギルはヒョンソクを倒して高級車を奪いますが、後にヒョンソクに捕まります。
車の弁償金を課せられたジニルたちは、ガヨンをヒョンソクの店で働かせることで返済を求められます。ガヨンを守りたい一心のジニルは必死に金を集めますが、思うようにいかず、ついにヒョンソクの娘を拉致して交換を要求する事態に発展します。過去に因縁のある資産家の息子ソンフンも介入し、事態はさらに混迷を深めていきます。
解説
本作は、2016年に韓国で公開されたクライムアクション映画です。監督・脚本をイ・ソンテが務め、第21回釜山国際映画祭の「韓国映画の今日-パノラマ部門」に公式招待されました。
物語の中心にあるのは、社会の底辺に生きる若者たちと、同じく行き場を失いつつある大人の男の衝突です。ジニルは仲間を守ろうとする義理堅さを持ちながらも、手段を選ばない危うさを抱えています。一方のヒョンソクは娘を溺愛する父親でありながら、違法な商売で生計を立てる矛盾した存在です。この二人の関係性が、単純な善悪を超えた人間ドラマを生み出しています。
ミンホは映画初主演ながら、不良青年の荒々しさと繊細さをバランスよく演じ、アイドルとしてのイメージを打ち破る演技を見せています。マ・ドンソクは『新感染 ファイナルエクスプレス』でのブレイク後の作品として、肉体的な迫力だけでなく内面的な葛藤も表現し、作品に重みを与えています。アクションシーンは派手さよりも痛みや現実味を重視した描写が特徴で、韓国クライム映画らしいハードなトーンが貫かれています。
興行的には大きな成功とは言えませんでしたが、釜山国際映画祭での上映時には注目を集め、その後日本でもWOWOW放送を経て劇場公開されました。社会の格差や若者の孤立を背景に、愛する者を守るための選択の危うさを描いた作品として位置づけられます。
キャスト
- ミンホ:ジニル
- マ・ドンソク:ヒョンソク
- ダウン:ガヨン
- キム・ジェヨン:ソンフン
- イ・ユジン:ボンギル
- ペク・スミン:ミンギョン
スタッフ
- 監督・脚本:イ・ソンテ
- 製作:キム・サンウ
- 撮影:チ・スンウ
- 編集:キム・ギョンジン
- 音楽:パク・キホン
- 配給:シネグル・キダリENT



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