『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)カリブ海を舞台に、呪われた海賊と若者たちが織りなす冒険活劇。ジャック・スパロウとウィル・ターナーが、誘拐されたエリザベスを救うため、呪われた黒真珠号に立ち向かう。
基本情報
- 邦題:パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
- 原題:Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl
- 公開年:2003年
- 製作国:米国
- 上映時間:143分
- ジャンル:アクション、アドベンチャー・冒険
- 配給:ブエナビスタ
あらすじ
17世紀のカリブ海、ポートロイヤルの総督の娘エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)は、海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と出会う。彼女は幼い頃に手に入れた謎のメダルを身につけており、それが原因で呪われた海賊船「黒真珠号」の船長バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)率いる海賊たちに誘拐される。このメダルは、アステカの金貨の一部であり、呪いを解く鍵だった。一方、鍛冶屋のウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)はエリザベスを愛しており、彼女を救うため、ジャックと手を組む。ジャックはかつて黒真珠号の船長だったが、バルボッサに裏切られ船を奪われた過去を持つ。二人は黒真珠号を追い、呪われた海賊たちとの戦いに挑む。呪いの正体は、月光の下で骸骨に変身する不死身の体。ジャックとウィルは、エリザベスを救い、呪いを解くため、知恵と勇気を振り絞る。海戦、裏切り、ユーモアが織り交ざる壮大な冒険が展開される。
解説
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』は、ディズニーランドの人気アトラクションを基にした冒険映画で、ゴア・ヴァービンスキー監督が手掛けた。公開当時、テーマパークのアトラクションを原作とする映画は成功が疑問視されていたが、本作は壮大なビジュアル、魅力的なキャラクター、ユーモラスな脚本で大ヒット。シリーズ化され、現代の海賊映画の金字塔となった。ジョニー・デップのジャック・スパロウは、独特の仕草やウィットに富んだ台詞で観客を魅了し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。映画は海賊の浪漫と冒険心を現代的な映像技術で描き、アクションとコメディのバランスが絶妙。音楽はクラウス・バデルトとハンス・ジマーが担当し、壮大なテーマ曲が作品の雰囲気を高めた。視覚効果も高く評価され、アカデミー賞の視覚効果賞などにノミネートされた。物語は単なる冒険譚にとどまらず、友情、愛、裏切りといったテーマを織り交ぜ、幅広い層に訴求する作品となっている。
女優の活躍
本作でエリザベス・スワンを演じたキーラ・ナイトレイは、当時19歳という若さで世界的な注目を集めた。彼女の演技は、気品ある総督の娘でありながら、芯の強い女性像を見事に表現。物語の序盤では、伝統的なドレスを着たお嬢様として登場するが、誘拐され海賊たちと対峙する中で、勇敢で機転の利く一面を見せる。特に、バルボッサとの交渉シーンでは、機知に富んだ対応で観客を引き込む。ナイトレイは、アクションシーンでも果敢に挑み、剣を手に戦う姿や、危機的状況での冷静な判断力を演じ、ヒーロー的な女性キャラクターとして際立った。彼女の演技は、単なるヒロインの枠を超え、物語の鍵を握る存在感を示した。この役でナイトレイは一躍スターとなり、以降のシリーズでも重要な役割を担った。
また、ゾーイ・サルダナが演じたアナマリアも印象的。短い出演ながら、海賊としての強さと個性を発揮し、ジャックとの掛け合いで独特の魅力を放った。両女優とも、男社会の海賊世界で存在感を示し、物語に深みを加えた。
女優の衣装・化粧・髪型
キーラ・ナイトレイ演じるエリザベスの衣装は、物語の進行に合わせて変化し、彼女のキャラクターの成長を象徴している。冒頭では、総督の娘として豪華なコルセットドレスを着用。淡いピンクやクリーム色のドレスは、18世紀の貴族女性らしい優雅さを強調し、複雑なレースや刺繍が施されている。コルセットによる息苦しさは、彼女の抑圧された立場を暗に示す。誘拐後は、海賊船での生活を反映し、簡素なシャツとズボンに変わる。この衣装は動きやすく、彼女の行動的な一面を引き立てる。化粧は控えめで、ナチュラルな美しさを強調。日焼けや汚れが加わることで、過酷な環境への適応が表現される。髪型は、序盤では丁寧に編まれたアップスタイルだが、物語が進むにつれ、風になびくルーズなスタイルに変化し、自由奔放な精神を象徴。
ゾーイ・サルダナのアナマリアは、海賊らしいラフなシャツと革のベルト、帽子を着用。化粧は最小限で、ワイルドな印象を与える。髪は短くまとめられ、活動的な海賊の生活を反映。両者とも、衣装と髪型がキャラクターの個性と物語の状況を効果的に表現している。
キャスト
- ジョニー・デップ:ジャック・スパロウ(風変わりな海賊、黒真珠号の元船長)
- キーラ・ナイトレイ:エリザベス・スワン(総督の娘、勇敢なヒロイン)
- オーランド・ブルーム:ウィル・ターナー(鍛冶屋、剣の達人)
- ジェフリー・ラッシュ:バルボッサ(黒真珠号の船長、呪われた海賊)
- ゾーイ・サルダナ:アナマリア(海賊、ジャックと因縁を持つ)
- ジョナサン・プライス:ウェザビー・スワン(エリザベスの父、総督)
- ジャック・ダヴェンポート:ノリントン(海軍司令官、エリザベスの求婚者)
- ケヴィン・マクナリー:ギブス(ジャックの忠実な仲間)
スタッフ
- 監督:ゴア・ヴァービンスキー
- 脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
- 製作:ジェリー・ブラッカイマー
- 音楽:クラウス・バデルト、ハンス・ジマー
- 撮影:ダリウス・ウォルスキー
- 編集:クレイグ・ウッド、アーサー・シュミット、スティーヴン・リヴキン
- 美術:ブライアン・モリス
- 視覚効果監修:ジョン・ノール
レビュー 作品の感想や女優への思い