『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』は、世界的ヒットを記録したガールズアカペラムービー「ピッチ・パーフェクト」シリーズの完結編。大学卒業後のベラーズのメンバーたちが再結成し、米軍慰問ツアーで新たな挑戦に挑む姿を描いたコメディミュージカルです。友情、恋愛、夢をパワフルなアカペラパフォーマンスとともに繰り広げ、笑いと感動のラストステージをお届けします。2017年米国製作、93分の上映時間で、G指定の全年齢対象作品。
基本情報
- 邦題:ピッチ・パーフェクト ラストステージ
- 原題:Pitch Perfect 3
- 公開年:2017年
- 製作地:米国
- 上映時間:93分
- ジャンル:音楽、青春
- 配給:パルコシンカ
女優の活躍
本作では、シリーズを通じて中心を担う女優たちが存分に活躍し、歌唱力と演技力を発揮しています。主人公ベッカ役のアナ・ケンドリックスは、卒業後の現実的な苦悩を繊細に表現しつつ、グループのリーダーとしてメンバーたちをまとめ上げる頼もしい姿を見せます。彼女のクリアなボーカルが、物語の感情的なクライマックスを支えています。
一方、ファット・エイミー役のレベル・ウィルソンは、コミカルなアドリブとエネルギッシュなパフォーマンスで観客を爆笑させ、グループのムードメーカーとして欠かせない存在です。彼女のユーモアあふれるシーンは、作品の軽快さを象徴しています。また、ヘイリー・スタインフェルド演じるエミリーは、新人から成長した自信に満ちた歌声で、自身の夢に向き合う内面的な葛藤を深く掘り下げ、シリーズの橋渡し役として輝きます。ブリタニー・スノウのクロエは、優しい歌声と母性的な包容力でグループを癒し、感動的なハーモニーを生み出します。これらの女優たちは、単なる歌唱だけでなく、ダンスやコメディ要素を融合させた多角的な活躍で、ベラーズの絆を体現しています。
エリザベス・バンクスの監督兼プロデューサーとしての視点も、女優たちの魅力を最大限に引き出しており、女性中心のキャスティングが作品の魅力の核心です。
女優の衣装・化粧・髪型
本作の衣装は、ベラーズのアイデンティティを象徴する鮮やかな赤を基調としたユニフォームが中心で、ステージ衣装として機能的なショートパンツやクロップトップが用いられ、動きやすさとセクシーさを両立しています。日常シーンでは、カジュアルなデニムやTシャツが登場し、卒業後の現実味を演出。化粧はナチュラルメイクが主流で、ステージでは輝くリップとアイラインで華やかさを加え、女優たちの自然な美しさを強調します。髪型は、ベッカのロングストレートヘアがエレガントさを、ファット・エイミーのカーリーヘアが個性を、クロエのブロンドウェーブが優しさを表し、パフォーマンス中はポニーテールやアップスタイルで統一感を出しています。これらのスタイリングは、女優たちのキャラクター性を視覚的に強化し、観客に鮮烈な印象を残します。衣装デザイナーのジュリアン・ファーガソンは、シリーズの伝統を継承しつつ、ツアーシーンでエスニックなアクセントを加え、多様なステージングを可能にしています。全体として、女優たちの衣装・化粧・髪型は、青春の輝きと大人の洗練を融合させた、視覚的な喜びを提供します。
あらすじ
世界大会優勝という華々しいフィナーレを飾り、バーデン大学を卒業したアカペラグループ「バーデン・ベラーズ」のメンバーたちは、それぞれの道を歩み始めます。しかし、現実は厳しく、ベッカは音楽プロデューサーとしての夢を追うも停滞し、クロエは獣医を目指すも苦戦を強いられます。ファット・エイミーは実家のホットドッグ屋を継ぎ、スタイライズはモデル業に、ジェシカとアシュリーは双子としてシンクロした生活を送っています。新入生エミリーは、父の影に悩みながらもベラーズの精神を継承しようと奮闘します。そんな折、元メンバーから米軍慰問協会のヨーロッパツアーのオファーが舞い込みます。プロフェッショナルなステージに挑むチャンスに、メンバーたちは再結成を決意します。
ツアー初日、スペインのマヨルカ島でパフォーマンスを成功させ、興奮冷めやらぬ中、ラスベガス公演ではベッカの元恋人ジェスがDJとして登場し、複雑な感情が交錯します。一方、エミリーはオーディションに落ち、自信を失います。フランス・ニースでのヨットパーティーでは、ライバルDJチックことゾーイの策略により、消火器事件が発生。ベラーズは犯罪者扱いされ、ツアー中止の危機に陥ります。メンバーたちは互いの絆を再確認し、ベッカはプロデューサー業を諦めベラーズに専念することを選びます。エミリーは父のバンドと共演し、自身の道を見つけます。最終公演で、ベラーズは完璧なアカペラを披露し、観客を魅了。シリーズは、別れと新たな始まりを祝福するハッピーエンドを迎えます。
解説
「ピッチ・パーフェクト ラストステージ」は、シリーズの集大成として、青春の終わりと大人の始まりをテーマに据えています。前作までの大学生活の輝きから一転、卒業後の現実的な挫折を描くことで、観客に共感を呼び起こします。監督トリッシュ・シーは、女性監督としてエリザベス・バンクスのプロデュースのもと、女優たちの内面的成長を丁寧に描き出しています。特に、エミリーのサブストーリーは、親の期待と自己実現の葛藤を象徴し、若者世代へのメッセージとして機能します。
音楽面では、クリストファー・レナーツのスコアがアカペラのダイナミズムを高め、カバー曲「Freedom! ’90」やオリジナルアレンジが、ポップカルチャーのエッセンスを注入。ライバルグループのエレクトロニックサウンドとの対比が、アカペラの純粋さを強調します。コメディ要素は、ファット・エイミーのドタバタ劇や、グループ内の軽妙な掛け合いに支えられ、ミュージカルの重さを軽減。社会的な側面として、女性のエンパワーメントと友情の力を描き、LGBTQ+のニュアンスも織り交ぜ、多様性を称揚します。
批評家からは、シリーズのファンサービスとして高評価を受けつつ、プロットの予測可能性を指摘する声もありますが、興行収入2億9千ドル超の成功は、普遍的な魅力の証明です。最終的に、本作は「歌うことの喜び」を再確認させ、観客に前向きなエネルギーを与える作品として位置づけられます。シリーズ全体の遺産として、アカペラブームを巻き起こした功績は計り知れません。
キャスト
- アナ・ケンドリック:ベッカ・ミッチェル役
- レベル・ウィルソン:ファット・エイミー役
- ヘイリー・スタインフェルド:エミリー・ジャンク役
- ブリタニー・スノウ:クロエ・ビールズ役
- アンナ・ケンドリック:スタイライズ役
- エリザベス・バンクス:ガイル役
- ジョン・マイケル・ヒギンズ:ジョン役
- スカイラー・アスチン:ジェス役
- ゾーイ・クラヴィッツ:ゾーイ(チック)役
- アダム・ディヴァイン:バーモン役
- ベラ・トリノア:ミシェル役
- エステル・レナード:ヘイリー役
- ハナ・メイ・リー:ハナ役
- ケリー・チャン:ジェシカ役
- シェリー・アップルビー:シルヴィア役
- ルビー・モート:メグ役
- ジェシー・J:自身役
- カマシ・ワシントン:自身役
スタッフ
- 監督:トリッシュ・シー
- 製作:エリザベス・バンクス、ポール・ブルックス、マックス・ハンデルマン
- 製作総指揮:ジェイソン・ムーア、スコット・ニーマイヤー、デヴィッド・ニックセイ
- 原案:ケイ・キャノン
- 脚本:ケイ・キャノン、マイク・ホワイト
- 撮影:マシュー・クラーク
- 編集:クレイグ・アルパート、コリン・パットン
- 音楽:クリストファー・レナーツ
- 衣装デザイン:ジュリアン・ファーガソン
- 振付:ザック・ウッドリー
- 音響監督:ダーク・シャロン
- プロデューサー:ゴールド・サークル・エンターテイメント
- 配給:ユニバーサル・ピクチャーズ(日本:パルコ、シンカ)
レビュー 作品の感想や女優への思い