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尼寺㊙物語

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『尼寺㊙物語』は、1968年に公開された日本映画。京都の尼寺を舞台に、俗世から離れた尼僧たちの抑えきれない女の性と欲望を描いた作品です。主演は藤純子、監督は中島貞夫。「東映㊙シリーズ」第三弾として企画され、エロティシズムを交えつつ文芸的な要素を加えています。上映時間は89分、製作国は日本、配給は東映。

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基本情報

  • 原題:尼寺㊙物語
  • 公開年:1968年
  • 製作国・地域:日本
  • 上映時間:89分
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女優の活躍

『尼寺㊙物語』では、女優たちが尼僧の複雑な内面とエロティックな要素を体現し、物語の核心を担っています。

藤純子は浄真尼役を務めます。浄真尼は執事として寺を支える手腕を発揮しますが、本寺の宗務総長覚全に強姦され、初めて男を知り、本能と戒律の間で苦悩します。彼女の活躍は、物語の中心軸として、覚全への憎しみを募らせ、最終的に寺を去る決断を下す姿に表れます。

藤純子は東映入社5年目、映画出演50本目にして初の主演作で、体当たりの演技を披露します。特に、レズビアンシーンや滝に打たれる難行苦行を自身でこなし、体重を4kg減らすほどの熱演です。彼女の演技は、尼僧の内面的葛藤を深く表現し、観客に強い印象を与えます。

三田佳子は門跡尼の万里小路秀英役を演じます。秀英は気位が高く超俗的な尼として描かれ、寺の運営を指揮します。彼女の活躍は、浄真尼に本堂修理の交渉を任せ、寺の危機を乗り越えようとする姿勢にあります。三田佳子は東映退社後2年ぶりの復帰作で、細身の体をさらに痩せさせた姿で妖気を漂わせ、尼僧の威厳を体現します。彼女の演技は、物語に神秘的な深みを加えています。

大原麗子は下女のはな役で、寺男のキクに心を燃やし、自ら体を投げ出す奔放な女性を演じます。彼女の活躍は、浄真尼の誤解を招く企てを実行し、物語の緊張を高めます。大原麗子は脱ぐシーンで背中を露わにし、慣れない演技に苦労しながらも、戒律に縛られない自由な女性像を鮮やかに描き出します。樹木希林は法順尼役を務め、いまだ稚気の抜けない尼として、寺内の人間関係にコミカルな要素を加えます。彼女の活躍は、浄真尼の苦悩を傍観する立場から、物語のバランスを取っています。

荒木雅子は恵照尼役で、先代門跡から寺に仕える忠実な尼を演じ、寺の伝統を守る役割を果たします。桑原幸子は長屋京子役、丹阿弥谷津子は喜代役、沢淑子はまさ役で、それぞれ脇を固め、寺周辺の人間模様を豊かにします。富永佳代子は浄真の母役で、浄真尼の過去を語る重要なシーンで活躍します。古城門雅美と和田谷典子は幼年時代と少女時代の浄真役で、浄真尼のバックストーリーを支えます。

本作の女優たちは、尼寺という閉鎖的な空間で繰り広げられる女の情念を力強く表現し、当時の東映映画のエロ路線を象徴します。

藤純子は本作で主演を掴み、次作『緋牡丹博徒』への布石となりました。三田佳子はトラブル続きのキャリアの中で、本作を復帰の機会とし、演技の幅を広げました。大原麗子は体を張った演技で注目を集め、以降の活躍につながりました。全体として、女優たちの活躍は、女性の性と信仰の葛藤をテーマに、ドラマチックに展開します。彼女たちの熱演が、物語のエロティシズムと文芸性を融合させ、独自の魅力を生み出しています。

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女優の衣装・化粧・髪型

『尼寺㊙物語』の女優たちの衣装は、尼寺の厳粛な雰囲気を反映したものが中心で、黒染めの尼衣と純白の頭巾が基調となっています。

藤純子演じる浄真尼は、黒染めの衣に純白の頭巾を被った尼僧スタイルを着用します。この衣装は、尼としての清廉さを表しつつ、物語の進行で乱れる様子がエロティックさを強調します。化粧は控えめで、尼僧らしい素朴さを保ちつつ、苦悩の表情を際立たせる薄化粧です。髪型は頭巾の下に隠され、剃髪を思わせるシンプルなもので、役の厳格さを象徴します。

三田佳子演じる万里小路秀英は、純白の衣を纏い、細身の体をさらに痩せさせた姿で登場します。この衣装は、超俗的な尼の妖気を漂わせ、気位の高さを視覚的に表現します。化粧は妖艶さを加えたもので、目元を強調し、神秘的な雰囲気を演出します。髪型は頭巾で覆われ、厳しい尼僧像を強調します。

大原麗子演じるはなは、下女らしい簡素な着物や作業着を着用します。脱ぐシーンでは背中を露わにし、衣装の乱れが奔放さを表します。化粧は自然体で、田舎娘らしい素朴なメイクです。髪型は緩く結んだスタイルが多く、自由な動きを可能にします。

樹木希林演じる法順尼は、黒染めの尼衣と頭巾を着用し、稚気残る表情に合ったシンプルな装いです。化粧は薄く、髪型は頭巾下の短髪風です。

荒木雅子演じる恵照尼も同様の尼衣で、忠実な尼のイメージを保ちます。

桑原幸子や丹阿弥谷津子などの脇役女優たちは、町人や周辺人物の衣装として、着物や日常着を着用します。

これらの衣装は、当時の京都の風俗を反映し、寺院との対比を際立たせます。

全体的に、衣装は一周回って厳粛ながら、エロティックなシーンで効果的に用いられます。化粧は尼僧の禁欲性を基調としつつ、欲望の目覚めを表現する変化が見られます。髪型は頭巾や結び髪が主流で、役柄の内面を視覚化します。これらの要素は、物語の閉鎖的な世界観を支え、女優たちの演技を引き立てます。ファッションは、1960年代の東映映画らしい伝統的な和装が中心で、現代的に見ても新鮮です。

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あらすじ

昭和9年師走、京都の琳光寺には、門跡尼の万里小路秀英をはじめ、恵照尼、浄真尼、法順尼、下女のはなの五人が住んでいます。白蟻に食い荒らされた本堂の修理を依頼するため、秀英は浄真尼に本寺の宗務総長覚全との交渉を任せます。

しかし、覚全は浄真尼を無理やり手ごめにし、彼女は初めて男を知ります。それ以来、浄真尼は本能を抑えようと苦悩し続けます。そんな中、寺男のキクがやって来ます。はなはキクに心を燃やし、自ら体を投げ出します。浄真尼ははなの奔放さを羨ましく思い、キクにも好意を抱きます。

一方、覚全は寺の費用を無心するたびに浄真尼の体を求めます。慣例の儀式や修理費用の寄付を橋渡しする立場を悪用する覚全に、浄真尼は憎しみを募らせます。キクと浄真尼の親しさを誤解したはなが、長尾の家宝を壊し、責任を浄真尼に被せます。

企みがバレたのを機に、浄真尼は寺を去る決心をします。覚全が自分の体を目的に利用し、金の埋め合わせに寺の宝物を盗ませようとしたことを知り、浄真尼は覚全を殺そうとします。

しかし、キクが一足先に覚全を殺害します。浄真尼は寺を去りますが、腹には覚全の子が宿っています。このあらすじは、尼寺の閉鎖的な世界で繰り広げられる女の情念と葛藤を、ドラマチックに描きます。浄真尼の苦悩が中心となり、意外な結末で締めくくられます。当時の社会風俗を背景に、信仰と欲望の対立が鮮やかです。

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解説

『尼寺㊙物語』は「東映㊙シリーズ」第三弾。1968年公開で、岡田茂の企画により、エロ映画の路線化を目指しました。前作『大奥(秘)物語』『続大奥(秘)物語』に続き、尼寺を舞台に提案された作品です。

監督の中島貞夫は大奥続編を拒否し、尼寺を舞台に文芸的なテイストを加えました。脚本はテレビ畑の西沢裕子が担当し、中島の取材資料を基に執筆されました。撮影は赤塚滋が務め、京都の寺院でロケが行われました。

本作は、尼僧のエロスに迫る女性映画として、俗世から離れた女性たちの性と欲望を描きます。興行的に失敗し、中島の東映での立場に影響を与えました。岡田茂はエロが足りないと不満を述べ、中島を見切り、石井輝男を招聘して東映ポルノをエスカレートさせました。

中島は文芸作品のような作りを目指しましたが、批評家からは平凡なスキャンダル描写と評され、読売新聞は大筋の弱さを指摘しました。一方、小菅春生は低俗さから一歩出ていると評価しました。

藤純子は初主演で、レズシーンや滝行を熱演し、次作へのステップとなりました。三田佳子は東映復帰作で、妖艶な演技を披露しました。大原麗子は脱ぐシーンで苦労しましたが、役を全うしました。

本作は、1960年代の東映映画の転換点を象徴し、女性の内面を探求する内容です。当時の社会では、女性の性表現がタブー視されつつ、映画で描かれるようになりました。音楽は鏑木創が担当し、神秘的な雰囲気を高めます。

全体として、本作は東映の娯楽映画の伝統を継承しつつ、エロとドラマの融合を試みた作品です。現代の視点から見ると、フェミニズム的なテーマが潜み、女性の抑圧と解放を予見します。公開当時の反応は分かれましたが、現在では歴史的な価値が高いです。

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キャスト

  • 浄真尼:藤純子
  • キク:津川雅彦
  • はな:大原麗子
  • 恵照尼:荒木雅子
  • 法順尼:樹木希林
  • 覚全:若山富三郎
  • 長屋大造:曽我廼家明蝶
  • 長屋瞭子:ミヤコ蝶々
  • 長屋京子:桑原幸子
  • 喜代:丹阿弥谷津子
  • まさ:沢淑子
  • 相模屋:芦屋雁之助
  • 河内屋履物店主人:南都雄二
  • 河内屋履物店小僧:島米八
  • 本寺の小僧:菅原俊夫
  • 市長:中村錦司
  • 師団長:堀正夫
  • 高倉官:牧口雄二
  • 浄真の母:富永佳代子
  • 幼年時代の浄真:古城門雅美
  • 少女時代の浄真:和田谷典子
  • 川喜多鶴蔭:石山健二郎
  • 万里小路秀英尊:三田佳子

スタッフ

  • 監督:中島貞夫
  • 企画:岡田茂
  • 企画:翁長孝雄
  • 企画:三村敬三
  • 脚本:西沢裕子
  • 撮影:赤塚滋
  • 美術:鈴木孝俊
  • 音楽:鏑木創
  • 録音:荒川輝彦
  • 照明:和多田弘
  • 編集:神田忠男
  • スチール:諸角義雄
  • 助監督:牧口雄二

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