『プリティ・ウーマン』は高級娼婦ビビアンと実業家エドワードの出会いから始まるロマンティック・コメディ。身分違いの恋が心を動かし、夢と現実が交錯する。ジュリア・ロバーツの魅力が光る不朽の名作。以下で本作の詳細を説明します。
基本情報
- 邦題:プリティ・ウーマン
- 原題:Pretty Woman
- 公開年:1990年
- 製作国:米国
- 上映時間:119分
- ジャンル:恋愛
女優の活躍
『プリティ・ウーマン』は、ジュリア・ロバーツの出世作であり、彼女のキャリアにおける転機となりました。本作で演じたビビアン・ワードは、明るく純粋な心を持つ高級娼婦という複雑な役柄で、ロバーツは天真爛漫さと深い感情表現を巧みに融合させ、観客を魅了しました。この役で彼女はゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされました。ロバーツの自然体で親しみやすい演技は、ビビアンの人間的な成長と恋愛の喜びや葛藤を見事に表現し、彼女をハリウッドのトップスターに押し上げました。
一方、リチャード・ギアが演じたエドワード・ルイスも、ロバーツとの化学反応で光を放ちました。ギアの落ち着いた魅力とロバーツの活気あるエネルギーが対照的で、物語のロマンスをより一層引き立てました。脇役では、ビビアンの親友キットを演じたローラ・サン・ジャコモや、ホテル支配人のバーニーを演じたヘクター・エリゾンドも印象的な演技で物語に深みを加えました。
女優の衣装・化粧・髪型
ジュリア・ロバーツ演じるビビアンの衣装は、物語の進行とともに彼女の変貌を象徴しています。冒頭のシーンでは、ビビアンが娼婦として働く姿を反映した大胆な衣装が登場します。代表的なのは、青と白のツートンカラーのミニドレスに黒のロングブーツ、ブロンドのウィッグという派手なスタイルです。この衣装は80年代のストリートファッションを体現し、ビビアンの生活環境を視覚的に表現しています。化粧も濃いめで、赤いリップとスモーキーなアイメイクが特徴的です。
物語が進むと、エドワードの支援でビビアンは高級ブティックで買い物をし、エレガントな装いに変わります。特に有名なのは、オペラのシーンで着用する真紅のオフショルダードレスです。このドレスは、シンプルながら洗練されたデザインで、ビビアンの内面的な成長と美しさを際立たせます。髪型もウィッグを外し、自然なカーリーヘアが強調され、ナチュラルメイクに変化することで、彼女の純粋さが引き立ちます。これらの衣装やメイクは、ビビアンが「プリティ・ウーマン」として生まれ変わる過程を象徴し、映画の視覚的魅力の核となっています。
あらすじ
ロサンゼルスのビバリーヒルズを舞台に、仕事一筋の実業家エドワード・ルイス(リチャード・ギア)は、ビジネスで訪れた街で道に迷い、偶然高級娼婦のビビアン・ワード(ジュリア・ロバーツ)と出会います。エドワードはビビアンを一晩雇い、さらには一週間のビジネスパートナーとして雇う契約を結びます。ビビアンはエドワードの豪華なホテルでの生活に戸惑いながらも、彼の支援で洗練された装いやマナーを身につけていきます。
二人は時間を過ごす中で互いに惹かれ合い、身分や価値観の違いを超えた愛が芽生えます。しかし、エドワードのビジネス優先の姿勢やビビアンの過去が二人の間に影を落とし、関係は試練に直面します。ビビアンは自分自身の価値を見出し、エドワードも心の変化を感じながら、最終的に二人は互いを尊重し合う形で未来を選びます。現代版のシンデレラストーリーとして、夢と現実の間で揺れる二人の姿が描かれます。
解説
『プリティ・ウーマン』は、ロマンティック・コメディの金字塔として、公開当時から大きな成功を収めました。監督ゲイリー・マーシャルの軽快な演出と、J・F・ローストンの脚本によるウィットに富んだ台詞が、物語にユーモアと温かさを与えています。本作は、階級社会やジェンダーの問題を軽やかに扱いつつ、自己実現と愛の力を描いた普遍的なテーマが共感を呼びました。
当初はダークなストーリーとして構想されていましたが、製作過程で明るいロマンスに方向転換したことが成功の鍵でした。ジュリア・ロバーツのスター性を最大限に引き出した本作は、80年代後半から90年代初頭のハリウッド映画のトレンドを象徴し、現代でも多くの人々に愛されています。サウンドトラックも特徴的で、ロイ・オービソンの「Oh, Pretty Woman」やロクセットの「It Must Have Been Love」が物語の情感を高め、文化的インパクトを与えました。
映画は、娼婦という職業に対する偏見や、女性の自立と尊厳についても問いかけます。ビビアンがエドワードの「お金」で変身する一方で、彼女自身の意志と個性が物語の核心であり、単なるシンデレラストーリーにとどまらない深みを与えています。
キャスト
- ビビアン・ワード:ジュリア・ロバーツ(高級娼婦。明るく純粋な女性)
- エドワード・ルイス:リチャード・ギア(冷徹な実業家。ビビアンとの出会いで変化)
- キット・デ・ルカ:ローラ・サン・ジャコモ(ビビアンの親友で同僚)
- バーニー・トンプソン:ヘクター・エリゾンド(ホテルの支配人。ビビアンを温かく支える)
- フィリップ・スタックリー:ジェイソン・アレクサンダー(エドワードのビジネスパートナー)
- ジェームズ・モース:ラルフ・ベラミー(エドワードが買収を狙う企業の社長)
スタッフ
- 監督:ゲイリー・マーシャル(ロマンティック・コメディの名匠)
- 脚本:J・F・ローストン
- 製作:アーノン・ミルチャン、スティーヴン・ロイター
- 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
- 主題歌:「Oh, Pretty Woman」(ロイ・オービソン)
- 撮影:チャールズ・ミンスキー
- 編集:プリシラ・ネッド・フレンドリー
- 衣装デザイン:マリリン・ヴァンス(ビビアンの変貌を象徴する衣装を担当)
まとめ
『プリティ・ウーマン』は、ジュリア・ロバーツの魅力とリチャード・ギアの渋さが織りなすロマンティック・コメディの傑作です。衣装や音楽、ストーリー展開が見事に調和し、身分違いの恋物語を通じて人間の尊厳と愛の力を描きます。公開から30年以上経った今も、色褪せることなく多くの人々に愛される作品です。
レビュー 作品の感想や女優への思い