ニュージャージー州は、米国東部に位置し、面積約19,050 km²、人口約950万人(2024年推定)。大西洋に面し、ニューヨークと隣接。州都はトレントン、最大都市はニューアーク。全郡が都市部で、人口密度は全米一。産業と文化の中心地。映画ではキルステン・ダンストやゾーイ・クラヴィッツなど才能ある女優を輩出。
歴史
ニュージャージー州の歴史は、先住レナペ族の居住に始まります。17世紀初頭、ヨーロッパ人探検家が到着し、1609年にヘンリー・ハドソンが地域を探検しました。1664年、イングランドがオランダからこの地域を奪取し、ニュージャージーと命名。名前の由来はイングランドのチャンネル諸島にあるジャージー島にちなみます。
植民地時代には東ジャージーと西ジャージーに分割され、それぞれ独自の統治が行われました。アメリカ独立戦争では、1776年のトレントンの戦いなど、重要な戦闘の舞台となり、ジョージ・ワシントンの戦略的勝利で知られています。1787年、ニュージャージーは合衆国憲法を批准し、3番目の州となりました。19世紀には工業化が進み、特にパターソン市は「シルクシティ」として繊維産業の中心地に。
20世紀には、ニューヨークやフィラデルフィアの郊外として発展し、運輸や製造業が経済を支えました。州内では電球、トランジスター、映画撮影カメラなど、多くの発明が生まれ、技術革新の拠点ともなりました。現在は多様な産業と文化が共存し、都市化が進む一方で、農地や自然保護区も残されています。
芸術
ニュージャージー州は、音楽、演劇、ビジュアルアートなど多様な芸術文化で知られています。
音楽では、ブルース・スプリングスティーンやフランク・シナトラなど、世界的アーティストを輩出。特にスプリングスティーンは、労働者階級の生活を歌った曲で州のアイデンティティを象徴しています。アズベリー・パークは、ロックやソウルの発信地として有名で、歴史的なストーン・ポニーなどのライブハウスがあります。演劇では、プリンストンやニューアークの劇場でブロードウェイ級の公演が行われ、新進気鋭の劇作家や俳優が活躍。
ビジュアルアートでは、モントクレア美術館やニュージャージー州立博物館が、近代美術や地元アーティストの作品を展示しています。また、州内にはストリートアートも盛んで、ジャージーシティの壁画プロジェクトは観光名所となっています。ニュージャージーは、ニューヨークに近い立地からアーティストのコミュニティが発展し、多文化的な影響を受けた独自の芸術シーンを形成しています。
登場する映画
ニュージャージー州は、数多くの映画の舞台やロケ地として登場します。以下は代表的な作品です。
- フリーダムランド(2006年):1995年のデンプシーが舞台。黒人居住区で起きたカージャック事件を軸に、人種問題と親子の絆を描く。
- 『グッドフェローズ』(1990年):マーティン・スコセッシ監督の名作で、ニュージャージーを含む東海岸のマフィア文化を描く。州内のダイナーや住宅街が登場。
- 『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』(1999-2007、TVシリーズ):ニュージャージーを舞台にしたマフィアドラマ。ニューアークやジャージーシティの日常的な風景が特徴。
- 『ウォー・オブ・ザ・ワールズ』(2005年):スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演。エイリアン侵攻の舞台として、ベイヨンの街並みが登場。
- 『ガーデン・ステイト』(2004年):ザック・ブラフ監督・主演のインディーズ映画。ニュージャージーの郊外生活と若者の葛藤を描く。
- 『ジャージー・ボーイズ』(2014年):クリント・イーストウッド監督。ニュージャージー出身のフランキー・ヴァリとフォー・シーズンズの伝記映画。
これらの作品は、州の多様な風景や文化を活かし、都市部から郊外、工業地帯までを映し出しています。ニュージャージーのダイナー文化やアズベリー・パークのボードウォークも、映画で象徴的に描かれることが多いです。
出身女優
ニュージャージー州は、数多くの才能ある女優を輩出しています。以下は代表的な人物です。
- ケイト・ジェニングス・グラント(1970年〜)エリザベス生まれ。ブロードウェイでの活躍や『ユナイテッド93』『フロスト/ニクソン』『ストレンジャー・コール』などの映画出演で知られる。
- メリル・ストリープ(1949年〜):サミット出身。映画界の伝説的俳優で、『クレイマー、クレイマー』(1979年)、『ソフィーの選択』(1982年)でアカデミー賞受賞。21回のノミネートは史上最多。幅広い役柄を演じ、演技派として世界的に称賛される。
- アン・ハサウェイ(1982年〜):高校卒業までミルバーンで過ごす。映画初出演の『プリティ・プリンセス』でブレイクし、『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞。
- キルステン・ダンスト(1982年〜):ポイント・プレザント出身。『スパイダーマン』シリーズ(2002-2007年)のメリー・ジェーン役で知られる。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994年)で子役として注目を集め、以降、多彩な作品で活躍。
- ゾーイ・クラヴィッツ(1988年-):ジャージーシティ生まれ(ロサンゼルス育ち)。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)や『ザ・バットマン』(2022年)のキャットウーマン役で知られる。歌手レニー・クラヴィッツの娘。
- ジェン・トラン(1997年):ヒルズデールに生まれ育つ。『THIS IS US/ディス・イズ・アス』(2018年)での役柄で広く認知された。
- ダニエル・ローズ・ラッセル(1999年〜):ペクアノック・タウンシップ生まれ、ウェスト・ミルフォードで育ち。『レガシーズ』のホープ・マイケルソン役で有名。
- ローラ・プレポン(1980年〜):ウォッチャング出身。『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(2013-2019年)や『ザット ’70s ショー』(1998-2006年)で人気を博す。力強い演技で知られる。
- ヴェラ・ファーミガ(1973年):クリフトン生まれ。『ディパーテッド』(2006年)や『マイレージ、マイライフ』(2009年)で知られ、アカデミー賞助演女優賞にノミネート。
- タラジ・P・ヘンソン(1970年〜):ニュージャージーで育ち(ワシントンD.C.出身)。『ハッスル&フロウ』(2005年)や『ドリーム』(2016年)で高い評価を受け、アカデミー賞ノミネート経験を持つ。
- スーザン・サランドン:1946年ニューヨーク市生まれ。『デッドマン・ウォーキング』でアカデミー賞主演女優賞受賞。幼少期を州内エジソンで過ごす。
- ジョアンナ・キャシディ(1945年):ハドンフィールド出身。『ブレードランナー』のゾーラ役や『ロジャー・ラビット』のドロレス役で有名。
これらの女優は、ニュージャージーの多様な文化的背景を反映し、ハリウッドや世界の映画・ドラマで活躍しています。彼女たちの成功は、州が育む才能の豊かさを示しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い