『ビーキーパー』（2024年）は、ジェイソン・ステイサム主演のアクション・スリラー。養蜂家アダム・クレイが詐欺組織に復讐を誓い、秘密組織の力を借りて黒幕に迫る。監督はデヴィッド・エアー。2025年1月3日日本公開、105分。
基本情報
- 邦題：ビーキーパー
- 原題：The Beekeeper
- 公開年：2024年
- 製作国：英国、米国
- 上映時間：105分
- ジャンル：アクション、スリラー
- 配給：クロックワークス
見どころ
数々の強敵と戦ってきたジェイソン・ステイサムが復讐に燃える養蜂家を熱演。詐欺組織を地の果てまで追いかけ、切れのあるアクションで成敗していく展開が熱い。
あらすじ
アメリカの片田舎で養蜂家として静かに暮らすアダム・クレイ（ジェイソン・ステイサム）は、実は「ビーキーパー」と呼ばれる秘密組織の元特殊工作員です。ある日、彼の恩人である善良な老婦人エロイーズ・パーカー（フィリシア・ラシャド）が、フィッシング詐欺により全財産と慈善団体の資金を奪われ、絶望の末に自ら命を絶ちます。怒りに燃えたクレイは、詐欺組織への復讐を決意。かつて所属していた「ビーキーパー」の情報網とスキルを駆使し、詐欺グループのアジトを突き止め、単身で壊滅させます。事件の背後には、ダンフォース・エンタープライズのCEOデレク・ダンフォース（ジョシュ・ハッチャーソン）や元CIA長官ウォレス・ウエストワイルド（ジェレミー・アイアンズ）が関与。さらに、米国大統領ジェシカ・ダンフォース（ジェマ・レッドグレイヴ）という巨大な権力の影が浮かび上がります。FBIやCIA、傭兵部隊、さらには過去にビーキーパーを殺害した南アフリカ人傭兵ラザルス（テイラー・ジェームズ）らが立ちはだかる中、クレイは無敵のアクションで「社会の害虫」を駆除し、黒幕へと迫っていきます。
解説
『ビーキーパー』は、ジェイソン・ステイサムらしい「無敵のヒーロー」が全編で活躍する痛快なリベンジアクション映画です。監督のデヴィッド・エアー（『スーサイド・スクワッド』『フューリー』）は、骨太なアクション演出で知られ、本作でもその手腕を発揮。脚本はカート・ウィマー（『リベリオン』『ソルト』）が担当し、シンプルながら現代的なテーマであるフィッシング詐欺を題材に、個人対巨大組織という構図をダイナミックに描いています。物語は『ジョン・ウィック』や『イコライザー』を彷彿とさせる展開で、主人公が圧倒的な強さで敵を次々と倒していく爽快感が特徴です。特に、「ビーキーパー」という秘密組織の設定が物語に独自のスパイスを加え、蜂の群れを守るように社会の秩序を守るというメタファーがユニークです。アクションシーンはCGやVFXに頼らず、実際のスタントや戦闘シーンを重視したオーソドックスなスタイルが魅力。観客からは「ステイサム無双」と称されるほど、彼のアクションが全編を牽引し、Rotten Tomatoesで観客スコア92%を獲得するなど高い評価を得ました。興行収入も製作費4000万ドルに対し、全世界で1億6260万ドルを記録し、続編『ビーキーパー2』の製作も決定しています。
女優の活躍
本作の主要な女性キャストは、エミー・レイヴァー＝ランプマン（ヴェローナ・パーカー役）、フィリシア・ラシャド（エロイーズ・パーカー役）、ジェマ・レッドグレイヴ（ジェシカ・ダンフォース役）、そしてミニー・ドライヴァー（ジャネット・ハワード役）です。
エミー・レイヴァー＝ランプマン（ヴェローナ・パーカー）
ヴェローナはエロイーズの娘で、FBI捜査官として登場。クレイの復讐劇に巻き込まれ、最初は彼を追う立場ながら、徐々にその正義感に共鳴します。レイヴァー＝ランプマンは『アンブレラ・アカデミー』で知られる実力派で、本作ではアクションシーンにも挑戦。クレイとの対峙や、母の死をきっかけにした感情的な演技が光ります。特に、終盤でクレイと視線を交わし、頷き合うシーンは、言葉を超えた絆を表現し、観客に強い印象を残します。彼女の演技は、物語に人間的な温かみを加える重要な要素です。
フィリシア・ラシャド（エロイーズ・パーカー）
エロイーズはクレイの隣人で、物語のきっかけとなる人物。元教師で慈善団体の理事を務める善良な老婦人ですが、詐欺被害により絶望し自ら命を絶ちます。ラシャドは短い登場時間ながら、温かみのあるキャラクターを丁寧に演じ、クレイの復讐の動機に説得力を持たせます。彼女の悲劇的な結末は、観客に強い感情的インパクトを与え、物語の重みを増しています。
ジェマ・レッドグレイヴ（ジェシカ・ダンフォース）
ジェシカは米国大統領で、デレクの母。権力の頂点に立つ人物として、物語の終盤で重要な役割を果たします。レッドグレイヴはイギリス演劇界の名門一族出身で、威厳と複雑な感情を兼ね備えた演技が特徴。彼女の登場は短いものの、物語のスケールを広げ、クレイの戦いが単なる復讐を超えた社会正義の闘いであることを強調します。
ミニー・ドライヴァー（ジャネット・ハワード）
現CIA長官として、ウォレスに事態の収拾を依頼する役。ドライヴァーは少ない出番ながら、権力者としての冷静さと緊張感を表現。彼女の演技は、物語の政治的背景を補強します。
女優の衣装・化粧・髪型
エミー・レイヴァー＝ランプマン（ヴェローナ・パーカー）
ヴェローナの衣装は、FBI捜査官らしい実用的なスタイルが中心。ダークカラーのスーツやジャケット、動きやすいパンツが主で、アクションシーンに適した機能性を重視。化粧はナチュラルで、プロフェッショナルな印象を強調。髪型はショートカットまたはタイトにまとめたスタイルで、活動的なキャラクター性を反映しています。終盤の緊迫したシーンでは、汗や埃でやや乱れた姿が、彼女の奮闘をリアルに表現。
フィリシア・ラシャド（エロイーズ・パーカー）
エロイーズはシンプルで温かみのある衣装が特徴。カジュアルなカーディガンやスカートで、親しみやすい老婦人の雰囲気を演出。化粧は控えめで、自然な肌色を活かし、優しさと品格を表現。髪型は白髪交じりのショートヘアで、年齢相応の落ち着いた印象を与えます。
ジェマ・レッドグレイヴ（ジェシカ・ダンフォース）
ジェシカの衣装は、大統領らしいフォーマルなパンツスーツやドレス。ダークブルーやグレーなど、権威を感じさせるカラーが中心。化粧は洗練され、落ち着いたトーンのリップとアイメイクで威厳を強調。髪型はエレガントに整えられたアップスタイルで、貫禄ある姿を演出しています。
ミニー・ドライヴァー（ジャネット・ハワード）
ジャネットはCIA長官として、シャープなスーツ姿が主。黒やネイビーのテーラードスーツで、プロフェッショナルな印象。化粧はミニマルで、シャープなアイラインと控えめなリップが特徴。髪型はミディアムレングスのストレートで、知的で冷静なキャラクターを補強します。
キャスト
- ジェイソン・ステイサム（アダム・クレイ）：元特殊工作員の養蜂家。無敵のアクションで復讐を遂げる主人公。
- エミー・レイヴァー＝ランプマン（ヴェローナ・パーカー）：FBI捜査官でエロイーズの娘。
- ジョシュ・ハッチャーソン（デレク・ダンフォース）：詐欺組織を裏で操るCEO。
- ジェレミー・アイアンズ（ウォレス・ウエストワイルド）：元CIA長官でデレクの護衛。
- フィリシア・ラシャド（エロイーズ・パーカー）：クレイの恩人で詐欺被害者。
- ジェマ・レッドグレイヴ（ジェシカ・ダンフォース）：米国大統領。
- ミニー・ドライヴァー（ジャネット・ハワード）：現CIA長官。
- ボビー・ナデリ（マット・ワイリー）：ヴェローナの相棒のFBI捜査官。
- テイラー・ジェームズ（ラザルス）：ビーキーパー殺害歴のある傭兵。
スタッフ
- 監督：デヴィッド・エアー（『スーサイド・スクワッド』『フューリー』）
- 脚本：カート・ウィマー（『リベリオン』『ソルト』）
- 製作：Amazon MGMスタジオ、ミラマックス
- 配給：クロックワークス（日本）
- 撮影：ガブリエル・ベリスタイン
- 音楽：デヴィッド・サルドゥイ、デヴィッド・A・ヒューズ
- 字幕翻訳：平井かおり
まとめ
『ビーキーパー』は、ジェイソン・ステイサムの魅力全開のアクション映画で、現代社会の詐欺問題をテーマに、個人対権力の闘いを描きます。女性キャストは物語に深みと感情を加え、特にエミー・レイヴァー＝ランプマンのアクションと感情的な演技が際立ちます。衣装や髪型は各キャラクターの役割を反映し、物語のリアリティを高めています。続編の期待も高まる本作は、アクション映画ファン必見です。
レビュー 作品の感想や女優への思い