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レディ・ブレイド

「見どころ」にPR表現を含みます。

『レディ・ブレイド』(1971年)は香港のゴールデン・ハーベスト製作の武侠映画。ノラ・ミャオ演じる冷酷な剣士ホー・リーチュンが、王子のトーナメントで戦い、復讐と陰謀を暴く物語。アクションとドラマが融合し、サモ・ハン振付の剣戟シーンが魅力。

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基本情報

  • 邦題:ノラ・ミャオ レディ・ブレイド
  • 原題:刀不留人
  • 英題:The Blade Spares None
  • 公開年:1971年
  • 製作国:香港
  • 上映時間:102分
  • ジャンル:アクション

女優の活躍

ノラ・ミャオ(苗可秀)は、『レディ・ブレイド』で主人公ホー・リーチュン(Ho Li-Chun)を演じ、冷徹かつ圧倒的な剣術を持つ女性剣士として際立った存在感を示しました。この映画は、彼女がゴールデン・ハーベスト社と契約して間もない時期の作品であり、彼女のキャリア初期における重要な主演作の一つ。

ミャオは、ブルース・リーの『ビッグ・ボス』(1971年)、『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)、『ドラゴンへの道』(1972年)でのヒロイン役で知られる以前に、本作でアクション女優としての実力を証明しました。彼女の演じるホー・リーチュンは、「刀は誰も生かさず」という異名通り、容赦ない戦いぶりを見せ、感情を抑えたクールなキャラクター像を体現しています。

ノラ・ミャオの演技は、感情表現を最小限に抑えつつ、微妙な表情や身体言語でホーの内面の葛藤や決意を表現しており、当時の武侠映画の女性キャラクターとしては異例の硬派な役柄でした。特に、物語の終盤で仲間の死をきっかけに初めて涙を見せるシーンでは、彼女の感情の変化を繊細に演じ、観客に深い印象を与えました。

ミャオの剣術シーンは、サモ・ハンによる振付のもと、ダイナミックかつスピーディーで、彼女の身体能力とアクションのセンスが活かされています。彼女は他の武術女優、例えば程佩佩(チェン・ペイペイ)やアンジェラ・マオ(茅瑛)ほど本格的な武術訓練を受けていなかったとされていますが、持ち前の運動神経と演技力で、ホー・リーチュンの冷酷さと魅力を巧みに表現しました。彼女の双剣を操る姿は、視覚的にも印象的で、本作を代表するアイコンとなっています。

あらすじ

『レディ・ブレイド』は、17世紀の中国を舞台にした武侠アクション映画です。物語は、強力な剣士ホー・リーチュン(ノラ・ミャオ)が、クェイ王子(ポール・チャン)が主催する武術トーナメントに参加するところから始まります。ホーは「刀は誰も生かさず」という異名を持つ冷酷な女性剣士で、トーナメントで圧倒的な強さを見せつけます。トーナメントで敗れた騎士チェン・ジョーユー(ジェームズ・ティエン)は逃亡しますが、後に奇妙な剣を持つ騎士タン・チンユン(パトリック・ツェー)と戻ってきます。ホーは、タンの剣が彼女の家族の宿敵サン・ティエンチェン(Sun Tien-Chen)がかつて使っていたものだと気づき、調査を開始します。

調査の結果、クェイ王子が実はサン・ティエンチェンであり、彼が本物の王子を殺してその身分を奪っていたことが判明します。ホーは、チェンとタンと協力し、サンの陰謀を暴くため宮殿に立ち向かいます。物語は、復讐、裏切り、忠義をテーマに展開し、壮絶な戦いの末、三人は力を合わせてサンとの最終決戦に挑みます。ホーは仲間の一人の犠牲を通じて初めて感情を露わにし、自身の冷酷な生き方を振り返るきっかけを得ます。この物語は、武侠映画の典型的な復讐劇に、ホーの感情の成長という人間ドラマを織り交ぜた作品です。

[https://youtu.be/7AWd9KCEZ7I

解説

『レディ・ブレイド』は、ゴールデン・ハーベスト社が設立直後の1971年に製作した初期の武侠映画で、ショウ・ブラザーズ社の洗練された武侠映画に対抗する意欲作でした。監督はテディ・イップ(イップ・ウィンチョー)で、脚本はニー・クアン(倪匡)が手掛け、武術指導にはサモ・ハン(洪金寶)とハン・インチェ(韓英傑)が参加しました。本作は、ショウ・ブラザーズの『カム・ドリンク・ウィズ・ミー』(1966年)や『ゴールデン・スワロー』(1968年)に登場する程佩佩の剣士役に影響を受けつつ、ノラ・ミャオのクールで無慈悲なキャラクター造形を通じて独自性を打ち出しています。特に、ミャオの双剣を用いた戦闘スタイルは、程佩佩の二刀流とは異なる独自のビジュアルを生み出し、観客に新鮮な印象を与えました。

本作の魅力は、サモ・ハンによるアクション振付にあります。剣戟シーンは、刃がぶつかり合う音や血しぶき、腕の切断など、当時の武侠映画らしい過激な描写が特徴で、物理法則を無視した軽やかな動きや屋根への跳躍が盛り込まれています。これらの演出は、現代の視点ではやや古風に感じられるものの、1970年代の観客には新鮮でエキサイティングでした。映画のテンポは比較的ゆっくりで、急速なカット割りよりも動きをじっくり見せるスタイルが採用されており、アクションの流れを追いやすい点が評価されています。

物語は、武侠映画の定型である「復讐」を中心に展開しますが、ホー・リーチュンの感情の変化が物語に深みを加えています。彼女の冷酷な性格は、物語の終盤で仲間の死を通じて揺らぎ、涙を見せることで人間的な成長が描かれます。この感情の転換は、ノラ・ミャオの繊細な演技によって効果的に表現されており、単なるアクション映画を超えたドラマ性を与えています。映画のプロダクションは、ゴールデン・ハーベストの初期作品らしく、ショウ・ブラザーズほどの洗練さには欠けるものの、粗削りなエネルギーと新鮮なキャストの魅力で補っています。サモ・ハンやジャッキー・チェン(端役として出演)など、後の香港映画界を牽引する顔ぶれが脇を固め、映画史的にも意義深い作品です。

キャスト

  • ノラ・ミャオ(ホー・リーチュン役):冷酷な剣士で、家族の仇を追う主人公。双剣を操り、「刀は誰も生かさず」の異名を持つ。
  • パトリック・ツェー(タン・チンユン役):奇妙な剣を持つ騎士で、ホーと協力する。
  • ジェームズ・ティエン(チェン・ジョーユー役):トーナメントで敗れるが、後にホーの仲間となる騎士。
  • ポール・チャン(クェイ王子役):物語の悪役で、王子の身分を奪った詐欺師。
  • デビッド・ロー(若いチンユン役):タンの若い頃を演じる。
  • フォン・ガイ(チュアン・シーピャオ役):脇役の剣士。
  • リー・ワンチョン(ハン・チェン役):宮殿の関係者。
  • リャン・ロン(サン・ティエンチェン役):ホーの宿敵。
  • サモ・ハン:武術指導を兼ね、トーナメントの戦士役でカメオ出演。
  • ジャッキー・チェン:森での王子の戦士役として端役出演。

ほか、ラム・チンイン、エディ・コー、チン・チュンらが、武術トーナメントの戦士や王子の護衛役として出演。

スタッフ

  • 監督:テディ・イップ…ゴールデン・ハーベストの初期作品を支えた監督。
  • 脚本:ニー・クアン…香港映画界の著名な脚本家で、武侠映画のストーリー構築に定評。
  • 製作:レイモンド・チョウ…ゴールデン・ハーベストの創設者で、本作のプロデューサー。
  • 武術指導:サモ・ハン、ハン・インチェ…ダイナミックな剣戟シーンを担当。
  • 助監督:チー・ヤオチャン…製作をサポート。
  • 製作会社:ゴールデン・ハーベスト…香港映画の新興勢力として本作を製作。

まとめ

『レディ・ブレイド』は、ノラ・ミャオの主演作として、彼女のアクション女優としての才能を存分に発揮した作品です。冷酷な剣士ホー・リーチュンを演じたミャオは、感情を抑えた演技と双剣を用いたアクションで、武侠映画の新たなヒロイン像を築きました。サモ・ハンの振付による剣戟シーンは、当時の香港映画らしい荒々しさとエネルギーに満ち、物語は復讐と陰謀を通じてドラマ性を深めています。

ゴールデン・ハーベストの初期作品として、ショウ・ブラザーズに対抗する意欲と新鮮なキャストの魅力が詰まっており、ジャッキー・チェンやサモ・ハンらのカメオ出演も見どころです。ミャオの繊細な演技とアクションは、本作を1970年代の武侠映画の隠れた名作として位置づけています。

レビュー 作品の感想や女優への思い

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