世界的ベストセラー小説を映画化。理想の夫婦を襲った衝撃事件の真相とは?
映画『ガール・オン・ザ・トレイン』は、テイト・テイラー監督、エリン・クレシダ・ウィルソン脚本で2016年に公開された米国のミステリー・サイコスリラー映画。原作はイギリス人作家ポーラ・ホーキンスが2015年に出版した人気デビュー作の同名小説。
主演はエミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット、ジャスティン・セロー、ルーク・エヴァンス、アリソン・ジャニー、エドガー・ラミレス、リサ・クドロー。アルコール依存症のバツイチ女性が行方不明者の捜査に巻き込まれます。
ガール・オン・ザ・トレイン
- 邦題:ガール・オン・ザ・トレイン
- 原題:The Girl on the Train
- 公開年:2016年
- 製作国:米国
- 上映時間:105分
- ジャンル:ドラマ、クライム、ミステリー、スリラー
- 配給:東宝東和
予告編はこちら。
後に(2021年)インドでリメイク。タイトルはそのまま『The Girl On The Train』です。
見どころ
- 不可解な事件に巻き込まれていくヒロインを、エミリー・ブラントが傷心と切迫感をたたえて熱演。
- スリリングでミステリアスな展開とムード。
- 2016年までに、原作小説は史上最も早く売れた成人向け小説に。
あらすじ
離婚の傷心が癒えないレイチェルは、通勤電車から見える理想の夫婦に慰めを見出しています。だがある朝、その妻の不倫を目撃。様子を見に行ったレイチェルは、途中から記憶を失ない、気づけば自分の部屋で負傷して倒れていました。やがて理想の妻の死体が…。
ファム・ファタル
『ガール・オン・ザ・トレイン』で気になった女優は3人。
エミリー・ブラント
この映画の主役レイチェル・ワトソンはアルコール依存症でぽっちゃりしています。レイチェルを演じたエミリー・ブラントは撮影中、娘のヴァイオレットを妊娠していました。また、頬を少しふっくらさせるために補綴物をつけていました。
エミリーが激しく酩酊するシーンでは充血したコンタクトレンズを装着。また、断酒会での告白はリハーサルなし。彼女の緊張と不快感は完全に本物です。
エミリーのキャスティングに対してファンが抱いた主な批判の一つは、壊れた慢性アルコール中毒のレイチェル・ワトソン役には彼女が魅力的すぎるというもの。メイクアップ・アーティストたちは、実際のアルコール依存症患者の肌を徹底的に研究し、目の下のクマや頬の膨らみなど、彼女がより疲れ切って洗いざらしのように見えるメイクを施すことで、魅力を下げました。撮影中に彼女が妊娠していたことも、その効果に一役買っています。
ヘイリー・ベネット
ミーガン・ヒップウェルを演じたヘイリー・ベネットは本作への出演が決まる前、『マグニフィセント・セブン』(2016年)のロケ中にこの本を読んでいました。
ミーガン役にはマーゴット・ロビーが候補に挙がっており、結局はケイト・マーラに決定しとものの降板。代わりにヘイリー・ベネットが起用されました。
リサ・クドロー
リサ・クドローが演じるマーサというキャラクターは原作には存在せず。
感想
通勤電車から見える風景にサスペンスが発生するとのことで、少し予習をした私は『ガール・オン・ザ・トレイン』を楽しみに視聴しはじめました。
単調な電車通勤は、誰もが一度は経験したことがあるはず。毎日同じ場所を通って同じ顔を見る。でも、この映画のレイチェル・ワトソンのように、人生を変えるような通勤を経験した人はいないでしょう。
そういう風にワクワクと見はじめたのですが、とてもスローな展開なので最初の30分は退屈。再生を止めるか迷っていたところ、プロットが進みはじめました、この映画を観るとき、最初の30分間は退屈することを覚悟してください(^^)
物語は、レイチェル、アンナ、ミーガンという3人の主人公の視点から語られ、複雑怪奇な展開になりかねないところですが、エリン・クレシダ・ウィルソンの脚本により、混乱することなくスムーズに物語が進んでいきます。
それでもプロットの進行が加速すると、注意ぶかく見る必要があります。誰が誰に何をなぜしているのかわからないほど、多くの絡みがあります。
多くの現代映画とは異なり、この映画には本当の結末があり、その結末に満足できるはず。結末は予想できず、かなりのどんでん返しが待っています。
エミリー・ブラントが演じるレイチェル・ワトソンは、アルコール依存症のバツイチで、毎日同じ電車で通勤している。その道中、レイチェルは元夫トム(ジャスティン・セロー)と新妻アナ(レベッカ・ファーガソン)の数軒隣に住むスコット(ルーク・エヴァンス)とミーガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)の関係を妄想します。
レイチェルは不安定な状態から下降線をたどり、彼女の人生を永遠に変えることになる行方不明者の捜査に巻き込まれていきます。
この映画は、ポーラ・ホーキンスのベストセラー小説を原作としていて、デヴィッド・フィンチャーの『ゴーン・ガール』を思い出させるミステリー・スリラー。この作品が『ゴーン・ガール』より優れているとは思えませんが、物語の後半で明かされるどんでん返しまで推理しつづける価値あるミステリーなのは確かです。
みなさんがミステリーやスリラーのファンなら、『ガール・オン・ザ・トレイン』は楽しい列車旅になるはず。ましファンでなければ、ホームで次の列車を待つのがベスト。
解説
レイチェル・ワトソン(エミリー・ブラント)はアルコール依存症で、友人のキャシー(ローラ・プレポン)とアパートをシェアしています。
電車の中から、元夫のトム・ワトソン(ジャスティン・セロー)、新妻のアンナ・ワトソン(レベッカ・ファーガソン)、そして近所に住むスコット(ルーク・エヴァンス)とミーガン・ヒップウェル(ヘイリー・ベネット)という理想カップルの行動を観察しています。
結婚中、妊娠に失敗したレイチェルはアルコールによる失神を起こしやすくなり、ある日、夫の上司とその妻マーサ(リサ・クドロー)の家で騒ぎを起こしてトムが解雇されるなど、自己破壊的で暴力的な行動をとるようになります。
レイチェルは、トム、アンナ、生まれたばかりの娘イヴィーを監視しつづけ、トムとアンナも彼女を注意します。そうとは知らず、ミーガンはアンナのためにチャイルド・マインダーとして働いていましたが、何の説明もなく突然辞めてしまいました。
ある列車の旅の途中、レイチェルはミーガンがバルコニーで見知らぬ男とキスしているのを目撃し、ミーガンが自分の”完璧な”結婚生活を台無しにしていると感じたことに激怒。暴飲暴食の末、レイチェルはミーガンと対決するために列車を降りましたが、気を失い、数時間後に自分のアパートで怪我をして目覚めます。
レイチェルはその後、ミーガンが行方不明になっていることを知り、ライリー刑事部長(アリソン・ジャニー)から事情聴取を受けます。ライリー刑事は、レイチェルの最近の不規則な行動と、ミーガンが失踪した晩に近所にいたことから、レイチェルが関与しているのではないかと疑います。他方、レイチェルは、乗客仲間(ダレン・ゴールドスタイン)が列車から自分を尾行したのではないかと疑い、その夜のフラッシュバックで彼を目撃しますが、記憶をつなぎ合わせることができないでいます。
妻ミーガン探しを手伝ってくれるよう、近所のスコットが世間に呼びかけていると聞き、レイチェルはミーガンの友人のふりをしてスコットに会いに行き、ミーガンの浮気について話します。
そして写真から、ミーガンの精神科医であるカマル・アブディック医師(エドガー・ラミレス)がバルコニーの男であることを突き止めます。スコットが攻撃的で支配的である一方、ミーガンは不誠実でセックス中毒になりがちで、妊娠を恐れ、アブディック医師と頻繁にセラピーを受けていることが次第に明らかになっていきます。最後のセッションのひとつで、彼女は10代の頃に女子をもうけ、誤って風呂で溺れさせてしまったと話します。
アブディック医師がミーガン失踪のカギを握っていると考えたレイチェルは、アブディックと会う約束をし、結婚生活とアルコール依存症の経緯を明かす。その後、バーで彼女は列車から自分を尾行した男に気づき、彼と対決。彼は帰宅途中のトンネルでレイチェルが倒れているのを見つけたと言い、彼女を助け起こそうとしましたが、彼女は彼の助けを拒んだとのこと。レイチェルはトンネルに戻り、怪我をする前にミーガンが怒鳴っているの場面を見たことを思い出します。
一方、ライリー刑事部長はアンナに対して、トムがレイチェルと連絡を取り合うことでレイチェルの行動を助長していると示唆。これを受けてアンナはトムを疑うようになります。アンナはトムのコンピューターにハッキングを試み、その過程で、トムが不倫している別の女性へのボイスメッセージが何通も入った秘密の電話を見つけます。
やがてミーガンは死体で発見され、鑑識の結果、妊娠していたことが判明しますが、その子供はスコットの子でもアブディックの子でもありませんでした。スコットはレイチェルと対立し、その過程でミーガンの死の前に暴行を加えたことを明かします。レイチェルは列車でマーサに会い、以前の行動を詫びますが、彼女の記憶はマーサのものと一致しません。マーサは、トムが同僚と性的関係をもったために解雇されたと告げます。レイチェルは酒に溺れた後、何度かトムが彼女の頭に偽の記憶を植え付けたことに気づきます。
アンナは、トムがミーガンと電話でやりとりしていたことを知ります。レイチェルは、ミーガンがアブディックに妊娠のことを打ち明け、バルコニーでの出会いにつながったことに気づきます。
その日、列車を降りたレイチェルは、トムがミーガンと会っているところを目撃し、彼女をアンナと間違えて怒鳴りつけました。トムはレイチェルを襲ってからミーガンのもとに戻りましたが、ミーガンは赤ん坊のことを話し、中絶を拒みました。二人の関係がバレるのを恐れたトムはミーガンを殺害したのです。
レイチェルはアンナに警告するためトムの家に行きますが、アンナはすでに不倫のことを知っていると明かします。そこにトムが現れ、レイチェルはトムに詰め寄ります。トムとレイチェルが言い争うなか、アンナはミーガンの携帯電話を見つけたことを明かします。
トムはイービーを部屋から運び出し、恐れをなしたアンナは赤ん坊を渡してくれと懇願し、レイチェルは911にかけようとします。トムはレイチェルを気絶させ、意識が戻ると再び彼女を脅し、レイチェルに、自分の行動に責任があることを示唆しようとします。階段の上からアンナが見守るなか、トムはレイチェルの首を絞めようとし、レイチェルは家から逃げ出し途中で栓抜きをつかみます。トムは庭で彼女に追いつき、アンナが窓から見守るなか、レイチェルは栓抜きで彼の首を刺します。そこへアンナが現れ、栓抜きをトムの首により深く押し込み、トムを殺します。
レイチェルとアンナはともに逮捕され、別々に警察に、トムがミーガンを殺した犯人であることを明かした後、レイチェルが正当防衛でトムを殺したことを確認する。アンナは懐疑的な刑事に、レイチェルがすべて正しかったのだと話します。
1年後、すっきりしたレイチェルは新しい職場へ同じ電車で通勤していますが、別の車両で反対側に座っています。
キャスト
登場人物 | 出演者 |
---|---|
レイチェル | エミリー・ブラント |
ミーガン・ヒップウェル | ヘイリー・ベネット |
アンナ | レベッカ・ファーガソン |
トム | ジャスティン・セロー |
スコット | ルーク・エヴァンス |
カマル・アブディック医師 | エドガー・ラミレス |
キャシー | ローラ・プレポン |
ライリー刑事 | アリソン・ジャニー |
スーツの男 | ダレン・ゴールドスタイン |
マーサ | リサ・クドロー |
オイスターバーの女 | クレタ・エレイン・エリントン |
医師 | ラナ・ヤング |
子供を連れた女 | レイチェル・クリストファー |
プール・プレーヤー | フェルナンド・メディナ |
ピート巡査 | グレゴリー・モーリー |
ガスキル刑事 | マック・タヴァレス |
ジェイソン | ジョン・ノリス |
会議メンバー | ネイサン・シャピロ |
セントラルパーク ドラマーボーイ | タミエル・ペインズ |
マック | ジョーイ・マデン |
フィールドレポーター | フランク・アネロ |
コア通学/保護者 | セルゲイ・アシュロフ |
寄宿学校の子供 | ミア・ボッティーノ |
ビジネスマン・ギャラリー | マルコ・カカ |
バスライダー | コーディ・クリスチャンセン |
喫煙ティーン#1 | ブライアン・エスポジート |
通勤者 | ポール・ガルブレイス |
デビッド | ロス・ギビー |
寄宿学校の子供 | レイラ・マリー・ギデンズ |
喫煙ティーン#2 | コナー・ホーヴィス |
グランドセントラル通勤者 | サマンサ・リー・ジョンソン |
教区学校の子供 | ハンナ・クルチェスキー |
グランドセントラル通勤者 | フェイス・ローガン |
ビジネスウーマン | ドリス・マッカーシー |
乗客 | ケビン・D・マギー |
教区学校の子供 | ジャリーナ・メルカード |
ジャングルジムボーイ | クレイグ・モルッツィ |
教区学校の子供 | クリスティナ・ニコル |
ソーシャルワーカー | アリス・ニーダーマイア |
列車の乗客 | フィル・オッド |
マトリン巡査 | ジョニー・オットー |
車掌 | マウリシオ・オバレ |
グランド・セントラルの旅行者 | トッド・レイニー |
レイチェルを見つめるハゲ男 | ユージン・レスラー |
通勤客 | マイク・シェルボ |
グランドセントラルの通勤客 オイスターバーの客 |
マイケル・シュヴェンデマン |
グランドセントラルの通勤客 | エディ・セルナー |
ニューヨーク市警の制服警官 | ガイ・スパークス |
隣人 | イアン・マイケル・ストーン |
幼稚園生 | アテナ・スチューベ |
MTA職員 | ジョセフ・アンソニー・スドル |
パーティーの女性 | リン・ヴァレー |
教区の学生 | ジェシー・ヴァンダービア |
ニューヨーク市警の制服警官 | ティム・ウィエンチス |
バスの学生 | ダニエル・M・ウィリアムソン |
NYの通勤者 | アレックス・ゼノス |
スタッフ
担当 | 担当者 |
---|---|
衣装デザイン | ミシェル・マトランド |
衣装デザイン | アン・ロス |
セット衣装 | スーザン・アントネッリ |
セット衣装 | サブリナ・キャリー |
セット衣装 | ニーナ・チネリ |
衣装ショッパー | サラ・カベッジ |
衣装監督 | デイヴィッド・ダベンポート |
衣装コーディネート | ランディ・フェザーストーン |
衣装プロダクション助手 | モリー・ピータース |
セット衣装 | ジョナサン・シュワルツ |
衣装プロダクション助手 | レイチェル・スフィアン |
セット衣装 | ウェイド・サリバン |
追加コスチューマー | デベ・デュペリュー |
ヘアメイク | アラン・ダンジェリオ |
メイクアップ主任 | ドン・コズマ |
ヘアスタイル ブラント | マンディ・ライオンズ |
メイクアップ部門責任者 | ベルナデット・マズア |
専属メイクアップ ブラント | カイラ・パンチェンコ |
ヘアスタイル主任 | スタンリー・タインズ |
ヘア | アラン・ダンジェリオ |
デンタル効果 | ナサニエル・デリネデウス |
補綴メイクアップ | マイケル・フォンテーヌ |
特殊メイク効果コーディネート | リンジー・ゲルファンド |
追加メイクアップ | クリスティン・フーホイス |
歯科補綴 | クリス・ライオンズ |
補綴メイクアップ効果 | マイケル・マリーノ |
メイクアップ | パット・ムーア |
コンタクトレンズペインター | クリスティーナ・パターソン |
コンタクトレンズ技術者 | ザカリー・リップス |
メイクアップ | ジャッキー・リゾット |
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