『テロ、ライブ』は2013年公開の韓国サスペンス映画。ラジオアナウンサーがテロリストからの脅迫電話を受け、リアルタイムで事件を中継。緊張感あふれる展開でメディアの倫理を問う。主演ハ・ジョンウ、監督キム・ビョンウ。
基本情報
- 邦題:テロ、ライブ
原題:더 테러 라이브 - 英題:THE TERROR,LIVE
- 公開年:2013年
- 製作国:韓国
- 上映時間:98分
- ジャンル:サスペンス、ドラマ
女優の活躍
『テロ、ライブ』では、主要な女性キャストとしてチョン・ヘジン(パク・ジョンミン主任役)とキム・ソジン(イ・ジス役、ユン・ヨンファの元妻)が登場しますが、映画の中心は主演のハ・ジョンウが演じるユン・ヨンファであり、女性キャラクターの出番は比較的限定的です。
チョン・ヘジン(パク・ジョンミン役)
チョン・ヘジンは、ラジオ局のスタッフでユン・ヨンファの番組を支える主任を演じています。彼女の役柄は、テロ事件の緊迫した状況下で冷静に状況を分析し、ユンに助言を提供する重要なポジションです。特に、ユンがテロリストとの交渉を独占中継に利用しようとする中、彼女は報道の倫理や安全を優先する姿勢を見せ、物語に現実的な視点を加えます。チョン・ヘジンの演技は抑制された中にも感情の機微を表現し、限られた出番の中で強い印象を残します。彼女の落ち着いた口調とプロフェッショナルな態度は、物語の緊張感をさらに際立たせています。
キム・ソジン(イ・ジス役)
キム・ソジンはユン・ヨンファの元妻で、テレビ局の記者として登場します。彼女の役割は、ユンの個人的な葛藤や過去の不祥事を浮き彫りにするもので、物語の後半で彼の人間性を掘り下げる重要な要素となります。キム・ソジンの演技は、短い登場時間ながらも感情的な深みを表現し、ユンの私生活の複雑さを観客に伝えます。彼女のシーンは、ユンがキャリアと私生活の間で揺れる心理を強調する役割を果たしています。
全体として、女性キャラクターは物語の中心ではないものの、ユンの行動や決断に影響を与える重要な役割を担っており、チョン・ヘジンとキム・ソジンの演技は作品のリアリティと感情的な重みを支えています。
女優の衣装・化粧・髪型
『テロ、ライブ』はほぼ全編がラジオ局のスタジオ内で展開し、リアルタイムの緊迫感を重視するため、衣装やメイクアップは控えめで実用的です。
チョン・ヘジン(パク・ジョンミン役)
チョン・ヘジンの衣装は、ラジオ局のスタッフらしいシンプルで機能的なスタイルです。ダークトーンのスーツやブラウスを着用し、プロフェッショナルな雰囲気を演出。メイクアップはナチュラルで、派手さを抑えた自然なベースメイクと薄いリップカラーが特徴です。ヘアスタイルは、ショートカットまたはまとめ髪で、動きやすく実務的な印象を与えます。このスタイルは、彼女のキャラクターが冷静で責任感の強いプロフェッショナルであることを強調しています。
キム・ソジン(イ・ジス役)
キム・ソジンの衣装は、テレビ局の記者らしい洗練されたスタイルで、ジャケットやスカートを基調としたフォーマルな装いです。メイクアップもナチュラルですが、記者としての信頼感を出すため、眉やアイラインがやや強調されています。ヘアスタイルはミディアムレングスのストレートヘアで、整った外見が彼女のプロフェッショナルな立場を反映。全体的に、彼女の衣装とメイクは現代的で都会的な女性像を表現しています。
これらの衣装・メイク・ヘアスタイルは、映画のリアルタイムな設定と緊張感を損なわないよう、過度な装飾を避け、キャラクターの職業や状況に合わせた現実的なデザインが採用されています。
あらすじ
『テロ、ライブ』は、韓国のテレビ局SNCで国民的アナウンサーだったユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)が、不祥事によりラジオ局に左遷されたところから物語が始まります。ある朝、彼が担当するラジオ番組「デイリー・トピック」の生放送中に、「パク・ノギュ」と名乗る人物から「麻浦大橋を爆破する」という脅迫電話が入ります。ユンはこれをいたずらと判断し、電話を切りますが、直後に目の前で麻浦大橋が爆発。テロ事件と確信したユンは、スクープを活かしテレビ局復帰を目指し、犯人との通話を独占生中継することを決意します。
犯人は大統領の謝罪と21億ウォンを要求し、ユンのイヤホンにも爆弾が仕掛けられていると告げます。ユンは報道局長チャ・デウン(イ・ギョンヨン)に掛け合い、テレビ中継を実現。犯人の動機は、過去の麻浦大橋建設時の不当な扱いと仲間たちの犠牲への怒りであることが判明します。物語は、 Stuart and テロリストとの交渉が続き、ユンの決断が状況をさらに複雑にし、メディアの倫理や個人のエゴが問われる展開へと進みます。ほぼリアルタイムで進行する98分のサスペンスは、息をのむ緊迫感で観客を引き込みます。
解説
『テロ、ライブ』は、限られた空間(ラジオスタジオ)と時間(ほぼリアルタイムの98分)で展開するサスペンス・スリラーです。監督キム・ビョンウのデビュー作であり、彼の緻密な脚本と演出が評価され、第34回青龍映画賞や第14回釜山映画評論家協会賞で新人監督賞を受賞しました。映画は、メディアの視聴率至上主義や社会的不平等、個人の野心と倫理の葛藤を鋭く描き、韓国社会の構造的問題を浮き彫りにします。特に、主人公ユン・ヨンファの自己中心的な行動とその結果生じる悲劇は、観客に道徳的ジレンマを投げかけます。
ハ・ジョンウの演技は、ユンの複雑な心理を巧みに表現し、観客に共感と批判の両方を喚起。爆破シーンのVFXやリアルタイム演出は、緊張感を高め、視聴者を物語に引き込みます。本作は550万人以上の観客を動員し、韓国で大ヒットを記録。日本では2025年2月に阿部寛主演の『ショウタイムセブン』としてリメイクされ、さらなる注目を集めました。
キャスト
- ハ・ジョンウ:ユン・ヨンファ(元国民的アナウンサー、ラジオ番組パーソナリティ)
- イ・ギョンヨン:チャ・デウン(報道局長)
- チョン・ヘジン:パク・ジョンミン(ラジオ局主任)
- キム・ソジン:イ・ジス(ユンの元妻、テレビ局記者)
- イ・デビッド:パク・シヌ(ラジオ局スタッフ)
- キム・ホンファ:ジュ長官
- キム・ホンパ:脇役
スタッフ
- 監督・脚本:キム・ビョンウ
- 撮影:ピョン・ボンソン
- 美術:キム・シヨン
- 音楽:イ・ジュノ(Casker)
- VFX:イ・ヒョンドン
- 製作:LOTTE ENTERTAINMENT
- 配給(日本):ミッドシップ=ツイン
- 映倫区分:G
総括
『テロ、ライブ』は、緊張感あふれるサスペンスと社会批評を融合させた傑作です。ハ・ジョンウの迫真の演技とキム・ビョンウの緻密な演出が、メディアの倫理や個人の野心を巡る深いテーマを効果的に描き出します。限られた空間と時間の中で、観客を引き込むストーリーテリングは、韓国映画の技術力と物語性の高さを示しています。女優の活躍は控えめながらも、チョン・ヘジンとキム・ソジンが物語に重要な感情的・倫理的視点を提供。衣装やメイクは現実的で、作品のリアリティを支えます。
レビュー 作品の感想や女優への思い