『AIMEE エイミー マリーン・フォース』（2022年）は、アメリカ製作のアクション映画。海兵隊員ジェシカが、人身売買組織に拉致された妹エイミーを救うため、仲間と共に戦うリベンジアクション。クールで強いヒロインの活躍が魅力のB級作品。
基本情報
- 邦題：AIMEE エイミー マリーン・フォース
- 原題：The Vigilante／Aimee
- 公開年：2022年
- 製作国：米国
- 上映時間：101分
- ジャンル：スリラー
見どころ
USMCの精鋭特殊部隊員であるヒロインが繰り出すド派手なアクションが見もの。監督は『ダイ・ハード4.0』などでスタントパフォーマーを務めたリー・ウィッテカー。
あらすじ
『AIMEE エイミー マリーン・フォース』（原題：The Vigilante／Aimee）は、2022年にアメリカで製作されたアクション映画です。物語の中心は、米海兵隊（USMC）の精鋭部隊に所属するジェシカ（ジェット・ジャンドロー）。彼女はアフガニスタンでの任務を終え帰国するが、その夜、13歳の妹エイミー（ジェイミー・M・ティモンズ）が人身売買組織に拉致されてしまいます。警察から協力を得られず、ジェシカは自ら妹を救出することを決意。戦友のダン（エリック・ピアース）に協力を依頼し、売春絡みの人身売買業者を追跡するプログラムを開発してもらいます。プログラムで特定した住宅に乗り込むジェシカとダンは、組織の構成員を倒し、監禁されていた少女たちを解放しますが、エイミーの姿はありません。時間は刻一刻と迫り、エイミーが危険な状況に置かれる中、ジェシカはトラウマと闘いながら、妹を救うために命がけの戦いに挑みます。果たして、ジェシカはエイミーを無事に救出できるのか――。本作は、緊張感のあるアクションと社会問題をテーマにした復讐劇が融合した作品です。
解説
本作は、女性主導のリベンジアクションとして、強いメッセージ性を持つ作品です。人身売買という重い社会問題を背景に、主人公ジェシカのタフでクールなキャラクターが際立ちます。監督のリー・ウィッタカーは、『キャプテン・マーベル』や『X-MEN:アポカリプス』でスタントパフォーマーとして活躍した経験を活かし、リアルで迫力のあるアクションシーンを演出。特に、USMCの訓練を受けたジェシカの戦闘シーンは、銃撃戦や格闘戦がダイナミックに描かれ、観客を引き込みます。ただし、レビューでは「プロットが単調」「設定に無理がある」との指摘もあり、B級映画らしいチープさや展開の粗さが感じられる場合もあります。それでも、テンポの良い展開とジェシカの強い意志が物語を牽引し、シリアスなテーマをアクションで昇華する点で一定の評価を得ています。
映画は、ジェシカのPTSD（心的外傷後ストレス障害）やトラウマにも焦点を当て、戦場での過酷な経験が彼女の行動にどう影響するかを描きます。しかし、一部のレビューでは、こうした心理的要素がストーリーの「ノイズ」となり、アクションの爽快感を損なっているとの意見も見られます。 全体として、予算やキャストの知名度は控えめながら、女性ヒーローの活躍と社会問題への警鐘を組み合わせた意欲作と言えるでしょう。
女優の活躍
本作の主演を務めるジェット・ジャンドロー（ジェシカ役）は、アクション映画での経験は限られているものの、本作で堂々とした存在感を発揮しています。彼女は、元海兵隊員という設定にふさわしいフィジカルな演技を見せ、銃器の扱いや格闘シーンで説得力のあるパフォーマンスを披露。特に、敵のアジトに乗り込むシーンでは、冷静かつ果敢な姿勢で観客を魅了します。ジェット・ジャンドローは、本作以前に『アルゴ』（2012年）で小さな役を演じており、アクション映画への出演経験を活かして本作の主役を担いました。彼女の力強い演技は、物語の中心である「最強のヒロイン」を体現し、作品の魅力の核となっています。
一方、エイミー役のジェイミー・M・ティモンズは、拉致された少女としての感情表現が求められる難しい役どころを演じています。彼女の演技は、恐怖や絶望を表現する場面で特に光り、姉ジェシカとの絆を観客に感じさせます。ティモンズは本作が大きなスクリーンデビュー作であり、今後の活躍が期待される若手女優です。
4女優の衣装・化粧・髪型
ジェット・ジャンドローの衣装は、ジェシカの海兵隊員としての背景を反映した実用的なものが中心です。主にカーキ色のタクティカルベストやカーゴパンツ、ブーツといったミリタリースタイルが特徴で、戦闘シーンでの動きやすさを優先。化粧は最小限で、戦場帰りのタフな女性像を強調するため、ナチュラルなメイクが施されています。髪型は、アクションシーンでの機能性を考慮し、シンプルなポニーテールやまとめ髪が多用されています。このスタイルは、ジェシカの「クール＆ビューティ」なキャラクターを際立たせ、視覚的にも強いヒロイン像を構築しています。
ジェイミー・M・ティモンズ演じるエイミーの衣装は、物語の進行に応じて変化します。拉致される前のシーンでは、13歳の少女らしいカジュアルなTシャツやジーンズが登場。拉致後は、人身売買組織に囚われた状況を反映し、やや乱れた服装や薄暗い照明下での演出が施されています。化粧はほぼなく、少女の無垢さを強調。髪型は、ストレートのロングヘアで、恐怖や混乱を表現する際に乱れる様子が効果的に使われています。
キャスト
- ジェシカ：ジェット・ジャンドロー（海兵隊員でエイミーの姉。トラウマを抱えつつ、妹救出のために戦う）
- エイミー：ジェイミー・M・ティモンズ（ジェシカの13歳の妹。人身売買組織に拉致される）
- メイソン：ポール・ボンド（組織の関係者。ジェシカの敵役の一人）
- ダン：エリック・ピアース（ジェシカの戦友で、プログラム開発を担当）
スタッフ
- 監督・脚本：リー・ウィッタカー（『キャプテン・マーベル』『X-MEN:アポカリプス』のスタント経験者。本作で監督・脚本を担当）
- 脚本：カラ・マイヤーズ
- 音楽：オク・ユウイチロウ（グローバル・ミュージックアワード受賞歴を持つ作曲家）
- 特殊効果：ジョージ・ザモラ（『タイタニック』『ターミネーター2』で知られる）
- 日本語字幕翻訳：浜本裕樹
総評
『AIMEE エイミー マリーン・フォース』は、アクション映画としての爽快感と社会問題への問題提起を両立させた作品です。ジェット・ジャンドローの力強い演技と、リー・ウィッタカー監督のアクション演出が光りますが、プロットの単純さや設定の粗さが指摘されることも。B級映画の枠を超えないものの、女性ヒーローの活躍と緊張感ある展開は、アクション映画ファンを十分に楽しませるでしょう。衣装や髪型もキャラクターの個性を引き立て、視覚的な魅力も提供しています。
レビュー 作品の感想や女優への思い