『サンダーボルツ*』は2025年5月2日公開のMCU映画。超クセ強なヴィランたちがチームを組み、ニューヨークを襲う脅威に立ち向かうアクションSF。フローレンス・ピュー、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスら女優陣が活躍。126分、アメリカ製作、ウォルト・ディズニー・ジャパン配給。
基本情報
- 邦題:サンダーボルツ*
- 原題:Thunderbolts*
- 上映日:2025年05月02日
- 製作国:米国
- 上映時間:126分
- ジャンル:アクション、SF
- 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
あらすじ
『サンダーボルツ*』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の36作目となるスーパーヒーロー映画で、過去にヴィランやアンチヒーローとして登場したキャラクターたちが集結し、チーム「サンダーボルツ」を結成して人類消滅の危機に立ち向かう物語です。ニューヨークに突如現れた巨大な黒い影が市民を次々と消し去る中、アベンジャーズが不在の状況で、CIA長官ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)の指令のもと、エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)を中心に、ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)、ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)、タスクマスター(オルガ・キュリレンコ)、レッド・ガーディアン(デビッド・ハーバー)、バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)、そして謎の男ボブ(ルイス・プルマン)が集められます。彼らは、かつてヒーローと対立し、複雑な過去を抱える「ならず者」たちですが、ヴァレンティーナの真の目的を探りつつ、強大な敵「セントリー」およびその暗黒面「ヴォイド」と戦うために団結します。
物語は、個々の葛藤や過去のトラウマを乗り越え、チームとして結束していく過程を描き、最終的に「ニュー・アベンジャーズ」として新たな一歩を踏み出す姿が描かれます。エレーナは、姉ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)の死による喪失感を抱えながらも、仲間との絆を通じて自身の存在意義を見出していきます。アクションと人間ドラマが融合した、異色のMCU作品です。
解説
『サンダーボルツ*』は、MCUのフェイズ5の集大成ともいえる作品で、従来のヒーロー映画とは一線を画す「アンチヒーロー」を主役に据えた点が特徴です。原作コミックの「サンダーボルツ」は、ヴィランやダークヒーローが集まり、時に政府の任務を遂行するチームとして知られていますが、本作ではその精神を受け継ぎつつ、MCU独自の解釈が加えられています。
物語の中心には、個々のキャラクターの「赦し」や「再生」のテーマが織り込まれており、特にエレーナの心理的な成長や、ボブの内面の戦い(ヴォイドとの対決)が物語の核となっています。セントリーという圧倒的な力を持つ敵との戦いは、物理的な戦闘だけでなく、精神的な葛藤や仲間との絆を通じて解決される点で、従来のMCU作品とは異なる深みを生み出しています。
また、映画のタイトルに含まれる「*」は、物語の終盤で「ニュー・アベンジャーズ」への移行を暗示する仕掛けとなっており、2026年公開予定の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』への布石となっています。監督ジェイク・シュライアーは、アクションシーンだけでなく、キャラクターの内面を丁寧に描くことで、観客に感情移入しやすい物語を提供。エンドクレジットシーンでは、新たなアベンジャーズの結成や、余剰次元からの宇宙船(ファンタスティック・フォーの登場を予感させる)の出現など、MCUの未来を予告する要素が盛り込まれています。
公開初週で世界興行収入1億6000万ドル以上を記録し、批評家からもキャラクターの魅力と人間ドラマが評価されています。
女優の活躍
本作では、フローレンス・ピュー、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスといった女優陣が重要な役割を果たしています。
- フローレンス・ピュー(エレーナ・ベロワ):エレーナはチームの中心人物であり、姉ナターシャの死による喪失感と向き合いながら、暗殺者としての過去を乗り越えようとするキャラクターです。ピューは、アクションシーンでのしなやかな動きと、感情的なシーンでの繊細な演技で、エレーナの葛藤と成長を見事に表現。彼女のリーダーシップと仲間への信頼が、物語の感動的なクライマックスを支えています。特に、ボブの精神世界での対話シーンでは、ピューの抑えた演技が観客の心を打ちます。
- オルガ・キュリレンコ(タスクマスター/アントニア・ドレイコフ):『ブラック・ウィドウ』で初登場したタスクマスターを再び演じたキュリレンコは、驚異のコピー能力を持つ暗殺者として、アクションシーンで圧倒的な存在感を示します。今回は、彼女の過去のトラウマや父親ドレイコフとの関係が掘り下げられ、感情的な一面も垣間見えます。キュリレンコの冷徹さと人間味のバランスが、キャラクターに深みを加えています。
- ハナ・ジョン=カーメン(ゴースト/エイヴァ):『アントマン&ワスプ』で登場したゴーストは、物体をすり抜ける能力を持つキャラクター。ジョン=カーメンは、ゴーストの孤独感や肉体的な苦痛を表現しつつ、チームでの協力を通じて希望を見出す姿を丁寧に演じています。彼女のアクションシーンは、独特の「幽霊」的な動きが特徴で、視覚的にも印象的です。
- ジュリア・ルイス=ドレイファス(ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ):謎多きCIA長官ヴァルを演じるルイス=ドレイファスは、狡猾でカリスマ的な悪役として物語を牽引。彼女の計算高い演技と、チームを操る策略家としての存在感が、物語に緊張感をもたらします。記者会見での「ニュー・アベンジャーズ」宣言場面では、彼女のユーモアと威厳が際立っています。
女優の衣装・化粧・髪型
各女優の衣装、化粧、髪型は、キャラクターの個性や物語のトーンを反映したデザインが施されています。
- フローレンス・ピュー(エレーナ・ベロワ):エレーナの衣装は、戦闘用のタクティカルスーツが中心で、ブラック・ウィドウを彷彿とさせる黒と緑の配色が特徴。スーツは動きやすさを重視しつつ、彼女のしなやかな体型を引き立てるデザインです。化粧はナチュラルで、戦闘中の汗や汚れを強調するリアルな仕上がり。髪型は、ポニーテールや編み込みを多用し、アクションシーンでの機能性を確保しつつ、彼女の若々しさとタフさを表現しています。終盤の記者会見シーンでは、カジュアルなジャケットスタイルで、柔らかい一面を見せます。
- オルガ・キュリレンコ(タスクマスター/アントニア・ドレイコフ):タスクマスターの衣装は、戦術的な装備とマスクが特徴で、シルバーのアクセントが施されたダークトーンのスーツ。マスクは彼女のミステリアスな雰囲気を強調し、戦闘時のコピー能力を視覚的に表現。化粧は控えめで、鋭い目元を強調するアイラインが特徴。髪型は、ヘルメットやマスクに合わせてタイトにまとめられたスタイルで、戦士らしいクールな印象を与えます。
- ハナ・ジョン=カーメン(ゴースト/エイヴァ):ゴーストの衣装は、白とグレーのスーツで、彼女の「幽霊」的な能力を象徴する半透明な素材が使用されています。スーツは身体にフィットし、動きやすさと視覚効果を両立。化粧は青白い肌を強調し、ゴーストの病弱な背景を表現。髪型はショートカットで、戦闘中の機敏さを際立たせています。終盤では、少し柔らかい色合いの衣装が登場し、彼女の変化を暗示します。
- ジュリア・ルイス=ドレイファス(ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ):ヴァルの衣装は、権力者らしい洗練されたスーツやコートで、ダークパープルやブラックを基調とした高級感あるデザイン。化粧は、シャープなアイラインと赤いリップで、彼女のカリスマ性を強調。髪型は、ショートで整ったスタイルを維持し、プロフェッショナルな印象を与えます。記者会見シーンでは、華やかなドレスで登場し、彼女の策略家としての魅力を際立たせています。
キャスト
- エレーナ・ベロワ:フローレンス・ピュー
- レッド・ガーディアン/アレクセイ:デビッド・ハーバー
- ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ:セバスチャン・スタン
- USエージェント/ジョン・ウォーカー:ワイアット・ラッセル
- タスクマスター/アントニア・ドレイコフ:オルガ・キュリレンコ
- ゴースト/エイヴァ:ハナ・ジョン=カーメン
- ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ:ジュリア・ルイス=ドレイファス
- ボブ/セントリー:ルイス・プルマン
- エレーナ(少女時代):バイオレット・マッグロウ
- その他:ウェンデル・ピアース、クリス・バウアー、ジェラルディン・ヴィスワナサン
スタッフ
- 監督:ジェイク・シュライアー
- 脚本:エリック・ピアソン、ジョアンナ・カロ
- 製作:ケヴィン・ファイギ
- 製作会社:マーベル・スタジオ
- 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
- 撮影:トレント・オパロッチ
- 音楽:マイケル・ジアッキーノ
- 編集:リー・フォークナー
- プロダクションデザイン:グレース・ユン
レビュー 作品の感想や女優への思い