ビクトリア（Victoria）は中国出身の歌手・女優で、韓国アイドルグループf(x)のリーダー。卓越したダンス・スキルと演技力で知られ、中国と韓国で活躍。2021年にSMエンタテインメントとの契約終了後、個人事務所で活動中。
プロフィール
生い立ち・教育
ビクトリア（Victoria）は、1987年2月2日、中華人民共和国山東省青島市に生まれました。幼少期から芸術に親しみ、特に舞踊に強い関心を示しました。彼女は北京舞蹈学院に進学し、中国の伝統舞踊や現代舞踊を学び、そこで卓越したダンス技術を磨きました。この学院は中国で最も権威ある舞踊教育機関の一つであり、ビクトリアのダンスの基礎を築く重要な場となりました。彼女の柔軟性と優雅な動きは、後のキャリアでf(x)のメインダンサーとしての評価に繋がりました。また、幼少期から北京で過ごすことが多く、そこで培った文化的背景や言語能力が、韓国での活動においても彼女の個性を際立たせる要素となりました。
経歴
ビクトリアの芸能界への第一歩は、2007年に中国の舞踊大会に出場していた際に、韓国の大手芸能事務所SMエンタテインメントの関係者にスカウトされたことから始まりました。彼女は2009年に韓国でガールズグループf(x)のリーダーとしてデビュー。f(x)は独特の音楽性と斬新なファッションで注目を集め、ビクトリアはメインダンサー兼サブボーカルとしてグループの中心的な役割を果たしました。特に、彼女の柔軟性とエレガントなダンスは、楽曲「Electric Shock」や「Red Light」で高く評価され、グループの成功に大きく貢献しました。f(x)は2011年のアルバム『ピノキオ』でガオンチャート1位を獲得し、2013年には『Pink Tape』が米国の音楽メディアで「2010年代最高のK-POPアルバム」に選ばれるなど、国際的な評価を得ました。
ビクトリアは歌手活動と並行して、2010年に韓国のバラエティ番組『青春不敗』や『私たち結婚しました』（2PMのニックンと仮想結婚）に出演し、親しみやすいキャラクターで人気を博しました。2012年には中国・台湾合作ドラマ『恋のキセキ（原題：When Love Walked In）』で主演を務め、視聴率1位を獲得。中国TVドラマアワードで「最優秀新人女優賞」を受賞するなど、女優としての才能も開花させました。その後も、2015年の中国ドラマ『美麗的秘密』、2016年の韓国映画『もっと猟奇的な彼女』、同年の中国ドラマ『幻城 〜Ice Fantasy〜』など、多様な作品で活躍。2021年にはSMエンタテインメントとの契約を終了し、自身の個人事務所を設立。現在は中国を拠点に、歌手・女優として活動を続けています。2024年にはドラマ『彼女は無敵な翻訳官（原題：Our Interpreter）』で主演を務め、ファッション分野ではジミー・チュウのグローバルアンバサダーに就任しました。
彼女は社会貢献活動にも積極的で、2010年には「世界献血デー」の大使に任命され、2012年には中国と韓国の外交関係20周年を記念する慈善イベントに参加するなど、社会的影響力も発揮しています。しかし、2020年に中国人民解放軍の朝鮮戦争参戦70周年を記念する投稿をWeiboで共有したことで、韓国で歴史認識を巡る議論を呼び、一時的に物議を醸しました。
私生活
ビクトリアの私生活については、メディアやファンから多くの関心が寄せられていますが、彼女自身はプライバシーを重視し、詳細な情報はあまり公開していません。f(x)のメンバーとして活動する中で、グループの最年長者でありながら、愛嬌のある性格やメンバーへの気遣いから「チームの母親」のような存在として親しまれました。特に、メンバーとの親密な関係性は、バラエティ番組やコンサートでのエピソードを通じてファンに愛される要因となりました。彼女はクリスタルやアンバーといったメンバーと特に親しく、時には子供のような無邪気な一面を見せることもありました。
ビクトリアは韓国語の習得に苦労した経験を持ち、特に初期のキャリアでは中国語訛りの韓国語が課題でした。しかし、長年の努力により、韓国語での歌唱やトークショーでのコミュニケーションが流暢になり、ファンからもその成長が評価されています。また、彼女は中国語、韓国語、英語を操り、国際的な活動の場でその語学力を活かしています。趣味としては旅行が挙げられ、2012年に出版したフォトエッセイ『Victoria’s Hong-Ma』では、香港とマカオでの旅行体験を綴り、ファッションや文化への関心を示しました。
出演作品
ビクトリアの出演作品は、韓国と中国のドラマ・映画を中心に多岐にわたります。以下は主要な作品のリストと概要です。
TV
- 恋のキセキ（2012年、中国・台湾合作）：女優デビュー作。ラブストーリーを軸に、若者の夢と成長を描いた作品。ビクトリアの初々しい演技が注目されました。
- 美麗的秘密（2015年、中国）：家族と愛をテーマにした感動ドラマ。ビクトリアの感情豊かな演技が高く評価されました。
- 幻城 〜Ice Fantasy〜（2016年、中国）：ファンタジー大作で、壮大な世界観とビジュアルが話題に。ビクトリアは主要な役を演じ、アクション場面でも存在感を示しました。
- 千年のシンデレラ 〜Love in the Moonlight〜（2018年、中国）：歴史ロマンスドラマで、ビクトリアの優雅な魅力が際立つ作品。視聴率も好調でした。
- 働く女子流ワタシ探し（2020年、中国）：Netflixで配信され、10歳年下の男性とのラブストーリーが話題。現代女性の葛藤をリアルに描き、ビクトリアの自然体な演技が好評でした。
- 家族の名において（2020年、中国）：血の繋がらない家族の絆を描いたヒーリングドラマ。中国で視聴率1位、再生回数50億回超を記録しました。
- 風起洛陽（2021年、中国）：ワン・イーボーやホアン・シュエンと共演した歴史ミステリードラマ。日本でもWOWOWで放送され、ビクトリアの凛とした演技が印象的でした。
- 見知らぬ恋人～Love & Lie～（2024年、中国）：U-NEXTで独占配信。ロマンスとサスペンスが交錯する作品で、ビクトリアの成熟した演技が光ります。
- 彼女は無敵な翻訳官（2024年、中国）：キャリアウーマンを演じ、デジタル配信やDVDで人気。プロフェッショナルな姿が視聴者に好評です。
映画
- もっと猟奇的な彼女（2016年、韓国）：韓国映画『猟奇的な彼女』の続編。ビクトリアはヒロイン役でコミカルな演技を披露。
- My Best Friend’s Wedding（2016年、中国）：ハリウッド映画のリメイク版。ビクトリアのロマンティックな魅力が際立つ作品。
- Wished（2017年、中国）：コメディ映画で、ビクトリアのユーモラスな一面が見られます。
バラエティ番組
- 青春不敗（2010年、韓国）：アイドルとしての親しみやすさが人気を博した番組。
- 私たち結婚しました（2010-2011年、韓国）：ニックンとの仮想結婚が話題となり、ビクトリアの知名度を大きく上げました。
まとめ
ビクトリア（宋茜）は、ダンスで培った表現力と韓国でのアイドル経験を活かし、中国で女優として成功を収めたマルチタレントです。北京舞踏学院での学び、SMエンタテインメントでの厳しい訓練、f(x)でのリーダーシップを経て、2021年以降は個人事務所で自由に活動。ドラマや映画での活躍に加え、ソロ歌手としても才能を発揮しています。私生活では謎めいた魅力を持ちつつ、親しみやすい性格で多くのファンに愛されています。今後も彼女の新たな挑戦と作品に期待が高まります。
レビュー 作品の感想や女優への思い