『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)はスティーヴン・スピルバーグ監督が『ロミオとジュリエット』を基に、1957年のブロードウェイミュージカル『ウエスト・サイド物語』を映画化したロマンス・ドラマ。
1950年代のニューヨークを舞台に、プエルトリコ移民のシャークスと白人ギャングのジェッツの対立を描き、トニーとマリアの愛が悲劇を生むものです。アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズらが出演します。音楽はレナード・バーンスタインのオリジナルスコアを使用しています。2021年12月10日米国公開、2022年2月11日日本公開です。興行収入は世界で約1億ドルです。スピルバーグのビジョンで現代的に再解釈され、アカデミー賞でアリアナ・デボーズが助演女優賞を受賞しました。
基本情報
- 邦題:ウエスト・サイド・ストーリー
- 原題:West Side Story
- 公開年:2021年
- 製作地:アメリカ合衆国
- 上映時間:156分
女優の活躍
本作『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)では、主にレイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、リタ・モレノの女優たちが活躍します。レイチェル・ゼグラーはマリア役でデビュー作ながら、純粋さと強さを体現します。歌唱力が抜群で、「Tonight」や「I Feel Pretty」での感情豊かなパフォーマンスが印象的です。彼女の演技は、青春の無垢さと恋の葛藤を繊細に表現し、観客の心を掴みます。アリアナ・デボーズはアニタ役で、力強い存在感を発揮します。「America」での歌とダンスは圧巻で、ユーモアと批判精神を交え、社会的な緊張を強調します。彼女の演技は忠実さと反抗心を兼ね備え、アカデミー賞助演女優賞を受賞するほどの高評価を得ました。リタ・モレノはバレンティーナ役で、1961年版のアニタ役の経験を活かし、重厚な演技を見せます。「Somewhere」での歌唱は心に響き、個人的な喪失感を反映します。彼女たちは化学反応を起こし、愛とレジリエンスのテーマを高めます。他の女優たちも、シャークスガールズやジェッツガールズとして、ダンスシーンでエネルギッシュに活躍します。全体として、女優たちのパフォーマンスは映画の感情的な核となり、ミュージカルの魅力を最大限に引き出します。
女優の衣装・化粧・髪型
『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)の衣装デザインはポール・タズウェルが担当し、女優たちのキャラクターを視覚的に強調します。レイチェル・ゼグラー演じるマリアの衣装は、プエルトリコの遺産を反映した鮮やかなドレスが多く、ダンスシーンでは赤いガウンや花柄のパターンが使用されます。メイクは自然で、柔らかいピンクのリップとデューイな肌が若々しさを演出します。髪型はルーズなウェーブやハイポニーテールで、無垢から成熟への移行を象徴します。アリアナ・デボーズ演じるアニタの衣装は大胆で、トロピカルなラッフル付きのドレスが目立ち、「America」では赤いドレスに構造的な肩が特徴です。メイクは定義された眉と赤いリップ、ドラマチックなアイメイクで情熱的な性格を表します。髪型はボリュームのあるカールやスリークなアップドゥで、ステージ映えします。リタ・モレノ演じるバレンティーナの衣装は1950年代のエレガントなスーツで、ミュートなトーンがメンター役を強調します。メイクは微妙で、特徴を際立たせ、髪型はスリックなボブです。これらの選択は、シャークスを暖色系、ジェッツを寒色系で色分けし、キャラクターのアイデンティティと時代性を高めます。他の女優たちも、シャークスのガールズはフローラルでジェッツのガールズはアーバンなスタイルで統一され、視覚的なコントラストを生み出します。
あらすじ
1950年代のニューヨーク、西側地区を舞台にします。プエルトリコ移民のギャング集団シャークスと、白人ギャングのジェッツが縄張りを争います。ジェッツのリーダー、リフは釈放されたばかりのトニーを巻き込み、シャークスとの対決を計画します。トニーはシャークスのダンスパーティーでマリアと出会い、一目惚れします。マリアはシャークスのリーダー、ベルナルドの妹です。ベルナルドは恋人のアニタと暮らしており、シャークスの誇りを守ります。トニーとマリアは秘密裏に愛を育てますが、両ギャングの対立は激化します。アニタはトニーに同情しつつ、ベルナルドと対立します。警察のシュラッグは事態を収拾しようとしますが失敗します。トニーはリフの依頼でシャークスと対決し、誤ってベルナルドを殺害します。報復でトニーはチノの銃で撃たれ、マリアはトニーの死を知り絶望します。最終的に両グループは悲劇的な結末を迎え、対立の無意味さを示します。物語は愛と憎しみの衝突を描き、ミュージカルナンバーで感情を強調します。トニーとマリアのロマンスは、火災階段での告白やクロイスターズでのデートで深まりますが、社会的分断が悲劇を招きます。
解説
『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021年)は、スティーヴン・スピルバーグ監督がウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を基にした1957年のブロードウェイミュージカルを原作に映画化したものです。1961年のロバート・ワイズ版に続く2度目の映画化で、トニー・クシュナーが脚本を執筆します。原作のストーリーをよりオリジナルに近づけ、現代的な視点で再構築します。テーマは人種差別、ギャング文化、若者の葛藤です。音楽はレナード・バーンスタインのスコアをデヴィッド・ニューマンがアレンジし、ロサンジェルス・フィルハーモニックが演奏します。振付はジャスティン・ペックが担当し、ダイナミックなダンスシーンが特徴です。スピルバーグは幼少期からこの作品を愛し、家族のポピュラー音楽と語ります。製作費1億ドルに対し、興行収入は約7600万ドルと低調でしたが、批評家から高評価を受け、アカデミー賞で7部門ノミネートされ、アリアナ・デボーズが助演女優賞を受賞しました。ゴールデングローブ賞でも同賞を受賞します。撮影はニューヨークのハーレムなどでリアルに再現されます。公開は新型コロナの影響で延期されましたが、Disney+で配信されました。スピルバーグのビジョンは、映像美と感情表現を加え、現代の観客に訴えます。人種的緊張を強調し、ジェンダー表現も現代的にアップデートします。全体として、ミュージカルの傑作として位置づけられます。
キャスト
- トニー:アンセル・エルゴート(吹替:宮野真守)
- マリア:レイチェル・ゼグラー(吹替:藤原夏海)
- アニタ:アリアナ・デボーズ(吹替:諏訪部順一)
- ベルナルド:デヴィッド・アルヴァレス
- リフ:マイク・ファイスト
- バレンティーナ:リタ・モレノ(吹替:塩田朋子)
- シュラッグ:レイ・ロマーノ(吹替:後藤光祐)
- チノ:ジョシュ・アンドレス・リベラ
- クラプキ巡査:ブライアン・ダーシー・ジェームズ(吹替:清水裕亮)
- アニバル:デビッド・アビレス・モラレス
- ブラウリオ:セバスティアン・セラ(吹替:清水裕亮)
- チャゴ:リカルド・A・ザヤス(吹替:横山遵)
- チューチョ:カルロス・E・ゴンザレス
- フラコ:リッキー・ウベダ
- ジョチ:アンドレイ・シャガス
- ジュリート:アドリエル・フレーテ
- ジュニア:ジェイコブ・ガスマン
- マノロ:ケルビン・デルガード
- ピポ:カルロス・サンチェス・ファル
- キケ:ジュリアス・アンソニー・ルビオ(吹替:高橋信)
- セバス:ユレル・エシェザレッタ
- ティノ:ダビド・グスマン
- エニーボディズ:エズラ・メナス(吹替:山本和臣)
- ロザリア:アナ・イザベル(吹替:宮本茉奈)
- チャリータ:タナイリーリ・サデ・バスケス(吹替:大平あひる)
- クラリー:イェセニア・アヤラ
- コンチ:ガブリエラ・M・ソト
- クーカ:ジュリエット・フェルシアーノ・オーティス
- イリ:ジャネット・デルガード
- アイーサ:マリア・アレクシス・ロドリゲス
- ジャシンタ:エドリーゼ・ローサ・ペレス
- ルース:イルダ・メイソン(吹替:池田朋子)
- モンセ:ジェニファー・フロレンティーノ
- ピリ:メロディー・マルティ
- タチ:ギャビー・ディアス
- テレ:イザベラ・ワード
- グラツィエラ:パロマ・ガルシア・リー(吹替:大地葉)
- ドット:エロイーズ・クロップ
- ガッシー:リー・アン・エスティ
- カレン:ローレン・リー
- マック:ブリタニー・ポラック
- マミー:ケリー・ドロブニック
- マキシー:スカイ・マットックス
- ナタリー:アドリアーナ・ピアス
- ロンダ:ジョナリン・サクサー
- ソレラ:ブリアナ・アブルッツォ
- スウェーデン:ハリ・トーランド
- タット:サラ・エスティ
- テシー:タリア・ライダー
- ヴェルマ:マディー・ジーグラー
スタッフ
- 監督:スティーヴン・スピルバーグ
- 脚本:トニー・クシュナー
- 原作:アーサー・ローレンツ
- 製作:スティーヴン・スピルバーグ、ケヴィン・マックコラム、クリスティ・マコスコ・クリーガー
- 製作総指揮:リタ・モレノ
- 音楽:レナード・バーンスタイン(オリジナルスコア)、デヴィッド・ニューマン(アレンジ)
- 撮影:ヤヌス・カミンスキー
- 編集:マイケル・カーン
- 振付:ジャスティン・ペック
- ボーカルコーチ:ジーイーン・テオーリ
- 配給:20世紀スタジオ(米国)、ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本)
- 衣装デザイン:ポール・タズウェル
- 音楽監督/指揮:グスターボ・ドゥダメル
- 音楽コンサルタント:ジョン・ウィリアムズ
- 音楽スーパーバイザー:マット・サリバン




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