チョン・ドヨン(전도연)は、韓国を代表する女優として長年にわたり国内外で高い評価を受けています。1973年2月11日生まれの彼女は、1990年代初頭にデビューして以来、卓越した演技力と作品選びのセンスで「カンヌの女王」や「ロマコメの女王」といった愛称で親しまれ、韓国映画界およびドラマ界において確固たる地位を築いてきました。ここでは、チョン・ドヨンの最近の活動や近況について、ご紹介します。
最近の主な活動
舞台への復帰:連劇『桜の園』
チョン・ドヨンは2024年に、27年ぶりに連劇の舞台に復帰しました。ロシアの劇作家アントン・チェーホフの名作『桜の園』を、世界的演出家サイモン・ストーンが再解釈した作品に出演。この公演は2024年6月4日から7月7日まで、ソウルのLGアートセンターで上演され、チョン・ドヨン様は貴族の女性ラネフスカヤ役を演じました。共演者には『イカゲーム』で知られるパク・ヘスをはじめ、ソン・サンギュ、チェ・ヒソ、イ・ジヘなど実力派俳優が名を連ね、チケットは瞬く間に完売するほどの人気を博しました。サイモン・ストーン氏は、チョン・ドヨンを含む韓国俳優陣の喜劇と悲劇を行き来する演技力に魅了されたと語り、韓国社会のダイナミズムを作品に反映したと述べています。この挑戦は、チョン・ドヨン様の演技者としての新たな一面を示すものであり、観客や評論家から高い評価を受けました。
新作映画『可能な愛』への出演
チョン・ドヨンは、2025年にイ・チャンドン監督の新作映画『可能な愛』(原題:가능한 사랑)に出演予定。この作品は、映画振興委員会の製作支援予備審査を通過し、国際共同製作として、2025年内のクランクアップを目指して準備が進められています。共演者にはソル・ギョングとチョ・インソンが予定されており、豪華なキャスト陣が話題を集めています。イ・チャンドン監督とは2007年の『密陽』(原題:밀양)でタッグを組み、チョン・ドヨンはカンヌ国際映画祭で韓国人俳優として初の女優賞を受賞した実績があります。この新作も、彼女の深い感情表現と圧倒的な演技力が期待されるプロジェクトとして注目されています。
最近の映画とドラマでの活躍
チョン・ドヨンは近年も多様なジャンルの作品で活躍を続けています。2023年にはNetflix映画『キル・ボクスン』(原題:길복순)でアクションに挑戦し、殺し屋役を鮮やかに演じ切り、新たな魅力を披露しました。この作品は、アクションとドラマの融合が評価され、チョン・ドヨン様の存在感が際立つ一作となりました。また、同年にはtvNドラマ『イルタ・スキャンダル』(原題:일타 스캔들)に出演し、最高視聴率17%を記録、2023年のtvNドラマ視聴率1位を獲得するなど大成功を収めました。このドラマは、Netflixでの同時配信でも高い人気を博し、韓国国内外で多くの視聴者に愛されました。チョン・ドヨンは、シングルマザーでありながら教育熱心な母親役を自然体で演じ、視聴者に深い共感を与えました。
ファッションと広告活動
チョン・ドヨンは、女優としての活動に加え、ファッション業界でも注目を集めています。2023年にはファッション・ブランド「ジョセフアンドステイシー」のアンバサダーに選ばれ、雑誌『W Korea』を通じて公開されたキャンペーン画報で、20代を彷彿とさせる若々しい美貌を披露。51歳(2025年現在)とは思えないその魅力は、「リズ(最盛期)」を再現したとして話題を呼び、多くのファンから「憧れの存在」と称賛されました。このような活動を通じて、チョン・ドヨンは年齢を超越した美しさと存在感をアピールし、幅広い世代から支持を得ています。
後輩への影響力とロールモデルとしての存在
チョン・ドヨンは、後輩俳優たちにとって大きなインスピレーションを与える存在です。2025年には、若手女優イ・ヨン様がチョン・ドヨンから受け取った誕生日のお手紙について言及し、「考え続けることの大切さ」を伝える心温まるメッセージに感銘を受けたことを明かしました。また、女優カン・イェウォンも、チョン・ドヨンとの偶然の出会いで食事をご馳走になり、その温かさに感謝の意を表すなど、彼女の人柄が後輩たちに愛されています。さらに、ソン・ヘギョ、ソン・イェジン、コン・ヒョジン、キム・ゴウンなど、多くの女優がチョン・ドヨンをロールモデルとして挙げ、彼女の演技力や作品への姿勢を尊敬しています。
魅力と影響力
チョン・ドヨンは、1997年の映画『接続』(原題:접속)でスクリーンデビューを果たし、以降、『約束』(原題:약속)、『ハッピーエンド』(原題:해피엔드)、『密陽』、『キル・ボクスン』など、多様なジャンルの作品で常に期待を超える演技を見せてきました。とくに『密陽』では、深い悲しみと信仰の葛藤を表現し、カンヌ国際映画祭での受賞により国際的な認知を獲得。彼女の演技は、感情の細やかな変化を捉える繊細さと、どんな役柄にも溶け込むカメレオンのような適応力で知られています。
また、チョン・ドヨンは作品選びにおいてシナリオを最優先に考えることで知られ、商業性よりも芸術性やメッセージ性を重視する姿勢が評価されています。『密陽』や『ハウスメイド』(原題:하녀)など、監督のビジョンや独自の表現に惹かれて出演を決めた作品も多く、その結果、彼女のフィルモグラフィーは韓国映画史においても際立つものとなっています。
プライベートと人柄
チョン・ドヨンは、2007年に実業家でカーレーサーのカン・シギュ様と結婚し、一人の娘さんをもうけています。プライベートでは、家族を大切にする母親として、また極端な親孝行者として知られています。幼少期は内向的で人前に出ることを苦手としていた彼女ですが、演技を通じて自分を表現する喜びを見出し、今日の成功を築きした。彼女の自然体で飾らない人柄は、共演者やスタッフからも高く評価されており、撮影現場ではプロフェッショナルかつ温かい姿勢で信頼を集めています。
今後の展望
チョン・ドヨンは、年齢を重ねてもなお挑戦を続ける姿勢を示されています。2025年4月のインタビューでは、50代を迎えた今もロマンティック・コメディへの愛を語り、デミ・ムーア主演の映画『ザ・サブスタンス』を推薦するなど、自身のキャリアに対する情熱と柔軟な視点を垣間見せました。『可能な愛』を始めとする新作への出演や、舞台や映像作品でのさらなる活躍が期待されており、彼女の次なる一歩に注目が集まっています。
結び
チョン・ドヨンは、韓国エンターテインメント界において、演技力と人間性で多くの人々に影響を与える女優。舞台、映画、ドラマと多岐にわたり活躍し、常に新しい挑戦を恐れない姿勢こそ、彼女が「カンヌの女王」であり続ける理由です。今後も彼女の作品を通じて、観客に感動とインスピレーションを与え続けることでしょう。引き続き、チョン・ドヨンの輝かしいキャリアに期待を寄せ、応援していきます(^^)
レビュー 作品の感想や女優への思い