ヘレナ・ボナム=カーター(Helena Bonham Carter, CBE)は、1966年5月26日生まれの英国を代表する女優。独特の個性と演技力で知られ、『ハリー・ポッター』シリーズや『ファイト・クラブ』、『英国王のスピーチ』などで高い評価を受けています。
プロフィール
- 名前:ヘレナ・ボナム=カーター(Helena Bonham Carter)
- 生年月日:1966年5月26日(59歳)
- 出生地:英国ロンドン、イズリントン
- 身長:157cm
- 職業:女優
- ジャンル:映画、テレビドラマ、舞台
- 活動期間:1983年〜
- 著名な家族:ハーバード・ヘンリー・アスキス伯爵(元イギリス首相)、ヴァイオレット・ボナム・カーター(英国婦人権運動の功労者)、アンソニー・アスキス(映画監督)
- SNSサイト:Instagram
生い立ち・教育
ヘレナ・ボナム=カーターは、1966年5月26日、ロンドンのイズリントンで生まれました。彼女の家系は名門で、母方の曾祖父は元英国首相ハーバート・ヘンリー・アスキス、父レイモンド・ボナム・カーターは銀行家、母エレナは心理療法士という知的で文化的な環境で育ちました。3人きょうだいの末っ子で、幼少期はロンドンのゴルダーズ・グリーンで過ごしました。
幼い頃、父が脳卒中で倒れ、車椅子生活となったことが家族に大きな影響を与えました。この経験は、ヘレナの感受性と独立心を育み、彼女の演技における深い感情表現の基盤となりました。教育面では、ロンドンの名門校サウス・ハムステッド・ハイスクールに通い、その後ウェストミンスター・スクールに進学。しかし、演技への情熱からケンブリッジ大学への進学を断念し、女優の道を選びました。13歳の時、詩の朗読コンテストで賞金を得て、それを元手に役者としてのポートフォリオを作成し、エージェントに送ったことがキャリアの第一歩でした。
経歴
ヘレナの女優デビューは、16歳の時、1983年のテレビ映画『パターン・オブ・ロージズ』でした。1985年、ジェームズ・アイヴォリー監督の『眺めのいい部屋』でルーシー役を演じ、映画初主演を果たします。この作品は批評家から高く評価され、彼女の名を一躍知らしめました。翌1986年の『レディ・ジェーン 愛と運命のふたり』でも主演を務め、歴史劇のヒロインとしての地位を確立。初期のキャリアでは、E・M・フォースター原作の『ハワーズ・エンド』(1992年)や『鳩の翼』(1997年)など、文芸映画への出演が多く、時代劇の衣装が似合うことから「コルセットの女王」とも呼ばれました。
1999年、デヴィッド・フィンチャー監督の『ファイト・クラブ』でマーラ役を演じ、従来のイメージを覆すダークで破壊的なキャラクターを熱演。これにより、彼女の演技の幅広さが世界的に認知されました。2001年からの『ハリー・ポッター』シリーズでは、狂気的なベラトリックス・レストレンジ役で強烈な印象を残し、特に若い世代のファン層を獲得。2007年の『スウィーニー・トッド 悪魔の理髪師』では、ティム・バートン監督のもとでミセス・ラヴェット役を演じ、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされました。
2010年の『英国王のスピーチ』では、エリザベス王妃役でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞(BAFTA)助演女優賞を受賞。2012年の『レ・ミゼラブル』ではテナルディエ夫人役でコミカルな演技を披露し、2015年の『シンデレラ』ではフェアリー・ゴッドマザー役で愛らしい一面を見せました。近年では、Netflixの『ザ・クラウン』(2019年-2020年)でマーガレット王女役を演じ、エミー賞にノミネート。2023年の『ワン・ライフ』では、ニコラス・ウィントンの母バベット役で感動的な演技を見せています。
ヘレナは2012年に大英帝国勲章(CBE)を受章し、その功績が認められています。彼女の演技は、風変わりでエキセントリックな役から歴史的実在人物まで、多岐にわたり、独自の存在感で観客を魅了し続けています。
私生活
ヘレナの私生活は、彼女の個性的なキャラクターを反映しています。1994年から2001年まで、俳優ケネス・ブラナーと交際しましたが、破局。その後、2001年にティム・バートン監督と出会い、パートナーシップを築きました。2人は結婚こそしなかったものの、2003年に長男ビリー・レイモンド、2007年に長女ネルを出産。ロンドンで隣り合った家に住み、互いのプライバシーを尊重するユニークな生活スタイルを送りました。しかし、2014年に13年間の関係に終止符を打ち、友好的に別れました。
2018年以降、ヘレナはアート史家のライ・ホルムボーと交際しています。21歳年下のパートナーとの関係は、彼女の自由でオープンな生き方を象徴しており、2025年現在も良好な関係が続いています。ヘレナは子育てにおいても独自のアプローチを持ち、子供たちに創造性と独立心を育む環境を提供しています。
彼女はファッションでも独自のスタイルを持ち、ヴィヴィアン・ウエストウッドやマルジェラの個性的な衣装を愛用。レッドカーペットでの大胆な装いは、しばしば話題となります。また、フェミニズムやメンタルヘルス支援にも積極的に関与し、社会的活動にも力を入れています。
出演作品
ヘレナ・ボナム=カーターの主な出演作品を以下に列挙します。彼女は映画、テレビ、舞台で幅広く活躍し、多様な役柄を演じ分けています。
- 1985年:眺めのいい部屋 – ルーシー・ハニーチャーチ役
- 1986年:レディ・ジェーン 愛と運命のふたり – レディ・ジェーン・グレイ役
- 1992年:ハワーズ・エンド – ヘレン・シュレーゲル役
- 1997年:鳩の翼 – ケイト・クロイ役
- 1999年:ファイト・クラブ – マーラ・シンガー役
- 2001年:PLANET OF THE APES 猿の惑星 – アリ役
- 2005年:ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! – レディ・トッティントン役(声)
- 2005年:チャーリーとチョコレート工場 – バケット夫人役
- 2001年-2011年:『ハリー・ポッター』シリーズ – ベラトリックス・レストレンジ役
- 2007年:スウィーニー・トッド 悪魔の理髪師 – ミセス・ラヴェット役
- 2009年:ターミネーター4 – セリーナ・コーガン役
- 2010年:アリス・イン・ワンダーランド – 赤の女王役
- 2010年:英国王のスピーチ – エリザベス王妃役
- 2012年:ダーク・シャドウ – ジュリア・ホフマン博士役
- 2012年:レ・ミゼラブル – テナルディエ夫人役
- 2015年:シンデレラ – フェアリー・ゴッドマザー役
- 2019年-2020年:ザ・クラウン – マーガレット王女役
- 2023年:ワン・ライフ – バベット・ウィントン役
まとめ
ヘレナ・ボナム=カーターは、独特の魅力と卓越した演技力で、時代劇から現代劇、ファンタジーまで幅広いジャンルを網羅する英国を代表する女優。名門家系に生まれ、困難を乗り越えた生い立ち、ティム・バートンとのパートナーシップや子育て、個性的なファッションセンスは、彼女の人間的な魅力を際立たせます。今後も彼女の新たな役柄と活躍が期待されます。
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