『キラーズ・セッション』(2019年公開、英国)は、殺人依存症者たちの自助グループ「キラー・アノニマス」を舞台にしたサスペンス・スリラー。ゲイリー・オールドマン主演で、疑心暗鬼と暴力が渦巻く中、驚愕の真実が明らかに。監督はマーティン・オーウェン。
基本情報
- 邦題:キラーズ・セッション
- 原題:Killers Anonymous
- 公開年:2019年
- 製作国:英国
- 上映時間:94分
- ジャンル:アクション、クライム
見どころ
ゲイリー・オールドマンと“世界一セクシーな女優”ジェシカ・アルバが共演。殺人依存症の者が集まるグループセラピーが、殺りくの舞台へと変わるさまをスリリングに描出。
あらすじ
『キラーズ・セッション』(原題: Killers Anonymous)は、2019年に公開されたイギリスのクライム・スリラー映画です。物語は、カリフォルニア州のとあるビルで開催される殺人依存症者たちの自助グループ「キラー・アノニマス」を中心に展開します。このグループは、参加者が自身の殺人衝動や過去の犯罪を共有することで、殺人行為を抑制しようとする極秘の集まりです。参加者は老若男女さまざまな殺し屋で、互いに顔見知りではあるものの、信頼関係は脆弱です。
ある夜のセッション中、衝撃的なニュースが飛び込んできます。アメリカの上院議員カイルが何者かに暗殺された事件が発生し、その実行犯がこのグループのメンバーの中にいるのではないかという疑惑が浮上します。参加者たちは互いに疑心暗鬼に陥り、緊張が高まる中、裏切りや暴力が連鎖的に発生。物語は、グループの真の目的と、事件の背後に隠された驚くべき真実が明らかになる過程を、緊迫感あふれる展開で描きます。終盤では、予期せぬ展開と衝撃的な結末が観客を待ち受け、単なるスリラーにとどまらない深いテーマを提示します。
解説
『キラーズ・セッション』は、密室劇に近いスタイルで進行するサスペンススリラーです。舞台がほぼ一つの場所に限定されているため、登場人物たちの対話や心理戦が物語の中心となります。この形式は、登場人物の内面や動機を探ることに重点を置き、観客に緊張感と謎解きの楽しみを提供します。しかし、一部のレビューでは、会話シーンが多く、ストーリーの展開が冗長に感じられる点や、ゲイリー・オールドマンやジェシカ・アルバといった著名な俳優の出番が少ないことが指摘されています。
映画のテーマは、殺人衝動や依存症という重い題材を扱いつつ、信頼と裏切りの人間ドラマを掘り下げています。タランティーノ作品のようなポップで過激な演出が試みられているものの、伏線の張り方やストーリーのまとまりには課題があるとの意見も見られます。 それでも、ラストの怒涛の展開や意外性のあるオチは一部の観客に高く評価されており、クライム・スリラーとしての独自の魅力を持っています。イギリス英語とアメリカ英語の対比や、殺し屋たちの個性的なキャラクター造形も、映画に独特の味わいを加えています。
女優の活躍
本作には、ジェシカ・アルバとスキ・ウォーターハウスという二人の注目女優が出演しています。
ジェシカ・アルバ(Jade役)
ジェシカ・アルバは、『シン・シティ』や『ファンタスティック・フォー』シリーズで知られるハリウッドの人気女優です。本作では、謎めいた新メンバー「Jade」を演じ、物語の序盤で重要な役割を果たします。彼女の登場は、グループ内の緊張感を高めるきっかけとなり、独特の存在感で観客を引きつけます。しかし、レビューによれば、彼女の出番は予想以上に少なく、物語の途中で退場してしまうため、ファンの期待を裏切る結果となったとの声もあります。 それでも、短い出演時間の中でも、アルバの魅力的な演技とカリスマ性は光っており、特にアクションシーンでのキレのある動きは印象的です。
スキ・ウォーターハウス(Violet役)
スキ・ウォーターハウスは、モデル出身で『名探偵ピカチュウ』や『ダイバージェントNEO』などに出演し、近年女優としてのキャリアを積んでいる若手です。本作では、グループのメンバー「Violet」を演じ、若々しくも危険な雰囲気を漂わせるキャラクターを体現します。彼女の演技は、グループ内の対立や心理戦において重要な役割を果たし、物語の緊張感を支えます。ウォーターハウスの自然体な演技は、殺し屋という過激な役柄に人間味を加え、観客に感情移入しやすいキャラクター像を構築しています。
女優の衣装・化粧・髪型
ジェシカ・アルバ
ジェシカ・アルバ演じるJadeの衣装は、都会的でスタイリッシュな雰囲気を強調したものになっています。黒を基調としたタイトなレザージャケットやダークトーンのトップスを着用し、殺し屋らしいクールでミステリアスな印象を与えます。化粧は、ナチュラルながらも鋭い目元を強調するアイメイクが特徴で、彼女の強い個性を引き立てています。髪型は、シンプルなストレートヘアまたは軽くウェーブのかかったスタイルで、動きやすさと実用性を意識したものになっています。これにより、Jadeのキャラクターが持つ危険な魅力が視覚的に表現されています。
スキ・ウォーターハウス
スキ・ウォーターハウス演じるVioletの衣装は、若さとおしゃれさを強調したカジュアルかつエッジの効いたスタイルです。ダークカラーのデニムやフィット感のあるトップス、アクセサリーとしてチョーカーやブーツを組み合わせ、現代的な殺し屋のイメージを構築しています。化粧は、鮮やかなリップカラーとスモーキーなアイシャドウで、若々しさと同時に攻撃的な雰囲気を演出。髪型は、ルーズなポニーテールやサイドに流したスタイルが多く、動きやすさとファッション性を両立させています。彼女のルックは、グループの中での若手メンバーとしての個性を際立たせています。
キャスト
- ゲイリー・オールドマン(The Man役)…『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でアカデミー賞を受賞した名優。謎めいたリーダー役を演じ、物語の鍵を握る存在感を発揮。
- トミー・フラナガン…『サン・オブ・アナーキー』で知られる俳優。グループのメンバーとして、渋い演技で物語に深みを加える。
- ライオン・ニコール・ブラウン…新進気鋭の女優で、グループ内の緊張感を高める役どころを担当。
- ジェシカ・アルバ(Jade役)…前述の通り、短い出演ながら印象的な演技を見せる。
- スキ・ウォーターハウス(Violet役)…若手メンバーとしてフレッシュな魅力を発揮。
- マイアンナ・バーリング…『リッパー・ストリート』などで知られ、グループのメンバーとして物語を支える。
ほかに、マイケル・ソチャ、ティム・マッキナリー、サム・ハゼルダイン…脇を固める実力派俳優たちで、個性的な殺し屋たちを演じる。
スタッフ
- 監督:マーティン・オーウェン。『バーチャル・ウォーズ』などで知られる若手監督。独特のビジュアルスタイルとスリリングな演出が特徴。
- 脚本:マーティン・オーウェン、エリザベス・モリス、セス・ジョンソン。三人による共同脚本で、複雑な人間関係とサスペンスを構築。
- 製作:キルスティ・ベル、マット・ウィリアムズ。低予算ながらも緊張感のある作品作りに貢献。
- 撮影:ハカン・カールソン。暗い色調と閉鎖的な空間を活かし、緊迫感を視覚的に表現。
- 音楽:ロジャー・グーヴィア。サスペンスを盛り上げる劇伴で、映画の雰囲気を高める。
- 配給:ハーク(日本)、ライオンズゲート(米国)。日本では2019年7月13日に劇場公開。
総評
『キラーズ・セッション』は、殺人依存症というユニークな設定と、ゲイリー・オールドマンやジェシカ・アルバといったスター俳優の起用で注目を集めた作品です。しかし、期待されたほどの出番が少ない主要キャストや、ストーリーの冗長さが一部で批判される一方、ラストの展開や個性的なキャラクター造形は見どころです。女優陣の衣装やビジュアルは、殺し屋たちの危険な魅力を引き立て、映画のスタイリッシュな雰囲気を支えています。サスペンスやクライム・スリラーが好きな観客には、独特の味わいを持つ一本として楽しめるでしょう。
レビュー 作品の感想や女優への思い